金魚をいつも塩水浴で飼育したい人「金魚を常に塩水浴で飼育したらどうなるか知りたい。金魚が体調不良を起こしたり、病気になったりすると塩水浴をするよね?塩水浴をすると、金魚の自然治癒力が高まるから体調が回復するんだよね。だったら、常に塩水浴で飼育したら、そもそも病気にならずに過ごしてくれるんじゃないかなって思うんだよね。ずっと塩水浴で飼育してもいい?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚をずっと塩水浴で飼育したらどのような影響が出るか書いています
こんにちは、せいじです。金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚が体調不良を起こしたり、病気になったりしたら塩水浴をします。塩水浴をすることで自然治癒力が高まり、体調が回復する効果があるからです。
塩水浴は、金魚を飼育する上で不可欠な飼育方法なんですね。
だったら、塩水浴で常に飼育することによって、病気を予防することができるんじゃない?って思いませんか?
たしかに、この場合は免疫力が高まって、病気になりにくくなる効果は得られるでしょう。
しかし、デメリットも発生することになります。金魚が弱体化してしまうのです。
というわけで、今回は金魚を常に塩水浴で飼育するとどうなるかについて解説します。
なお、塩水浴の詳細については、金魚の塩水浴とは?やり方や効果をわかりやすく解説をご覧ください。
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金魚の塩水浴とは?やり方や効果などわかりやすく解説【完全網羅】
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金魚をずっと塩水浴で飼育するとどうなるの?
では、金魚をずっと塩水浴で飼育するとどうなるのかについて見ていきましょう。
その前に、塩水浴の効果についておえさえておきたいと思います。
金魚の飼育においては、塩水浴は不可欠になります。しかし、塩水浴をやり過ぎると、デメリットも発生します。
金魚の塩水浴には自然治癒力を高める効果がある
金魚の塩水浴には、金魚の自然治癒力を高める効果があります。なぜなら、塩水浴は金魚の日常生活にかかってくる負担を軽減してくれるからです。
なぜ塩水浴で自然治癒力が高まるかというと、浸透圧が軽減されるからです。
浸透圧とは、膜を介して存在する二つの水分において、塩分濃度の低い水が、塩分濃度の高い方へ移動する現象を言います。
金魚は淡水で生活する生き物ですが、金魚の体液には塩分が含まれています。ですから、金魚が淡水で生活していると、浸透圧によって水分が体内に流れ込んでくることになります。
そのままでは、金魚は破裂してしまうことになります。しかし、金魚は常に入ってくる水分を排出していて、そうすることで身体を保っているんですね。
浸透圧は、健康なときは特に問題になりません。しかし、体調が悪くなると、水を排出することによって発生する体力の消耗が、自然治癒力の足を引っ張る形になります。
逆にいうと、水を排出する作業を軽減してあげることで、そのエネルギーを自然治癒力に回すことができるようになるというわけです。
ずっと塩水浴をしていると発生するデメリット
日常生活の負担を軽減することによって自然治癒力が向上し、体調が回復するのであれば、普段から常に塩水にしておくことで、体調不良や病気を防ぐことができるようになるのでは?と思いませんか?
もしそうなのであれば、金魚の飼育はむずかくてすぐに死んでしまう・・・と悩んでいる人にとっては希望の光になるかもしれません。
しかし、常に塩水浴をしていると、デメリットも発生することになります。
発生するデメリットをまとめると次のようになります。
デメリット
- 金魚が弱体化する
- 病気になったときの対策がひとつなくなる
- 水が汚れやすくなる
- コストがかかる
- 水槽周辺が塩だらけになる
それぞれ掘り下げていきます。
金魚が弱体化する
塩水で常に飼育することで起こるデメリットのひとつ目は、金魚の弱体化です。普段の生活から負担を軽減すると、それが当たり前になり、負担に対する耐性が下がってしまうのです。
人間でも、身体能力や頭を働かせないとどんどん衰えていくのと同様に、金魚も負担に耐える力が減ってしまうわけです。
ですから、金魚がストレスを感じたときに、通常の環境下で飼育している以上に体調をくずすリスクが上がります。
体調不良を予防するために行なっている塩水浴があだとなり、体調不良のリスクを高めてしまうことになるんですね。
温室で育った植物などが弱いのと同じですよね。
なので、常に塩浴で飼育するよりも、淡水で体調をくずさないように飼育するほうが、結果的に金魚が長生きしてくれるようになります。
病気になったときの対策がなくなる
繰り返しになりますが、塩水浴は体調を回復させるだけでなく、体調不良や病気を予防する効果がたしかにあります。
しかし、塩水浴をしていれば絶対に病気をしないというわけではありません。塩水浴の環境下であっても、水温の変化や水質の悪化などのストレスによって、体調をくずすことがあるんですね。
常に塩水浴の環境で飼育していると、万が一金魚が体調をくずしたときに、非常に困ることになります。
なぜなら、体調不良を改善するはずの塩水浴という選択肢をすでに使ってしまっているからです。
ですから、金魚を病気や体調不良から回復させる方法が、薬浴しかなくなってしまうことになるんですね。
病気が治る可能性が低下し、回復せずに死んでしまうリスクが高くなってしまうのです。
水が汚れやすくなる
塩水浴を実施すると、水が汚れやすくなります。なぜなら、生物濾過の作用が低下してしまうからです。
生物濾過とは、バクテリアが飼育水の汚れを食べて分解し浄化する作用のことを言います。
ですから、水槽にバクテリアがたくさん繁殖していると、飼育水の浄化作用が高まるのです。
しかし、飼育水を塩水にすると、塩が持つ消毒効果でバクテリアの数が減ってしまうんですね。バクテリアが減ってしまうと、水が汚れやすくなります。
なので、水換えの頻度を増やさなければならなくなるんですね。
1度の塩水浴程度であれば、水換えの頻度を増やすほどのダメージはありませんが、常に塩水浴で飼育する環境であれば、通常よりも水換えの頻度を増やしたほうがいいでしょう。
コストがかかる
塩はそれほど高価ではありませんが、それでも常時塩水で飼育するとなるとそれなりにコストがかかります。
水換えのたびに、新たに塩を入れなければならないからです。
ここまでで書いたように、常時塩水での飼育によって、金魚が絶対に体調をくずさないわけではありません。
塩浴をすることで、逆に体調をくずしやすくしているというとらえかたもできます。
ですから、常時塩水で飼育することをトータル的に考えると、コストをかけてまでする必要があるのか、疑問に思えてくるのではないでしょうか。
水槽周辺が塩だらけになる
塩水浴をしていると、水槽周辺が塩だらけになります。蒸発した塩が、水槽の縁やその周囲につくからです。
ですから、定期的に拭き取る必要があります。
ほっておくと、塩のかたまりがどんどんくっついていくんですね。
大変な状態になるので、くれぐれもご注意ください。
金魚をずっと塩水浴で飼育するとどうなるの?:まとめ
金魚をずっと塩水浴で飼育するとどうなるのかについて書きました。
この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 常時の塩水浴には体調不良や病気を予防する効果がある
- しかし、長期的に見ると金魚が弱体化する
- また、病気をしたときの対策がひとつなくなる
- さらに水が汚れやすくなる
- そして、コストがかかる
- 水槽の周辺が塩で汚れる
常時塩水浴で飼育するとどうなるか?
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。