水槽のぬるぬるが気になる人「水槽で金魚を飼育しているんだけれど、水槽の壁面などがぬるんるしているんだよね。これってなにが原因なの?金魚に害はないのかな?取り除いた方がいい?あと、悪いものなら発生させないようにしたいんだけれど、その方法は?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
金魚の水槽がぬるぬるする原因はと、掃除した方がいいかどうかについて書いています
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、水槽で金魚を飼育していると、水槽の壁面がぬるぬるしているのに気づいた、という人もいらっしゃるでしょう。
このぬるぬるは、ガラスの壁面だけではなく、エアレーションのチューブや、水槽内に入れている飾り物などにも付着します。
このぬるぬるの正体はなにかというと、バイオフィルムです。
バイオフィルムは細菌などが集まってできる、菌の住処です。
キッチンの流しや浴室に発生するぬるぬると同じものですね。
これって、水槽にあっていいものなのでしょうか?
というわけで、今回は金魚の水槽のぬるぬるの原因と対処方法について解説していきます。
金魚の水槽がぬるぬるする原因は?除去した方がいい?
では、金魚の水槽がぬるぬるする原因について書いていきます。
ぬるぬるは気持ち悪いですが、ほとんどの場合、緊急事態というほどの害が発生するわけではありません。
ぬるぬるの原因の正体はバイオフィルム
水槽の壁面やエアチューブ、水槽内の飾り物の付着するぬるぬるの正体は、バイオフィルムと呼ばれるものです
バイオフィルムは、かんたんにいうと微生物が集まってできた微生物の生活空間です。
生活空間ですから、家と言ってもいいかもしれません。
小さな微生物が集まって、膜に覆われたひとつの閉鎖空間を作り、そこで生息するのです。
バイオフィルムの中には、細菌や原生動物、藻類など、いろいろな生物が存在しています。
単一の生物だけで作られることは、ほとんどないそうです。
バイオフィルムができる原因は?
水槽内でバイオフィルムができる原因は、飼育水の汚れです。
飼育水が富栄養化することによって、バイオフィルムが発生するからです。
富栄養化とは、飼育水の中にいろいろな成分がふくまれた状態をいいます。
たとえば、金魚の排泄物や餌の食べ残しなどにふくまれる成分ですね。
飼育水が富栄養化すると、その成分を餌にする生物が水槽内に増えることになります。
藻や苔、病原細菌などですね。
その中には、飼育水を浄化してくれるバクテリアもふくまれます。
飼育水は、二種類のバクテリアによって浄化されます。
アンモニアを餌にするバクテリアと、アンモニアを分解することにより発生した亜硝酸を餌にするバクテリアです。
金魚にとって猛毒となるアンモニアは、二種類のバクテリアによって硝酸という金魚に害が少ない物質に変えられるのです。
これが、水槽内でもっとも浄化作用の高い濾過、いわゆる生物濾過と呼ばれるものです。
生物濾過で活躍するバクテリアも、バイオフィルムを形成するもののひとつなんですね。
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バイオフィルムは金魚にとって有害なの?
さて、飼育水を浄化するバクテリアもふくまれているバイオフィルムは、金魚にとって有害なのでしょうか?
それは、それぞれの水槽の状態によります。
ですから、有害になる可能性も十分にあります。
というのも、バイオフィルムができるということは、前述したように飼育水が富栄養化している、つまり飼育水が汚れているということになるからです。
この飼育水の状態では、金魚がストレスを感じて免疫力が下がり、病気にかかってしまうリスクが高まります。
また、富栄養化は苔の大量発生にもつながります。
掃除がとても大変になりますね。
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さらに、濾材の目詰まりが発生して、生物濾過が低下する可能性もあります。
水を浄化するバクテリアが増えているというとらえ方もできますが、バイオフィルムを構成する要素が生物濾過で活躍してくれるバクテリアだけではないことを考えると、バイオフィルムは除去したほうがいいということになります。
バイオフィルムを除去する方法
バイオフィルムを除去する方法としては、単純にスポンジなどで掃除をする、というのがあげられます。
スポンジを使って壁面を擦り、バイオフィルムを取り除きましょう。
エアチューブや飾り物についても、バイオフィルムを擦り落としてください。
わりとかんたんに取り除くことができます。
とはいえ、すべて取り除いてしまっていいのか?と悩む人もいるかもしれません。
バイオフィルムの中には、生物濾過に必要なバクテリアも存在しているわけですからね。
しかし、生物濾過に必要なバクテリアは、濾材などにも棲みついています。
ですから、バイオフィルムをすべて取り除いたとしても、生物濾過の作用が壊滅的に損なわれてしまうほどのダメージはないと考えられます。
バイオフィルムの発生を予防する方法
ここからは、バイオフィルムの発生を予防する方法について書いていきます。
飼育水の富栄養化が原因ですから、富栄養化を防止することがバイオフィルムの防止につながります。
水換えを実施する
バイオフィルムが見られるようであれば、これまでよりも水換えの頻度を高めてください。
富栄養化の原因のひとつは、水の汚れと水換えの頻度が合っていないからです。
水換えは2週間に1回がひとつの目安となりますが、これはあくまでも目安で、飼っている金魚の数や餌の量、また水槽の状態によって調整が必要です。
ですから、2週間に1回のペースでバイオフィルムができるのであれば、10日に1回、または1週間に1回と間隔を短くしていきましょう。
フィルターの掃除をする
飼育水が富栄養化している原因は、生物濾過がうまく機能していない可能性が考えられます。
汚れが処理しきれない結果、飼育水の中の成分が増えている可能性があるからです。
生物濾過がうまく機能しなくなる原因のひとつとして、濾材の目詰まりがあります。
濾材が目詰まりすると、バクテリアがうまく活動することができなくなるからです。
なので、濾材を飼育水やカルキ抜きをした水でゆすいでください。
そうすれば、生物濾過が復活し、バイオフィルムの形成を軽減できる可能性があります。
餌の量や種類の見直し
水の汚れを促進するものに、餌の量が多かったり、餌の成分が関係している場合があります。
特に、餌の量を増やすと金魚の排泄物も増えるので、飼育水の富栄養化につながりやすいです。
餌の量や成分を見直すか、前述したように水換えのペースを速めて富栄養化を防ぐようにしてください。
金魚の数を調整する
飼育水の汚れが激しいようなら、金魚の数が適正かどうかも検討材料として考えてください。
金魚の数が多いと、排泄物が増えて水が汚れやすくなるからです。
過密飼育になると、水の汚れはいっそう高まります。
特に金魚は水を汚しやすい生き物です。
なので、余裕をもって飼育するようにしてください。
60cmのスタンダードな水槽であれば、目安として3~4匹ぐらいにしておいたほうがいいですね。
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この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- ぬるぬるの原因はバイオフィルム
- 飼育水の状態が悪いことが考えられる
- 掃除をしてバイオフィルムを除去しよう
- 水換えなどによって発生を防ごう
この記事に掲載したリンクをまとめておきます。
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ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。