水槽の水温を上げる方法が知りたい人「水槽の水温を上げる方法が知りたい。金魚は水温の変化に弱い生き物だって聞いてる。なので、水温を上げる方法と、どれぐらいのペースで水温を上げたらいいのかが知りたい。1日何℃までっていう目安ってあるのかな?」
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この記事の内容
金魚水槽の水温を上げる方法と、水温を上げるペースについて書いています。この記事を読むことで、ヒーターを使うことが水温上昇に適していることと、1日に何℃まで水温を上げても大丈夫かがわかります
こんにちは、せいじです。
金魚飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市から金魚マイスターの認定を受けています。
さて、寒くなる冬の時期や、季節の変わり目に水温を安定させたい場合、さらに金魚が病気になったときに活用したいのがヒーターです。
ただ、冬に水温を上げる場合や、病気治療の効果をアップさせるためにヒーターを使う場合、1日にどれぐらいまで水温を上げても大丈夫なのでしょうか?
金魚は1日の水温の差が5℃以上あると、ストレスを感じると言われています。
ですから、余裕をもって3℃程度までの上昇におさえておいたほうがいいですね。
ただ、病気治療の場合、早急に水温を上げる必要性が出てきます。
では、この場合、どれぐらいのペースであれば大丈夫なのでしょうか?
ジェックス(株)製造開発部のチーフでいらっしゃる、吉田恵史郎氏に質問したところ、ヒーターによる水温上昇のペースに任せても大丈夫との回答でした。
というわけで、今回は金魚水槽の水温を上げる方法や、水温を上昇させるペース、1日の上限について書いていきます。
金魚水槽の水温を上げる方法を解説します
では、金魚水槽の水温を上げる方法について掘り下げていきます。
急激な水温の変化は金魚に負担がかかる
まず、金魚水槽の水温を上げる際に押さえておくべきなのが、急激な水温の変化を避けるということです。
金魚は、適応できる水温の範囲は広いですが、急な水温の変化には弱いからです。
なので、1度に短時間で水温を変化させるのはやめたほうがいいですね。
ちなみに、1日の中で5℃以上の水温の変化が数日間続くと、白点病になりやすいと言われています。
それだけ、水温の変化が金魚にあたえる影響が大きいということですね。
たしかに、人間でも季節の変わり目で気温の変化が激しいと、風邪をひいたり倦怠感がでたりと、体調に影響を受けますよね。
大きな身体を持つ人間ですらそうなりますから、小さな身体で、しかも変温動物である金魚への影響はさらに大きいってことですね。
理想は段階的に水温をあげること
ですから、意図的に水温を上げる場合、金魚の負担が大きくならないよう、ゆるやかに、そして段階的に上げていくようにするのがいいということです。
金魚が無理なく適応しながら、水温を上昇させることができるからです。
あまりに水温の上昇スピードが速すぎると、身体がついていかなくなりますし、また不安定に水温が上がることでも、身体に無理が発生します。
まとめると次のような状況では、金魚に負担がかかります。
金魚に負担がかかる水温の上昇
- 水温の上昇ペースが速すぎる
- 上昇ペースが不安定
- 上がったり下がったりしながら上昇する
これらの問題を解決し、金魚への負担をおさえながら水温を上昇させるには、観賞魚用のヒーターを使うのがもっともよいですね。
水槽の水温を上げる場合はヒーターを使用する
前述したように、水槽の水温を上げるのにもっとも適しているのは、水槽用のヒーターを使うことです。
なぜなら水槽の水温を安定的に、そして確実に設定できるからです。
水槽用のヒーターを使って水温を上げるメリットは、次のようになります。
ヒーターで水温を上げるメリット
- 安定して水温を上昇できる
- 設定した水温にできる
- 設定した水温を維持できる
水温を上げるだけなら、ヒーター以外にも方法があります。
たとえば、熱いお湯を入れたペットボトルを水槽に入れたり、お湯そのものを水槽に投入するといった具合です。
しかし、これらの方法は、水温の変化スピードが不安定になりやすいのと、設定した温度に確実に持って行くのがむずかしい、という難点があります。
それに、たとえ水温が上がっても、維持するのが困難です。
ですから、水槽用のヒーターを用いるのがもっとも適しているということになります。
ヒーターを使用して水温を上げる場合の温度設定
ここからは、実際にヒーターを使用して金魚水槽の水温を上げる場合の、温度設定について見ていきます。
