金魚の沈没病に悩む人「金魚が沈んだまま浮かなくなってしまった。がんばって泳いでも、すぐに沈んでしまう。これはどんな病気なんだろう。どうやったら治るのかな?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
金魚の沈没病の原因や治療方法について書いています。本記事を読むことで、沈没病を改善することができます
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より、金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚が沈んまま泳げなくなってしまったことはありませんか?
まるで身体に重りを入れられたんじゃないかと感じるほど、ストンと水底に沈んでしまう、そんな症状です。
悪化すると、まったく浮くことができなくなるんですよね。
これは沈むタイプの転覆病で、またの名を沈没病と言います。
浮袋の異常によって発生すると考えられています。
転覆病のように餌を切れば改善される、というものではないので、積極的な治療が必要になります。
そして、早期に対応しないと浮袋が元に戻らなくなり、永遠に浮くことができなくなってしまいます。
というわけで、今回は金魚の沈没病の原因や治療方法、そして予防方法についても書いていきます。
金魚の沈没病の症状とは?
まずは、金魚の沈没病の症状について書いていきます。
転覆病とのちがいは、浮くか沈むか、ですね。
初期症状:金魚が泳ごうとしても沈んでしまう
初期の症状としては「金魚が泳ごうとしても沈んでしまう」というものです。
健康な金魚であれば、ひれを動かして浮力や推進力を得ると、動きを止めても浮いたままいられますよね?
水中の中でぼーっとたたずむこともあります。
金魚の自然な姿と言えますが、沈没病になるとこれができなくなるのです。
沈没病の金魚は、ひれの動きを止めると「ストン」と落ちるように沈んでしまいます。
ひれを動かし続けないと浮いていられないのです。
中期症状:沈んだまま動かない
症状が進行すると、金魚はあまり泳がなくなり、水底に沈んでいる時間が長くなります。
そして、徐々に動けなくなるのです。
浮いて泳ぐためには、ひたすらひれを動かす必要があり負担になるからです。
とはいえ、中期の段階では、がんばればまだ泳ぐことができます。
ひれを必死に動かして、上昇します。
動きを止めると、転落するように水底に落ちます。
落下する勢いは、金魚の身体がバウンドするほどですね。
また、お腹が水底に接している時間が長くなるため、赤くただれてしまうことが多いです。
ただれたところから病原細菌に感染する可能性があるので、塩水浴などで予防する必要があります。
末期症状:横向きになりまったく浮けない状態になる
沈没病の末期になると、まったく浮くことができなくなります。
また、姿勢を維持できず、横たわってしまうことがあります。
時々、ひれをばたつかせて泳ごうとしますが、浮くことができないので、水底を這いまわるような形になります。
沈没病の原因は?
沈没病の原因として考えられるのは次の2つです。
沈没病の原因
- 糞詰まり
- 浮袋の損傷
2つの原因を掘り下げていきます。
糞詰まりによる沈没病
金魚が糞詰まりを起こす原因は、餌の食べ過ぎによる消化不良です。
消化不良を起こすと、便秘になるんですね。
そして、糞便が身体に溜まってしまい、その重みで浮けなくなってしまうのです。
浮袋の異常による沈没病
金魚は浮袋によって浮くことができ、また身体のバランスを保っています。
その浮袋に異常が出ると、うまく浮くことができなくなります。
浮袋の異常は次のような原因で起こります。
浮袋に異常が起こる原因
- 餌の食べ過ぎにより浮袋に圧がかかった
- 溜まった糞によって浮袋に圧がかかった
- 先天的な異常で破損しやすかった
餌の食べ過ぎや溜まった糞によって圧のかかる時間が長くなると、浮袋の形が変形してしまったり、破損してしまったりすることが考えられます。
浮袋が損傷してしまうと元に戻ることはありません。
ですから、沈没病が発生したら、早期の対応が必要になります。
沈没病の原因をまとめると消化に起因する
沈没病の発生については、きちんと消化できる形で餌を食べられているかどうかということになります。
ですから、餌やりの方法や、金魚の消化能力の向上をうながすことで、改善、予防につながります。
