どんぶり金魚を知りたい人「どんぶり鉢で金魚を飼育する、どんぶり金魚って飼い方があるんだね。手軽に金魚を飼育できるってことなんだけど、具体的な飼育方法や必要な道具、あとは注意点なんかを知りたい。それにどんぶり金魚に向いている金魚の品種が知りたいな」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
屋内外で水槽やトロ舟、コンテナ、時には衣装ケースなどを使って10年以上金魚飼育を楽しんでいます。
また、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より、金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚と言えば、多くの人が水槽での飼育を思い浮かべると思います。
フィルターやエアレーション、俗にいうブクブクを設置しながら飼育するのが一般的ですね。
そのためには、部屋に水槽を設置する場所を確保しなければなりません。
もちろん金魚は水槽の中にいますから、ふれあいは水槽のガラス越しになります。
抱っこどころか、直接手から餌をあたえることもできません。
観賞魚とはいえペットでもあるのに、なにか物足りない、そのように思う人もいるでしょう。
もっと身近で、もっと直接的にかかわりたい、そう思いませんか?
そんなかたにとって朗報です。
金魚ともっと身近にふれあえる飼い方があるのです。
それが、どんぶり金魚です。
どんぶり金魚とは、どんぶり鉢で手軽に飼育する飼い方のことです。
どんぶりなんかで飼育して大丈夫なの?との意見もありますよね。
ところが、どんぶり金魚を提唱しているのは、金魚の飼育本を多数出版している岡本信明氏、川田洋之助氏の両氏です。
共著でどんぶり金魚の書籍も出ていますので、興味のある方は購入してみてください。
とはいえ、すぐに書籍を購入するのではなく、本記事をご覧いただいてからで大丈夫です。
まずは本記事でどんぶり金魚の飼い方を知ってもらってから、書籍を購入してもらった方が、お金を無駄にせずに済むはずです。
というわけで、今回はどんぶり金魚について掘り下げていきます。
【かんたん】どんぶり金魚の飼い方を解説
では、どんぶり金魚とはどんな飼い方なのか、そして必要な道具や飼育方法について書いていきます。
どんぶり金魚とは?
まずはどんぶり金魚がどういったものなかのについて説明します。
どんぶり金魚とは、どんぶり鉢を容器として使って飼育する方法です。
メリットをまとめると、次のようになります。
使用する道具はどんぶり鉢だけで、水槽やフィルター、エアレーションなどは使いません。
ですから水槽のように、設置場所や、飼育用具などに頭を悩ませることなく、気軽に金魚を飼育することができるのです。
そして、それらの道具をそろえるコストもかかりません。
また、金魚が飼い主になれてくると、飼い主の手から直接餌をあげたり、水面に指を少し入れると金魚がつついてきて、直にふれあいを楽しむことができます。
従来の水槽飼育ではできなかったことが、どんぶり金魚ではできるのです。
どんぶり金魚の器はどんなものがいい?
どんぶり金魚で唯一必要となる道具、それがどんぶり鉢などの容器です。
手軽に飼うことが目的なので、どんぶり鉢でなくてもかまいません。
たとえば、ボウルなんかも使えますね。
ちなみに、小さな容器で飼育できるとはいえ、金魚を健康に、安全に飼育するためには、水量が多いに越したことはありません。
ですから、飼育環境にあわせつつ、できるだけ大きなどんぶり鉢などを用意するようにしてください。
あと、どんぶりなどは同じ大きさのものを2個用意してください。
水換えを便利にするためです。
水換えの頻度や方法
どんぶり金魚の水換えはかんたんです。
まとめると次のようになります。
どんぶり金魚の水換えまとめ
- 同じどんぶりを2個用意
- ひとつは金魚を飼育、もうひとつにはカルキ抜きした新水を用意し並べる
- 1日経ったら新水のどんぶりに金魚を移動
- あいたどんぶりに新水を用意し並べる
飼育しているどんぶりの横に、同じどんぶりを並べ、カルキ抜きをした新水を入れておきます。
そうすることで、2つのどんぶりの水温の差がなくなります。
そして、新水のどんぶりに移動させることで水換え完了です。
カルキ抜きについては、水溶性の中和剤を使用するのがいいですね。
1日の室内の汲み置きでは、カルキが完全に抜けない可能性があります。
なお、金魚を移動させる場合は、網ではなく手を使って移してください。
網はうろこなどを傷つける恐れがあります。
金魚をすくう前に飼育水でしっかりと手を冷やしてから、飼育水ごと金魚をすくいましょう。
そして、そのまま新水のどんぶりに入れればOKです。
水換えは原則として毎日行ってください。
金魚がアンモニア中毒にならないようにするためです。
どんぶり金魚では、水槽でフィルターを使用して飼うように生物濾過が発生しません。
ですから、金魚の排泄物に含まれているアンモニアがそのまま飼育水に残ります。
アンモニアは金魚にとって猛毒で、量が多いとアンモニア中毒を起こして死んでしまいます。
生物濾過が機能していれば、バクテリアがアンモニアを分解して無害化してくれますが、どんぶり金魚では手動でアンモニアを飼育水から排出しなければなりません。
ですから、毎日の水換えが必要なのです。
なお、生物濾過について詳しく知りたいかたは、金魚水槽のバクテリアの効果をわかりやすく解説をご覧ください。
餌やりの頻度や量は?
どんぶり金魚の餌やりは、できるだけ少なくしたほうがいいですね。
たくさん食べさせると、排泄物が増えて水が汚れてしまうからです。
排泄物が増えると、前述したように金魚に有害なアンモニアの量が増えます。
どんぶりでは水量が少ないので、アンモニアの濃度がすぐに上がってしまいます。
ですから、排泄物の量をできるだけおさえる必要があるのです。
そして、排泄物の量を減らすためには餌の量をおさえる必要があります。
でも、餌が少なかったら、金魚が餓死してしまうんじゃないの?
