濾材を入れすぎたらどうなるか知りたい人「上部フィルターに濾材を入れすぎたらどうなるのか知りたい。金魚を飼うのに上部フィルターを使っているんだけれど、水の浄化作用を強化するためには濾材をたくさん入れたほうがいいって聞いた。でも、入れすぎってあるの?入れすぎたらどうなるの?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
上部フィルターに濾材を入れすぎたらどうなるのかについて書いています
こんにちは、せいじです。金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、屋内の水槽で金魚を飼育する場合、フィルターを使用しますよね。60cm水槽だと、上部フィルターを使うのがスタンダードになります。
上部フィルターは、他のフィルターと比較して、水の浄化作用が高いという特徴があります。なぜなら、濾過槽が広く、濾材がたくさん入るからです。
濾材がたくさんはいるほうが、生物濾過の効果が高くなるんですね。ところで、濾過槽に入れる濾材は、多ければよいというわけではありません。
入れすぎると、生物濾過が低下することがあります。なぜなら、濾材への水流が低下してしまうからです。
というわけで、今回は上部フィルターに濾材を入れすぎるとどうなるのかについて解説していきます。
上部フィルターに濾材を入れすぎるとどうなるの?
では、上部フィルターに濾材を入れすぎるとどうなるのかについて書いていきます。
濾材は多いほうがよい理由
上部フィルターの役割は、飼育水の浄化作用です。フィルターの中に設置する濾材によって、水の汚れを除去することができるからです。
浄化作用は、濾材が多いほど効果が高くなります。その理由見ていきましょう。
濾材の役割のひとつはバクテリアの棲み処
水を浄化する働きを、濾過作用と言います。上部フィルターでは主に3つの濾過作用を発揮します。
上部フィルター3つの濾過作用
- 物理濾過
- 生物濾過
- 化学濾過
このうち、特に重要なのは生物濾過になります。なぜなら、もっとも強力な浄化作用を発揮してくれるからです。
生物濾過とは、水槽で発生する有害物質を、バクテリアが分解して無害化してくれる作用のことを言います。
濾材は、そのバクテリアのメインの棲み処となります。
バクテリアが水槽内にたくさんいるほど、水をきれいにする作用が強化されます。
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濾材が多いほうがバクテリアは増える
生物濾過のバクテリアを増やすための基本的な方法は、次のようになります。
バクテリアを増やす基本的な方法
- 濾材の量を増やす
- 多孔質の濾材を使用する
バクテリアの数を増やそうと思ったら、フィルターに入れる濾材の量を増やせば良いということになります。なぜなら、濾材を増やすということは、バクテリアの棲処が増えることになるからです。
そして、さらにバクテリアを増やすには、多孔性の濾材を使うことが効果的です。なぜなら、表面にたくさん孔があいている多孔性のほうが、濾材の表面積が増えるからです。
バクテリアは、濾材の表面に棲みつきます。棲み着ける面積を広げてあげれば、バクテリアの数も増えるということになります。
平坦な表面よりも、孔がたくさんあいているほうが面積は広くなりますよね。なので、多孔性のもののほうがバクテリアが増えるというわけなんですね。
濾材を入れすぎると逆効果になる
ところで、濾材の量が多いほどバクテリアの数は増えますが、入れすぎると浄化作用が適切に発揮されなくなります。
ですから、フィルターに対する濾材の量は、7~8割程度にしておいてください。
くれぐれもパンパンに詰め込まないようにしましょう。
その理由をまとめると次のようになります。
浄化作用が低下する理由
- 濾材への水流が滞り生物濾過が低下する
- フィルター内の酸素の量が減少しバクテリアが増えない
掘り下げていきます。
水の流れが悪くなり生物濾過が低下する
生物濾過が正しく機能するためには、フィルター内に水の流れが必要になります。濾材を水が通ることによって、バクテリアが汚れを分解するからです。
濾材を詰め込みすぎると、水の流れがスムーズにいかなくなり、濾材に十分な水が流れなくなります。
濾材に水が流れないと、濾過作用が適切に機能しなくなり、せっかくたくさんの濾材を入れても濾過作用が低下してしまうことになります。
酸素の量が減少し、バクテリアが増えない
フィルターの濾材の量が多すぎると、バクテリア自体の数も減少してしまいます。なぜなら、酸素の量が減ってしまうからです。
生物濾過の効果を発揮するバクテリアは、好気性バクテリアといって、酸素を好む性質があります。ですから、水槽内に水みつくためには、酸素が必要なのです。
しかし、フィルター内に濾材を詰めすぎると、酸素の量が減少してしまいます。酸素が少なくなると、それに比例してバクテリアの数も減ってしまい、結果として生物濾過の作用が低下してしまうことになります。
濾材を増やす目的は、生物濾過がアップさせるためですから、入れすぎは本末転倒になってしまいます。
くれぐれもご注意ください。
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この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 濾材の入れすぎは生物濾過の低下を招く
- 濾材の量は7~8割にとどめておく
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。