
白点病に悩むお父さん「金魚すくいの金魚を持って帰ってきてしばらくしたら、体の表面に白い点々が出てきて、そのうち死んでしまった。白点病の治し方が知りたいな。それに、白点病を予防する方法があったら教えてほしい」
こんな悩みを解決します
こんにちは、せいじです。
金魚飼育歴10年、多い時で100尾程度の金魚を飼育しています。
今回は、金魚の白点病について書いてきます。
内容については個人的な経験だけでなく、ジェックス(株)製造開発部のチームである、吉田恵史郎氏の講義を元にしています。
この記事の内容
金魚すくいですくったり、ホームセンターで購入した金魚さん。
水槽も用意してせっかく買い始めたのに、すぐに白い点々ができて死んでしまった、なんて経験を持っている人は多いのではないでしょうか。
子供さんには気の毒な話しですよね。
大丈夫です、白点病を治すことはできます。
今回の記事をぜひ参考にしてください。
金魚の病気、白点病とは
金魚の身体に白い点々がくっついた状態になるため、白点病と呼ばれます。
金魚の病気の中で一番発生しやすい病気です。
比較的治りやすい病気である一方で、こじらせると命に関わります。
金魚の風邪とも言われるんですよ。
早く発見して、早く治療することが重要ですね。
金魚の白点病の原因
白点病の原因は、繊毛虫(せんもうちゅう)の一種である白点虫と呼ばれる虫です。
正式名称を「ウオノカイセンチュウ」といいます。
幼虫では目に見えませんが、成虫になると金魚の体の表面にくっつき、成熟すると目で確認できるようになります。
成虫は金魚から栄養を取り、成熟すると金魚の身体から離れて沢山の幼虫を生みます。
その幼虫がまた成長し、金魚に付着して白点病を繰り返すのです。
水槽全体に白点虫が存在する
つまり、白点病が発生している状態は、水槽の中に白点虫がたくさんいる状態です。
だから、金魚の体について目に見えている白点虫だけでなく、水槽全体の白点虫をやっつけないと、完全に治すことはできません。
目に見えている白点がなくなったからといって、油断してはいけないのです。
白点病で金魚が死ぬ理由
白点病は金魚の表面上に付着し、なんと回転しています。
そして、金魚の身体の表面を削り取り、それを食べて栄養を摂っているんです。
金魚の身体の表面には膜が張っていて、その膜によって病気から身を守っています。
白点病によって膜が削り取られると、抵抗力が弱まって別の病気になったり、栄養を吸い取られることによって弱って死んでしまうのです。
また、白点病は体表やひれだけでなく、えらにもくっつきます。
えらは呼吸する部分なので、ここに白点虫がついてしまうと、呼吸困難で窒息死してしまいます。
白点病の原因である白点虫の特徴
白点虫の特徴をまとめます。
白点虫の特徴
- サイズ:0.5~0.8mm
- 増えることができる水温:6~25℃
- 増えるのに適切な水温:15~18℃
- 生まれて7~8日間で成熟し、金魚から離れて産卵
- 産卵すると成虫は死んでしまう
- 生まれた幼虫の寿命は24時間(金魚に寄生しない場合)
- 薬は成虫には効かない
これらの特徴を踏まえて治療する必要があります。
金魚の白点病は初期に治療することが大切
金魚が白点病にかかると、白点虫によって身体の粘膜が削り取られて抵抗力が弱くなります。
この時間が長ければ長いほど、金魚の抵抗力が弱ってしまうので、病気が治りにくくなります。
なので、早く見つけて、早く治療を始めなければなりません。
金魚の白点病は水槽全体を治療するイメージ
白点病は白点虫が原因となって発生します。
白点虫は、金魚にくっついているものだけでなく、水槽全体に存在します。
だから、1つの水槽に数匹の金魚を飼っている場合、すでに体に点々が出ている金魚だけでなく、まだ元気に見える金魚も治療が必要なのです。
そして、水槽の水の中に潜む見えない白点虫を殺すため、水槽全体を治療するイメージで行なわなければなりません。
金魚の白点病を治す4つの方法
白点病の治療方法は次の4つです。
白点病の治療方法
- 水換えをする
- 塩水浴をする
- 治療薬を投与する
- 水温を上げる
掘り下げていきます。
金魚の白点病の治療①:水換えをする
- 1/3から半分程度水換えをする
- 【目的】水に漂う白点虫を排出する
- 【目的】水質を良くする
白点病の原因である白点虫は、幼虫では目に見えません。
しかし、金魚の身体に白点が出ている時点で、水槽内には大量の白点虫がいます。
