金魚の酸素不足を解消したい人「金魚の酸素不足を解消するのに、ストローでブクブクするのは効果があるのかな?空気を吹き込めば水中に酸素の量が増えるように思うんだけど、これってどうなの?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚の酸素不足がストローで解消できるかどうかについて書いています
こんにちは、せいじです。
奈良県大和郡山市から金魚マイスターの認定をもらっています。
さて、金魚が生きていく上で必要な酸素ですが、不足した場合ストローでブクブクすることで解消できる、という話しがあります。
本当に解消できるのでしょうか?
結論から言うと、飼育水をストローでブクブクすることによって、水中の酸素不足は解消されます。
水面の揺れによって酸素は水中に取り込まれるからです。
というわけで、今回は金魚の酸素不足はストローでブクブクすることで解消できるのか、について書いていきます。
金魚の酸素不足はストローでブクブクすると解消される?を動画で見る
金魚の酸素不足はストローでブクブクすると解消される?
金魚の酸素不足はストローでブクブクすることによって解消することができます。
どのようなメカニズムで解消されるのか、について掘り下げていきます。
呼気は二酸化炭素が多いのに大丈夫?
ストローでブクブクすることで、どうして酸素が水中に供給されるのでしょうか?
人が吐く息には、空気と比較すると二酸化炭素が多く含まれています。
具体的には、吐き出す息では空気中の酸素量と比較して約4%減、そして同程度の二酸化炭素が増えます。
エアレーションによる空気と比較すると、酸素が4%減少した空気が呼気で水中に送られるのです。
4%減る程度なら、吐く息によっても水中に酸素は供給されそうだなと思うかもしれませんね。
ところが、そういう問題ではありません。
実は、エアレーションやストローによって送られる空気の酸素量は、水中への酸素供給にほとんど影響がないのです。
というのも、ブクブクの気泡に含まれる酸素によって、水中の酸素量が増えるわけではないからです。
水中に気泡を供給することで酸素が溶け込むわけではない
「うん?エアレーションなどで空気を水中に送ることで、空気の中の酸素が水中に溶け込むんでしょ?」
と疑問に思われるかもしれません。
私もそう思っていました。
しかし、実はそうではありません。
繰り返しになりますが、気泡を水中に送り込むことで、酸素が供給されるわけではないのです。
つまり、ブクブクをしている理由は別のところにあり、ブクブクで送る空気の中にどれだけ酸素が入っているかは大して関係がないのです。
水面が撹拌されることによって酸素が溶け込む
水中に酸素が取り込まれるしくみを掘り下げていきます。
水中への酸素は、水面から取り込まれます。
水面が空気に触れることによって、水中に酸素が溶け込むのです。
ですから、空気に接する面積が広いほど、水中に多くの酸素が取り込まれることになります。
ブクブクをする目的は、気泡によって水面を撹拌し、水面と空気が触れる面積を増やすことにあります。
水面の揺れが多いほど、水と空気が触れる範囲は広くなりますよね。
そうすることで、酸素が取り込まれる量を増やしているのです。
ストローでぶくぶくすることでも酸素が取り込まれる
ですから、エアレーションの代わりにストローを使って息を吹き込んでブクブクすることによっても、水中に酸素が溶け込みます。
ブクブクすることで水面が撹拌され、水面と空気が触れる面積が広くなるからです。
とはいえ、一日中ストローを使ってブクブクすることは現実的ではありません。
なので、ストローによるブクブクだけで金魚に必要な酸素を供給することは不可能に近いです。
しかし、それ以外の要素、たとえば次のような場面であれば、ストローでのブクブクによる酸素の供給は、十分に効果があります。
人力のブクブクが効果的な場面
- 金魚すくいで持ちかえった金魚に、応急的に酸素を供給する場合
- 一時的に酸素不足が見られる水槽に、応急的に酸素を供給する場合
応急処置的な酸素供給では、ストローを使った酸素供給は十分に効果があると言えます。
ストロー以外での酸素不足解消方法
ストローによるブクブク以外に、応急的な酸素不足の解消のためにできることとしては、次のようなことがあります。
応急的な酸素不足の解消方法
- 水面に扇風機の風を当てる
- 水を上から落とし、水面に揺れを起こす
要は水面に揺れを起こすことによって、酸素は取り込まれます。
ですから、なんらかの形でそのような環境を作ればよいということになります。
たとえば、外部フィルターでエアレーションがなくても水中に酸素が取り込める理由は、水をフィルターに循環させ、水槽に水を戻す際に水面に揺れが発生するからです。
金魚はどんなときに酸素不足になるの?
では、金魚が酸素不足を起こすのはどんなときか、について書いていきます。
酸素が十分に取り込まれる環境が整っていない
水槽内に酸素が十分に取り込める環境が整っていないと、金魚は酸素不足を起こします。
具体的には次のような環境です。
金魚が酸素不足を起こす環境
- フィルターを設置していない
- エアレーションを設置していない
- 間口が狭い容器で飼育している
- 過密飼育
フィルターやエアレーションを設置している場合、基本的には十分な酸素が供給できる環境と言えます。
ただし、過密飼育になっている場合は、フィルタ―やエアレーションを設置していても、酸素不足を起こす可能性があります。
また、フィルターやエアレーションなしでも十分な酸素を取り込みたい場合は、必ず間口の広い容器を使用する必要があります。
水温の上昇や塩浴、薬浴により溶存酸素量が減少した
溶存酸素量とは、水の中にどれだけ酸素が溶け込んでいるか、その量をあらわします。
水は次のような状態になると、溶存酸素量が低下します。
水中の酸素の量が減少する状態
- 水温の上昇
- 塩水浴のための塩水
- 薬剤による薬浴時
特に水温の上昇は、飼育者が意図しなくても発生します。
それによって知らないうちに酸素の量が足りなくなることが考えられます。
なので、水槽をしっかりと管理し、金魚に鼻上げなどの異変があった場合は、解決に向けて対応するようにしてください。
必要な対応については金魚の鼻上げの原因は?水面でパクパクするのは要注意をご覧ください。
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エラ病を発症し呼吸ができない
金魚はエラ病になると、呼吸困難を起こします。
そのため、水中に酸素が十分にあっても、酸素不足を起こすことがあります。
この場合の酸素不足に対しては、エラ病の治療が必要となります。
エラ病の詳細については【金魚の病気】エラ病の症状や原因、治療方法をわかりやすく解説をご覧ください。
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【金魚の病気】エラ病の症状や原因、治療方法をわかりやすく解説
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金魚の酸素不足はストローでブクブクすると解消される?:まとめ
金魚の酸素不足をストローでブクブクすることによって解消できるか、について書きました。
それを説明するために、水中に酸素が溶け込むしくみについても見てきました。
私はブクブクによって、水中に酸素が直接溶け込むと思っていたので、水面を撹拌することで酸素が取り込まれると知ったときは非常に驚きました。
しかし、このしくみがわかると、エアレーションがなくても水中に酸素を供給することが可能になります。
なんらかの方法で水面を波打たせれば、酸素は水中に供給されるのです。
緊急的に酸素の供給が必要な場合は、ストローを使ったブクブクを含め、水面の撹拌を実施するようにしてください。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。