金魚の繁殖

金魚の稚魚を選別する理由や目的と失敗しない選別方法

2020年3月5日

金魚の稚魚の選別に悩む人「金魚の稚魚はどうして選別しなければならないのですか?せっかく生まれてきてくれたので、みんな育てたいと思ってしまいます。もし選別が必要なら、どんな基準で稚魚を選別していけばいいですか?」

こんな悩みを解決します

この記事の内容

  • 金魚の稚魚の選別の理由や目的がわかる
  • 金魚の稚魚の選別方法がわかる
  • 選別したあとの稚魚をどうしたらいいかがわかる

こんにちは、せいじです。

金魚の稚魚を育てる際に、もっとも心が痛むのが選別です。

せっかく生まれてきてくれた命を、間引きしなければならないからです。

考えただけでもつらいですね。

「間引くぐらいなら、繁殖させない方がいいな」と繁殖をしない人もいますからね。

とはいえ、繁殖をだれもしなくなったら、金魚自体が増えなくなってしまいます。

間引きはつらいですが、繁殖のよろこびはとても大きなものです。

大切な稚魚を育てようと思ったら、選別は必要不可欠です。

特に、飼育スペースに限りがある一般の人であれば、なおさらですね。

というわけで、今回は稚魚の選別の方法について書いていきます。

なお、産卵や孵化、稚魚の育てかた全般については、下記のリンク記事をご覧いただけると嬉しいです。

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金魚の稚魚を選別する理由や目的とは?

まず、金魚の稚魚を選別しなければならない理由や目的について書いていきます。

結論から言うと、金魚の繁殖で選別は必要不可欠です。

普通の暮らしをしている人なら、選別しないですべての稚魚を育てる術はないですね。

稚魚の成長速度を早くする

金魚の稚魚を間引く理由は、稚魚の成長速度を上げるためです。

金魚は、水の量や容器の大きさによって成長度合いが変わります。

少ない数を、大きなスペースで飼育すればするほど、大きくなるスピードが速くなるのです。

ゆったり、まったりできるようなスペースが必要ですね。

水質悪化による大量死を防ぐ

大量の稚魚を小さなスペースで飼っていると、そのぶん水が汚れやすくなります。

水質の悪化によって稚魚の健康がおかされると、一気に大量死する可能性があります。

特に小さい間は繊細なので、ちょっとした水の変化、水質の悪化が致命傷になりかねません。

なので、きれいな水で飼育することが重要になるのです。

きれいな水で飼育しようと思ったら、少ない稚魚ゆったりとしたスペースで飼育することが重要です。

頻繁に水換えをするのもひとつですが、それはそれで稚魚にとって負担になります。

稚魚は水温や水質の変化に敏感だからです。

なので、稚魚の数を減らして、水質の悪化を軽減する必要があるのです。

飼育スペースの問題

稚魚は一度に500~1000ほど卵を産みます。

仮にそのうちの半分しか孵化しなかったとしても、250~500匹の稚魚が生まれるわけです。(実際はもっと孵化する)

これだけの数をすべて育てられるだけのスペースを用意しようと思ったら、それこそ大きな金魚池が必要になります。

一般庶民には不可能ですよね。

大きくなっても飼える数に減らさなければなりません。

失敗しない金魚の稚魚の選別方法

稚魚を選別していくためには、残す基準、ハネる基準を持たなければなりません。

ここでは、ハネる基準や、コツなどを書いていきます。

ハネる基準は?