なので、治療をする場合、白点虫を減らすために水換えをします。
1/3から半分程度の水換えをしましょう。
水を全部入れ換えた方がいいんじゃない?と思うかもしれません。
しかし、水を全部換えると、水質の変化によって金魚の負担が大きくなります。
新しい水を入れると、水質が変わってしまうので、金魚は環境に適用するために体力を使わなければならないのです。
ただでさえ白点病で弱っている中で、さらに大きな負担を与えると病気が悪化してしまいます。
なので、その負担を減らしつつ白点虫を外に出すために、1/3から半分程度の水換えにとどめておく必要があります。
水変えの具体的な方法については金魚の水換えの方法【便利な道具も紹介します】を見ていただけると嬉しいです。
金魚の白点病の治療②:塩水浴を実施する
- 水槽内の水が0.5%の濃度になる量の塩を入れる
- 精製塩より岩塩の方が良い
- 【目的】金魚の負担を軽減し、自己治癒能力を高める
白点病に限らず、金魚の病気の治療には塩水浴が効果的です。
塩水浴は、自己治癒能力を高める効果があるからです。
①の水替えの際に、水槽内が0.5%の塩水になるよう、塩を投入してください。
塩水浴については金魚の塩水浴とは?やり方や効果をわかりやすく解説に詳しく書いています。
ご覧いただけると嬉しいです。
金魚の白点病の治療③:治療薬を投与する
- 薬剤の種類に応じて適量投入する
- 【目的】水槽内の白点虫の幼虫を殺す
白点病は虫による病気のため、治療には虫を殺す必要があります。
白点虫を殺す効果がある薬は次の通りです。
白点病に効く薬
- メチレンブルー
- ニューグリーンF
- グリーンFクリアー
- グリーンFリキッド
- マラカイトグリーン
- アグテン
上記の通り、白点病に効果のある薬はたくさんあります。
後述するようにメチレンブルーがおすすめですが、デメリットもあります。
それぞれの飼育環境に合わせて薬を使い分けると便利ですね。
白点病の治療薬の選び方などを金魚の白点病の薬はどれがいい?【環境によって使い分け】の記事にまとめました。
かなり有益な内容になっていると思いますので、ぜひご覧ください。
白点病の治療にはメチレンブルーがおすすめ
金魚の白点病の治療薬としては、メチレンブルーがメジャーでお勧めです。
なぜなら、他の薬に比べて圧倒的に安いからです。
ただし、次のようなデメリットがあります。
たとえば、水槽だと角のパッキンや、砂利、濾過器が青く染まります。
飾り物なども染まってしまうので、治療する際は水槽から出しておいてください。
また、水草も枯れてしまうので、取り出す必要があります。
※現在メチレンブルーなど、一部の薬品が品薄状態になっているようです。
金魚の白点病の治療④:水槽の水温を上げる
- サーモヒーターを使って水温を28℃まで上げる
- 水温を上げるペースは、サーモスタットで上昇するペースでOK
- 【目的】白点虫の増殖スピードを早め、弱い個体を増やして薬の効きを良くする
水温をあげることも、白点病の治療には効果的です。
白点病になったら、サーモヒーターを使って、水温を28℃まで上げましょう。
水温を28℃まで上げると、核分裂が活発になり、成熟、増殖スピードが早くなります。
早く成熟させることで、金魚に付着していた白点虫は、産卵のために金魚の身体から離れるスピードが早くなります。
また、早く増殖した白点虫の幼虫は、そのスピードによって身体が出来上がらず、とても弱い個体になります。
その結果、薬が効きやすく、死滅させることが容易になるのです。
逆に、水温が低い状態で、ゆっくりと育った白点虫は、強い個体となり薬の効果が悪くなります。
金魚の飼育におすすめのヒーターを紹介【3つのタイプから選ぶ】
金魚の白点病の治療期間
金魚の白点病の治療に必要な期間は、10日~12日間です。
金魚の身体についている白点は、順調にいけば1週間ほどで消えてなくなりますが、水槽内に残っている白点虫の成虫が産卵することによって、再発する可能性があります。
なので、水槽内の白点虫をすべて殺すために、10日~12日の期間が必要になるのです。
メチレンブルーの効果はだいたい3日~6日間(青い色がなくなったら効果はなくなる)なので、色素が薄くなってきたら1/3~半分程度水換えをし、再度投与してください。
新しい水を0・5%の塩水にしておくと、塩水浴も続行できます。
金魚の白点病は自然治癒する?
