松かさ病

金魚の病気など

金魚のうろこが逆立つ病気!松かさ病の原因や治療、予防方法とは

2020年1月13日

松かさ病に悩む人「金魚の松かさ病について知りたい。金魚を飼育しているんだけれど、なんだかうろこが逆立ってきているんだよね。これって松かさ病っていう病気なの?どうやったら治療できるのかな?また、原因や予防方法についても知りたいな」

こんな悩みを解決します

この記事の内容

金魚の松かさ病の症状や原因、予防方法について書いています

こんにちは、せいじです。

金魚を10年以上飼育しており、金魚のふるさと、奈良県大和郡山市より、金魚マイスターの認定を受けています。

さて、金魚の病気の中でも、不治の病として恐れられているものがあります。その中でも、ひときわ厄介な病気とされているのが、松かさ病です。

発症すると治療がむずかしく、また、見た目にもインパクトのある病気なので、飼い主としては非常に心が痛くなります。

松かさ病の主な原因は、水質の悪化ですが、かなり水質が悪い状態にならないと発症しないため、きちんと飼育することで防ぐことが可能になります。

というわけで、今回は金魚の松かさ病について解説します。

松かさ病とはどんな病気?

松かさ病は、金魚の見た目の変化が大きい病気です。症状が進行していくにつれ、見た目が松ぼっくり(松かさ)のような姿になることから、松かさ病と名付けられています。

松かさ病の症状からおさえていきます。

松かさ病の症状

では、松かさ病の症状から見ていきましょう。

松かさ病の初期症状

松かさ病の初期症状をまとめると、次のようになります。

金魚の松かさ病の初期症状

  • 金魚が大きくなった?
  • よく見るとうろこが逆立っている

松かさ病の初期症状は、身体の膨らみです。金魚が一回り大きくなったように見えるんですね。しかし、この身体のふくらみの正体は、実はうろこの逆立ちです。

うろこが逆立つことによって、なんだか大きくなったように見えるのです。そして、うろこが逆立ってくるのは、鱗の根本にある鱗嚢に水様物が溜まるためです。

初期の段階では、金魚は元気に泳ぎ回り、餌も普通に食べることができます。ですから、病気と感じにくいかもしれません。

しかし、進行するにつれて症状が広がっていきます。

松かさ病の末期症状

末期に至るまでの松かさ病の症状をまとめます。

金魚の松かさ病の末期症状

  • うろこの逆立ちが激しくなる
  • 便秘になる
  • 身体のバランスが取れなくなり、水槽の底で動かなくなる
  • 身体を維持しているのがむずかしくなり、横たわる
  • 眼球が飛び出すポップアイを発症することもある

症状が悪化していくと、うろこの逆立ちが激しくなります。そして、便秘を発症し、ますます身体がふくらんでいきます。

また、個体によってはポップアイと言って、眼球が飛び出るような症状が出ることもあります。

症状の進行につれて、徐々に身体のバランスが取れなくなり、最後は底に沈んで姿勢を保つこともできなくなります。

やがて、衰弱して死んでしまうのです。

発病して亡くなるまでけっこうな時間を要するため、金魚自身も苦しいでしょうし、飼い主としてもその姿を見ているのはかなり辛いですね。

ピンポンパールでは水疱症

パール鱗という特殊な鱗をしているパール系の金魚、たとえばピンポンパールやパールスケール、高頭パールといった金魚に松かさ病は起こるでしょうか?

実はパール系の金魚は、松かさ病と同じ原因で起こる水疱症という病気があります。ガマガエル病とも呼ばれるのですが、身体に水膨れができるのです。

こちらもかなりの難治性ですね。

仮に一旦症状がおさまっても、しばらくするとまた水疱が出てきて繰り返します。何らかの理由で鱗が剥がれたりするとなりやすいようです。

もしかしたら、水疱症にかかったせいで鱗が剥がれたのかもしれませんが、そのあたりの因果関係は定かではありません。

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松かさ病の原因

金魚の松かさ病の原因は、エロモナス・ハイドロフィラという細菌による感染です。ですが、エロモナス・ハイドロフィラが存在するからといって、必ず感染が起こるわけではありません。

エロモナス・ハイドロフィラは常在菌で、自然界はもとより、水槽の中にも普段から存在します。

ですから、エロモナス・ハイドロフィラがいたとしても、金魚が健康な状態であれば、感染されることはないんですね。

金魚が松かさ病になってしまうのは、水質の悪化などのストレスによって、金魚の免疫力が低下するからです。

金魚の免疫力が低下すると、エロモナス・ハイドロフィラの感染をゆるしてしまうのです。

また、水質の悪化により肝臓や消火器系にダメージを負い、体内の水圧コントロールができなくなったり、不要な水分や排泄ができなくなって発症するとも考えられています。

この2つのどちらかが原因というより、関連し合って発症すると言えるようです。

松かさ病はうつる?