稚魚をハネる基準は次の通りです。

稚魚(針子)を選別する基準

  • 奇形
  • からだの曲がり
  • 尾びれの開き具合
  • 成長度合い

色が出ていない針子や青子の時点では、上記がハネる基準となります。

奇形やからだがくの字にまがっているものは、ハネましょう。

そのまましていても、すぐに死んでしまう可能性が高いです。

あと、尾びれのひらき具合も選別の対象になります。

針子の時点でひらき具合がわかるので、ひらき過ぎ、とじ過ぎの子はハネの対象になります。

大きくなったときに、尾びれがきれいに見えないからです。

ただし、水槽のように横から観賞する目的で飼うのか、プラ舟など、上見を楽しむために飼うのかでここは変わってきます。

上からの見えかたを楽しむのであれば尾びれはひらいていたほうがいいですし、横から見るのではあれば、そこまでひらきを気にする必要はありません。

なお、針子のときからしっかりとひらいている稚魚は、成長したときにひらき過ぎてしまう傾向にあります。

なので、ハネの対象になります。

あとはほかの稚魚とくらべて、極端に成長がおそい稚魚はハネの対象になります。

成長がおそいということは、餌をとる能力が低いということになり、弱い傾向があるからです。

青子から色が出てきたころに判断基準はつぎのとおりです。

稚魚(青子)を選別する基準

  • 青子のままで色変わりしない
  • 種類の特徴がうすい
  • がらや色合いなどの好み

金魚らしくなってくる一歩手前ぐらいの選別時の基準です。

稚魚は青子からさらに大きくなるにつれて、本来の色やがらが出てきます。

しかし、中には色変わりせずにそのままの稚魚もいます。

その子はずっと色が出ないので、ハネの対象となります。

また、金魚には種類によって特徴があります。

らんちゅうやオランダ系なら肉瘤が出ているかどうか。

さらにらんちゅう系は背中の丸みなどですね。

より特徴が出ている金魚を選ぶようにしましょう。

あとはがらですね。

こちらも品種によって特徴のあるがらがあったりします。

あとは好みによってとなります。

ハネ金魚より残す金魚を選ぶのがコツ

とはいえ、基準を持ったとしても、つい残し過ぎてしまうのが選別のむずかしいところです。

選んでいる間に「この稚魚も悪くないから、一応残しておこう」となり、思うように減らせなかったりします。

数が減らないと、稚魚の成長具合が悪くなってしまうので、結局みんなダメになってしまう可能性があります。

なので、心を鬼にして稚魚をハネていかなければならないのです。

そのためのコツとしてつぎの基準がおすすめです。

稚魚の選別のコツ

  • 残す数をあらかじめ決めておく
  • 残す稚魚を選ぶ

最終的に残す稚魚の数を、先に決めておきましょう。

自分の飼育環境を考えたら、おのずと飼える数はわかるはずです。

つまり、その数だけ減らさなければならないってことですね。

そして、選別のときはハネる稚魚を選ぶのではなく、残す稚魚を選んだほうが、数を減らすことができます

この特徴に合致した稚魚をだけを選ぶ、というふうにして、妥協なく選んでいくのです。

選別するタイミングは?

稚魚の選別するタイミングについてまとめておきます。

選別する孵化後の日数と基準

  • 孵化後10日:奇形、尾びれのひらき
  • 孵化後30日:小さい、成長が遅い
  • 孵化後50日:色が出てくる、色や柄で選別

だいたいこれぐらいですね。

成長度合いによって選別する基準が変わります。

繰り返しになりますが、いかに早く稚魚の数を減らして飼育できるかによって、成長度合いが変わります。

早く成長させたいなら、とにかく少ない数に絞るようにしましょう。

選別した稚魚はどうする?:まとめ

稚魚の選別について書きました。

せっかく生まれた子供なので、全部飼育したい気持ちですが、現実的には不可能ですからね。

良い金魚を育てるために避けては通れなことと割り切って行うようにしてください。

さて、ハネた稚魚はどうすれば良いでしょうか。

次のような処理をしている人が多いようですね。

選別でハネた稚魚の処理方法

  • 川に流す
  • 土に埋める
  • 親魚に食べさせる

藤原ペットファーム店主の藤原さんとしては、親魚に食べさせることがベストとのことでした。

川に流すと、自然の生態系に影響をあたえてしまう可能性があります。

金魚自体は人の手が入りすぎて、自然のなかで生きていくことはむずかしいですが、金魚をえさにする生き物の成長をうながしてしまう可能性はありますよね。

なので、川に流すのはやめてください

次に生きたまま土に埋めて処理する、という方法があります。

生き物を埋めるというのはかなり精神的につらいですよね。

なんだかトラウマになりそうですし、慣れてしまったら、人として大切ななにかを失った気分になりそうです。

親魚のいる水槽に入れて、親魚自身に処理してもらうのが一番ですね。

親魚の栄養にもなりますし、自然界にも影響をおよぼさずにすみます。

「自分の子供を親に食べさせて処理するなんてひどい」と思うかもしれませんが、金魚は自分の卵でも食べてしまいます。

それに、小赤という金魚すくい用の金魚は、熱帯魚のえさに用いられたりしています。

どうせ殺さなければならないのであれば、親魚の栄養になってもらったほうがいいでしょう。

とらえかたは様々だと思いますが、そのように考えてはいかがでしょうか。

というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

  • この記事を書いた人

せいじ

現在:ハッピーアクト代表
住所:金魚のふるさと奈良県大和郡山
金歴:15年以上
実績:金魚マイスター認定者
    全国金魚すくい選手権20位
内容:金魚の飼育、育成、金魚すくいのコツを発信  

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