- 金魚の白点病は自然治癒しない
- 初期なら塩水浴と水換えで治る可能性が高い
結論から言うと、金魚の白点病は自然治癒しません。
放っておくと金魚は寄生した白点虫によって体力を奪われ、徐々に弱っていきます。
そして、そのまま衰弱死したり、他の病気を併発して死んだりします。
エラに寄生された場合は致命傷になるため、初期の段階でも死んでしまうことがあります。
ただし、塩水浴は金魚の自己治癒能力を高める効果があるので、初期の段階なら塩水浴と水替えで白点病を治すことができます。
金魚の白点病を予防する方法
金魚の白点病を予防する方法を書いていきます。
まとめると次のようになります。
白点病の予防方法
- 定期的に水替えをする
- 金魚の様子を毎日観察する
- 水温の変化に注意する
金魚は病気になるととても厄介です。
なので、日々の予防がとても大切です。
定期的に水替えをする
金魚が病気になる一番の原因は水質の悪化ですね。
水質が悪化するということは、私たちに置き換えると、大気汚染や自然破壊が起こっているようなものです。
水槽は小さな地球みたいなものなんです。
なので、健康を維持するためには、環境を整えてあげなければなりません。
水質の悪化を防ぐには、水換えが必須になります。
水を入れ替えることによって、汚れを取り除くのです。
水槽の中は目に見えない汚れでいっぱいです。
その中には、金魚に害を及ぼすものもあります。
それを取り除いてあげるのです。
では、どれぐらいの頻度で水換えをした方がいいでしょうか。
飼っている金魚の数や大きさ、餌を与える頻度にもよるので一概には言えませんが、おおよそ2週間に1回、1/3から半分の量の水を換えるのがいいですね。
金魚の様子を毎日観察する
金魚の病気は早期発見がとても大切です。
早く治療をすればするほど、治る可能性も高くなります。
だから、普段から様子をしっかりと見てあげてください。
白点病かどうかをチェックするポイントは次の通りです
観察のポイント
- 体の表面、尾びれ、背びれ、胸びれに白点がある
- 体の表面に粘液が異常に出ていないか。水面が泡だらけになっている
- 突然暴れ出して、砂利などに身体をこすりつける
- 背びれをたたんでいる
- 背びれや胸びれが痙攣しているように小刻みに動かす
この5項目のうち、いずれかが該当する場合、白点病を疑いましょう。
特に①、③、⑤はほぼ白点病です。
②、④は他の病気の可能性もあるので、すぐに半分程度水換えをして、塩水浴を実施してください。
水温の変化に注意する
金魚は急な水温の変化に弱い生き物です。
1日の中で、5℃以上水温が上下するような状況が毎日続くようだと、体調を崩すして白点病などの病気になる可能性が高くなります。
なので、水温の変化が少ない場所に水槽を置くようにしてください。
自宅内なら、あまり暖房の影響を受けないところがいいですね。
どうしてもそのような場所がないようであれば、ヒーターを使って温度を一定に保つようにしてください。
他にも、直接日が当たるような窓際などに置くと、温度変化が激しくなります。
そのような場所は避けるようにしてください。
まとめ
金魚の白点病について書きました。
白点病は比較的治りやすい病気です。
かかり始めだと、ほぼ完治できる可能性が高いです。
普段の観察により、早期発見、早期治療に努めてください。
大切な金魚さんを、守ってあげてくださいね。
それではまた。
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