金魚の沈没病の治療方法
ここからは沈没病の治療方法について書いていきます。
沈没病には積極的な治療が必要です。
同じ消化不良が原因となって起こる転覆病とちがって、餌を切れば症状が改善される、ということは少ないからです。
では、具体的な治療方法について掘り下げていきます。
すべて実施するようにしてください。
餌をあたえない
沈没病の症状が見られたら、必ず餌を切るようにしてください。
餌を切ることで症状が改善される可能性は低いですが、餌をあたえることで確実に悪化します。
糞詰まりしている状態で、さらに餌を食べるとますます圧が上がって浮袋へのダメージが大きくなるからです。
ですから、絶対に餌を切るようにしてください。
その上で、他の治療を並行して行っていきます。
消化能力を向上させるために水温を上げる
金魚の消化能力をフルに発揮させるために、水温を上げてください。
消化能力がマックスになる水温は、25~28℃です。
それよりも下であれば、ヒーターを使ってひとまず25℃まで水温を上昇させてください。
沈没病の初期であれば金魚の衰弱はないはずなので、ヒーターの設定温度を25℃にして、自然に上昇するスピードにまかせても大丈夫でしょう。
水槽の水温を上げる際の詳細については、金魚水槽の水温を上げる方法を解説します【上げるペースも含む!】をご覧ください。
整腸作用のあるものをあたえる
消化作用をマックスにしつつ、消化を助けるために整腸作用のあるものをあたえましょう。
具体的には次のようなものです。
金魚の整腸作用の働きをするもの
- クロレラ
- 乳酸菌配合の食品
- ココア
これらの食品をあたえることによって、腸環境の改善をはかることができます。
その結果、排便がうながされるのです。
大量に排便が見られて便秘が解消されると、浮袋への影響が解消されて沈没病が改善される可能性があります。
症状が軽ければ軽いほど完治できる可能性が高くなるので、早めにあたえるようにしてください。
お勧めの商品については、金魚の転覆病を改善する薬剤などを紹介【クロレラ・乳酸菌など】で紹介しています。
確実に改善が見込めるので、ぜひご覧ください。
金魚の沈没病の予防方法とは?
沈没病は、無理な餌やりが原因になっている場合が往々にしてあります。
その結果消化不良になり、糞詰まり、そして浮袋に異常が出ます。
ですから、適切な餌やりと、腸内環境を整えてあげることで沈没病を予防することができます。
まず適切な餌やりの方法をまとめると、次のようになります。
適切な餌やりの方法
- 1回5分で食べきれる量
- 1日1~3回
- 餌の間隔を2時間以上あける
- 水温が下がる時間帯を避ける
金魚を健康に育てるコツは、餌をひかえめにあたえることです。
元々、金魚は消化能力が低い生き物だからです。
また、1日に何度か餌をあたえる場合は、間隔を2時間以上、できれば3時間あけるようにしてください。
餌を消化しきらないまま、さらに餌をあたえると消化不良を起こしやすくなります。
あとは時間帯も重要です。
水温が下がるタイミングで餌をあたえないようにしましょう。
消化能力が低下して、消化不良を起こしやすくなるからです。
餌をあげるタイミングとして適しているのは、これから水温が上がっていく時間帯となります。
特に水温の低い時期は、午前中から昼過ぎまでに餌やりを終了するようにしてください。
金魚は水温によって餌の調整が必要!失敗しない方法を紹介します
腸内環境を整える方法としては、前述したクロレラや乳酸菌を定期的にあたえるようにしてください。
金魚の餌によっては、乳酸菌を配合しているものもあります。
その餌をあたえるのもいいですね。
金魚が沈んで動かない!沈没病の症状や原因、治療方法を解説:まとめ
金魚が沈んで浮きあがれなくなってしまう病気、沈没病について書きました。
沈没病の原因は糞詰まりや消化不良です。
それによって浮袋に異常が発生し、浮くことができなくなるのです。
ですから、正しい餌やりにより消化不良を防ぎ、整腸作用をうながすことによって糞詰まりが起こらないようにしてください。
沈没病は悪化すると改善がむずかしくなり、まるで寝たきりのような状態となります。
そして、徐々に身体が衰弱して死んでしまいます。
かなりつらい病気なので、早期に治療をして改善、もしくは予防できるようにしてください。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。