あまった金魚がどうなるか知りたい人「お祭りの金魚すくいにはたくさんの金魚が使われているよね。お祭りが終わった後、あの金魚はどうなるのかな?次のお祭りに持っていくんだろうか?そうなると管理や輸送が大変だなって思うんだけれど、いったいどうしてるんだろう?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、お祭りの屋台で欠かせないものとして、金魚すくいがありますよね。
日本人としては昔なじみの定番の屋台ですよね。
子供からの人気はまだまだ高いのではないでしょうか?
そんな金魚すくいですが「お祭りが終わったらあの金魚さんはどうなるの?」とふと思ったことはありませんか?
お祭りのためにあれだけたくさんの金魚を用意しているわけですからね。
次のお祭りに運ぶといったって、かなりの労力が必要になることは容易に想像がつきます。
基本的には次のような方法が取られています。
お祭りが終わったあとの金魚
- お客さんに無料で配る
- 小学校などに寄付する
- 熱帯魚用の餌として売る
- 金魚すくいの屋台の仲間にゆずる
- 生態系の影響がない池に放流する
- 川に放流する
- 下水に流す
というわけで、今回は金魚すくいで残あまった金魚がどうなるのかについて解説していきます。
金魚すくいであまった金魚はどうなるの?
では、金魚すくいであまった金魚がどうなるのかについて書いていきます。
前提として、金魚すくいの屋台の金魚は、確実にあまります。
なぜなら、最終日まで金魚を確保し、お客さんに金魚すくいを楽しんでもらう必要があるからです。
そうでないと、商売になりませんからね。
また、パット見ではあまり感じないかもしれませんが、金魚すくいを楽しむためには、かなりの金魚が必要になります。
80リットルのプラ舟でも、最低400匹はいないと楽しめません。
これ以上少ないと、プラ舟の金魚がすかすかに感じます。
それに少ないほど金魚すくいの難易度があがるので、お客さんが楽しめなくなります。
なので、大量の金魚が必要になるのです。
では、次のお祭りまで屋台が管理するかというと、それは無理です。
なぜなら、屋台を営む業者は金魚を保管する場所を持っていないからです。
そのようなスペースを確保し、そこから金魚を運搬するとなると、それなりのコストが必要になりますよね。
その分売り上げが減ってしまうことになるので、屋台の業者が保管することはないのです。
ですから、基本的にはお祭りで使った金魚は、そのお祭り限りでお役御免となります。
それではお祭りの金魚は、お祭りが終わったあとどうなるのか、掘り下げていきます。
お客さんに無料で配る
お客さんに無料で配布する、という方法がとられることがあります。
この方法は、お客さんにとってはうれしく、金魚にとってもやさしいですね。
新たな飼い主の元へ行けるわけですから。
とはいえ、金魚すくいで使われている金魚は、一般的には小赤です。
小赤には珍しさがありませんよね。
それに、見た目も他の金魚とくらべると劣ります。
ですから、飼育する金魚としての人気は高くありません。
無料で配布しても、あまるケースが多いと考えられます。
小学校などに寄付する
近くの小学校や幼稚園に寄付する業者もいます。
学校で飼育、観察できるので、学校や子供としてもありがたい話しですね。
ただし、運搬のコストがかからない、お祭り会場周辺の学校などに限られます。
ですから、寄付できる数にも限界があります。
いくらでもさばけるわけではありません。
熱帯魚用の餌として売る
次は大型のアクアリウムショップに売るという方法です。
小赤は熱帯魚の餌として用いられるからです。
アクアリウムショップとしては、安価で熱帯魚の餌が手に入るので悪い話しではありません。
とはいえ、餌にするわけですから、金魚が健康である必要があります。
しかし、金魚すくいの金魚は病気になるリスクが高いです。
なぜなら、かなりのストレスを抱えた状態だからです。
なので、どのお店でも引き取ってくれるわけではありません。
金魚すくいの屋台の仲間にゆずる
直近に近くでお祭りがあれば、そこに出店する屋台に金魚をゆずる場合もあります。
ただ、タイミングがばっちり合わないとむずかしいですね。
むしろ、近所でお祭りをするケースはそれほど多くないでしょう。
ですから、いつでも取れる手段ではありません。
生態系に影響をあたえない池に放流する
生態系に影響をあたえる恐れのない池に放流するケースもあります。
人工的に作られた池の中には、他の河川につながっていないものがありますからね。
この環境であれば、人工池の中だけで金魚が生息することになるので、自然の生態系に影響を及ぼすことはありません。
許可をとって池に流すことにより、金魚も第二の人生をおくることができるわけですね。
とはいえ、どこでもそのような池があるわけではないので、いつでも取れる方法ではありません。
川に放流する
残念ながら、多くの業者が取っているとされているのが、川に流すという方法です。
しかし、この方法はよくありません。
なぜなら、自然の生態系に影響をおよぼす可能性があるからです。
というのも、金魚は自然に生まれたものではありません。
人間が品種改良してつくりあげた人工的な生き物です。
ですから、自然の環境に放流することは避けなければならないのです。
他の生き物にとって必要な餌などを金魚が取ってしまい、自然に暮らしていた生き物が生きていけなくなる可能性があるからです。
下水に流す
最後は、下水に流すという方法です。
生態系に影響をあたえないために、金魚が絶対に生きられない下水に流すことで、処分するのです。
これは、金魚にとって最悪の選択になります。
なぜなら、苦しみながら死ぬことになるからです。
命あるものを粗末にあつかうのは避けてほしいですね。
販売店に引き取ってもらえないのはなぜ?
ここまでで、「じゃあ金魚を購入した販売店に引き取ってもらったらいいのでは?販売店もまたその金魚を売ることができて、一石二鳥よね」と思う人もいるかもしれません。
しかし、販売店は引き取りません。
それには次の理由があげられます。
前述したように、金魚すくいの金魚はかなりのストレスをかかえることになります。
ですから、病気を発症して死んでしまうケースが多いのです。
せっかく引き取っても、バタバタと死んでしまっては販売店も困ります。
また、一度使った金魚は、いわゆる中古品ですよね。
なので、正規の値段で販売することができなくなります。
「そんなの購入する人はわからない」と思うかもしれませんが、金魚すくい業者の横のつながりで情報が漏れないとも限りません。
中古品を買った業者は快く思わないでしょう。
仮に中古品として販売するとなると、当然単価が下がります。
元出がただであっても、リスクもふくめて考えるとメリットがありません。
それに、中古品をあつかうと、金魚を作っている養魚場がもうからなくなってしまいますからね。
なので、販売店が金魚を引き取ることはないのです。
金魚すくいであまった金魚はどうなるの?:まとめ
金魚すくいであまった金魚がどうなるかについて書きました。
この記事をまとめます。
- 金魚すくいの金魚は、1回のお祭り限り
- その後の行末は、幸せ、不幸せに分かれる
- 川に流す、下水に流すということもある
私たちを楽しませてくれる金魚すくいの金魚さんたち、しかし、末路は哀れなケースも多いようです。
とても悲しいお話しですね。
少しでも改善されていくといいなと思います。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。