水温を上げる目的によって変わってくるので、そのあたりを分けて書いていきます。
冬の低水温の改善目的でヒーターを使用する場合
秋から冬にかけ水温が下がってくると、金魚の動きがにぶくなります。
水温が低下することで、金魚の活動量が下がるからです。
金魚の活動量は15℃ぐらいから低下し始め、10℃を下まわるとかなりゆっくりした動きになります。
そして、5℃前後になると冬眠状態となり、あまり動かなくなります。
「やっぱり冬でも、元気に泳ぐ姿が見たいな」と思った場合、水温を18℃程度にしてあげる必要があります。
水温が下がった状態から18℃まで上げる場合は、1日の上昇幅は3℃までを目安にしてください。
そして、徐々に金魚を水温にならしながら上げていくようすると、負担をかけなくて済みます。
仮に現在の水温が5℃程度まで下がっていた場合、5日間かけて上げることになります。
早く元気な金魚を見たいからといって、焦らないようにしてくださいね。
ただ、ヒーターの中には、水温が設定できない水温固定のものがあります。
金魚用のヒーターであれば、18℃固定が一般的に販売されています。
この場合は、18℃前後に水温がなってきたら、設置するようにしてください。
水温が低下した状態から使用すると、18℃まで一気に上がってしまいます。
スタートの水温が低すぎると、金魚への負担が大きくなるので、十分注意してくださいね。
病気の治療でヒーターを使用する場合
ヒーターは金魚が病気になった場合、治療の効果を高めるために用いることがあります。
水温の上昇によって金魚の活動性が上がると、自然治癒力が高まるからです。
それに、白点病については、水温を28℃まで上げることによって、白点病を弱体化させることができます。
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病気治療でヒーターを用いる場合は、段階的に水温を上げていくといった悠長なことをしていられない場合があります。
たとえば、1週間水温を上げるのに時間がかかってしまうと、その間に病気が悪化してしまったり、逆に改善して治療が終わってしまう場合があるからです。
この疑問をジェックス(株)の製造開発部のチーフ、吉田恵史郎氏に質問したところ、ヒーターによる水温の上昇ペースに任せても大丈夫、との回答でした。
つまり、水槽の水温が10℃で、そこから18℃まで上昇させたい場合、18℃に設定したヒーターを水槽に投入して、ヒーターの加熱時間による水温上昇ペースで大丈夫とのことです。
現在の水温と設定する水温の差にもよるので、絶対に金魚は大丈夫、と一概に言えない部分があると思います。
また、金魚の病気が進行して弱っている場合は、水温の無理な上昇によってとどめをさしてしまうことも考えられます。
とはいえ、金魚の病気の治療は、最初の1週間が非常に大事です。
ですから、病気治療で用いる場合は、ある程度急いで水温を上げてやる必要があります。
そうでないと効果が得られないまま終わってしまうので。
そう考えると、少々金魚に負担がかかっても、水温を上げることで自然治癒力を高め、病気をやっつけてしまうことを重視したほうがいい、と考えられますね。
ヒーターによる水温の上昇にかかる時間はどれぐらい?
ヒーターには水量に対して適したワット数が示されています。
そのワット数通りに使用したとして、設定温度に到達するまでどれぐらいの時間が必要なのでしょうか?
これは、飼育環境や上昇させたい温度に影響されるので、一概には言えません。
ただ、目安としては3~5時間程度と言われています。
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金魚水槽の水温を上げる方法を解説します:まとめ
金魚水槽の水温を上げる方法について書きました。
金魚にとっての急激な変化は負担になることです。
なので、水温を上昇させる場合は、安定して、また確実に設定温度にできるヒーターを使用するようにしてください。
また、ヒーターを使用した場合でも、水温の上昇は慎重に行うようにしてください。
目安としては、1日3℃ぐらいでおさめておくのが良いでしょう。
ただし、金魚の状態や飼育環境にもよります。
うまく調整して、金魚を元気に育ててもらえたらと思います。
なお、金魚飼育に適したヒーターをお探しの方は、金魚の飼育におすすめのヒーターを紹介【3つのタイプから選ぶ】をご覧ください。
飼育環境や使用目的別のヒーターの選び方がわかります。
ということで、今回はこの辺で終わりにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。