松かさ病が他の金魚にうつる可能性は低いですね。1匹が発症したからといって、次々に松かさ病が広がっていく、ということはありません。

ただし、松かさ病を発症したということは、金魚にストレスのかかる環境になっていると考えられます。ですから、水換えをするなど、環境を改善してあげてください。

金魚の松かさ病の治療方法

ここからは、金魚の松かさ病の治療方法について書いていきます。治療方法をまとめると、次のようになります。

金魚の松かさ病の治療方法

  • 塩水浴
  • 薬浴
  • 薬餌の投与
  • ココア浴
  • エプソムソルト浴

それぞれ掘り下げていきます

塩水浴の実施

松かさ病の治療方法としては、まずは塩水浴があげられます。

松かさ病は水圧コントロールができなくなる病気ですので、浸透圧を軽減できる塩水浴の効果が有効です

自然治癒力を高め、松かさ病の回復をフォローしていきましょう。

ただし、塩水浴のみで松かさ病を完治できる可能性は非常に低いです。ですから、次に紹介する薬浴を合わせて実施してください。

なお、塩水浴についての詳細は、金魚の塩水浴とは?やり方や効果などわかりやすく解説【完全網羅】をご覧ください。

参考記事
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薬浴の実施(金魚の松かさ病に効く薬)

松かさ病を完治させるためには、薬浴が不可欠です。松かさ病に効果のある薬をまとめると、次の通りになります。

金魚の松かさ病に効果のある薬

  • グリーンFゴールド顆粒
  • エルバージュエース

グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースともに、細菌感染症に効果のある薬になります。ですから、松かさ病の治療にも効果があります。

規定の容量を投入し、一週間ほど薬浴を実施してください。1週間で効果が見られないようであれば、薬剤を変えて、再度薬浴を実施してみてください。

ただし、水質の悪化によって内臓がやられ、それによって松かさ病を発症している場合は、薬浴だけでは治癒がむずかしくなります。

松かさ病には薬餌が効果的

松かさ病には、薬餌が効果的な治療になります。なぜなら、松かさ病は内臓をむしばむ病気だからです。

薬餌とは、餌に薬を染み込ませて、それを食べさせる治療方法です。ですから、薬浴よりも内臓への効果を見込むことができます。

ただし、高い効果が見込める一方で、金魚への負担が大きくなる治療方法でもあります。

なので、いきなりたくさんあたえるのではなく、少しずつ食べさせて効果を見るようにしてください。

ココア浴

薬浴や塩水浴以外の治療方法として、ココア浴というものがあります。

ココア浴とは、飼育水に無糖ココアを入れ、その中で泳がせる治療方法です。ココアに含まれているポリフェノールの効果により、内臓を守る効果が得られるほか、排泄促進効果があります。

実際に、金魚はココア浴をすると大量の糞をします。

松かさ病は、排せつ機能にダメージを負う病気なので、ココアの排泄促進効果が病気の症状を改善する可能性があるのです。

具体的なやり方としては、60cm水槽であれば、小さじ4杯のココアが目安に投与し、様子を見てください。

薬浴で効果が見られないようであれば、試してみる価値はあるでしょう。

エプソムソルト浴

松かさ病には、エプソムソルト浴も効果が期待できます。なぜなら、肝臓系、消化器系の疾患に効果が得られる可能性があるからです。

エプソムソルトとは、主に入浴剤に含まれている物質です。エプソムソルトには、デトックス効果などがあるため、消化器系などの機能が低下している金魚においては、水や老廃物の排出を助けてくれる効果が期待できるのです。

ただし、金魚にとっては負担の大きい治療方法になるため、実施する際には十分注意してください。

やり方の詳細については、松かさ病や転覆病に効果があるエプソムソルト浴とは?をご覧いただけると参考になると思います。

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金魚の松かさ病は治らない?

ここまで治療方法について書いてきましたが、私個人の経験上で言うと、松かさ病の治療はかなり難しいと言わざるを得ません。

個人的にはほぼ不可能と思っています。

GEXの研究員の方とお話しする機会があり相談しましたが、その方も治療に成功したことはないとおっしゃっていました。

ただし、むずかしいとはいえ100%なおらないとも言い切れません。ですから、ここまで紹介した治療方法をひとまず実施していただけたらと思います。

そして、それ以前に重要なのは、松かさ病を予防すること、になります。

金魚の松かさ病を予防する方法

金魚の松かさ病を予防する方法について見ていきましょう。

方法をまとめると、次のようになります。

金魚の松かさ病を予防する方法

  • 水質の悪化を防ぎ、きれいに保つ
  • 消化不良など、金魚のストレスになることを排除する

それぞれ、掘り下げていきます。

水質の悪化を防ぎ、きれいに保つ

松かさ病の予防で重要なのは、水質の悪化を防ぐことです。水質の悪化により、細菌感染が引き起こされ、さらには内臓器官の疾患につながるからです。

ですから、生物濾過の活用と、定期的な水換えを正しく実施し、水質が悪化しないようにしてください。

なお、正しい水換えの方法などについては、間違えると弱る!金魚の水換えの正しいやり方についてをご覧ください。

消化不良など、金魚のストレスになることを排除する

松かさ病の原因として、ストレスがあります。ですから、ストレスをできるだけ排除した環境を作ってあげることで、 松かさ病になるのを防ぐことができます。

金魚のストレスになることがらとしては、前述した水質の悪化も含めて、複数あります。

詳細については、金魚もストレスを感じる!その原因と影響を解説しますをご覧ください。

参考記事
金魚もストレスを感じる!その原因と影響を解説します

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金魚のうろこが逆立つ病気!松かさ病の原因や治療、予防方法とは:まとめ

金魚の松かさ病の症状や原因、治療、予防方法について書きました。

この記事をまとめます。

この記事のまとめ

  • 松かさ病の症状は、うろこが逆立ち、風船のように膨らむ、そして内臓器官がやられて死に至る
  • 松かさ病の原因は、エロモナス・ハイドロフィラによる感染
  • 感染は、水質悪化などストレスにより金魚の抵抗力が低下することで発症する

ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

  • この記事を書いた人

せいじ

現在:ハッピーアクト代表
住所:金魚のふるさと奈良県大和郡山
金歴:15年以上
実績:金魚マイスター認定者
    全国金魚すくい選手権20位
内容:金魚の飼育、育成、金魚すくいのコツを発信  

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