と思うかもしれません。
でも、金魚はとてもコスパの良い生き物です。
餌をあまり食べなくても、死ぬことはありません。
個人的な経験としては、冬眠以外で3ヶ月餌をあたえなくても死にませんでした。
これは特殊なケースとしても、最低1ヶ月は餌をまったく食べなくても餓死することはほぼありません。
具体的な餌の量としては、1日1回、5粒程度で十分でしょう。
もちろん餌の粒の大きさ、種類によって量が変わってくるので、金魚の様子を見ながら調整するようにしてください。
金魚の成長が遅くなるデメリットがありますが、そもそもどんぶりで飼育する時点で金魚を大きくするのはあきらめたほうがいいですし、大きくなるとどんぶりで飼育することはできなくなります。
水草は入れた方がいい?
どんぶり金魚で起こる問題として、酸欠があります。
フィルターやエアレーションを使用しないため、水中への酸素の供給は、水面から自然に溶け込むか、水換えの際にしか発生しません。
ですから、金魚が生きていく上で必要な酸素が足りなくなる可能性があるのです。
解決策として、水草を浮かべる方法がありますが、水草は光合成に必要な光がないと、逆に水中の酸素を消費してしまい、よけいに酸欠を誘発するリスクがあります。
光合成させるにはそれ相応の光が必要で、室内のどんぶり金魚でその光を得るのはむずかしいですね。
ですから、水草は入れないほうがいいでしょう。
水草を入れなくても、間口の広いどんぶりで、毎日全換水するのであれば酸素は十分に供給されます。
どんぶり金魚の注意点とは
金魚を手軽に飼育することができるどんぶり金魚ですが、たくさんの水を使用し、生物濾過などの水の浄化作用を使いながら飼育する一般的な水槽飼育に対して、デメリットもあります。
デメリットが発生する要因は、容器が小さく、水量が少ないためですね。
ここをきちんとおさえておかないと、金魚がすぐに死んでしまうことになります。
では、どんぶり金魚の注意点を見ていきます。
水温が変化しやすい
水量が少ないどんぶり金魚では、水温が変化しやすくなります。
水温が室温の影響を受けやすいからです。
ですから、エアコンの影響を受ける場所に置いておいたり、急に室温のちがう場所に移動するといったことは避けるようにしてください。
また、日の光が直接あたるような場所だと、水温が急上昇してしまいます。
その他、気温の変化が激しい時期は、十分に注意してください。
場合によっては発泡スチロールの箱にどんぶりを入れるなどの予防策を取るようにしてください。
酸素不足になりやすい
水量の少なさは酸素不足も招きやすくなります。
水の量が少ないということは、水に溶け込む酸素の量も少なくなるからです。
それにくわえてエアレーションもしないので、酸素の供給が根本的に足りません。
ですから、毎日の水換えが欠かせないのです。
新水には酸素が十分に含まれています。
もし水の汚れが少なく、水換えをしない場合は、ストローを使って人工的にぶくぶくを発生させるなどして、水面の揺れを作るようにしてください。
水面が揺れることによって、たくさんの酸素を水中に供給することができるからです。
アンモニア中毒に要注意
とはいえ、アンモニア中毒のリスクを考えると、水換えは毎日したほうがいいですね。
餌をあげているのであれば、なおさらです。
どんぶり金魚の飼育では、毎日の全換水は必須と言っていいでしょう。
水換えを怠ると、水中のアンモニア濃度が上がり、金魚がアンモニア中毒を起こしてしまいます。
アンモニア中毒を起こすと、金魚はふらふらになり、まともに泳ぐことができなくなります。
そして、やがて絶命してしまいます。
アンモニア中毒になった金魚を回復させるのは不可能に近いため、水換えによって避けるようにしてください。
金魚がストレスを感じる
最後は、小さい容器で飼育することによって起こる問題です。
どんぶりの大きさでは、金魚は思うように泳ぐことができません。
ですから、ストレスを感じるようになります。
金魚がストレスを感じると、人間と同じように免疫力が低下します。
なので、いろいろな病気の発症リスクが高まることになります。
和金型など、泳ぎの能力が高いほどストレスは大きくなるので、長期間どんぶり金魚で飼育することには向いてないですね。
どんぶり金魚に向いている金魚の種類
前述したように、どんぶり金魚は容器が小さいことによって金魚がストレスをかかえてしまいます。
ストレスは、泳ぎの能力が高いほど大きくなります。
ですから、どんぶりで飼育する金魚は、泳ぎの能力が高くない品種のほうが向いています。
具体的にあげると、次のような品種です。
これらの品種は泳ぎがとても苦手です。
それに、金魚の中では小さい品種となります。
ですから、どんぶり金魚で飼育するのに向いていると言えます。
蝶尾や頂点眼は上から見るほうが観賞性も高いため、そういう意味でもどんぶり金魚に向いていますね。
どんぶり金魚はかわいそうなの?
お金をかけずに手軽に飼育できるどんぶり金魚ですが「あんなに小さなところで飼育するのはかわいそうだ」という意見もあります。
実際のところ、どうなんでしょうか。
どんぶりで金魚を飼育するのは問題があるのか、考えてみたいと思います。
金魚飼育に必要な水量よりかなり少ない環境
金魚を飼育するためには、目安として1匹につき10ℓ以上の水が必要と言われています。
しかし、どんぶり金魚では多くても10分の1程度の水量しかありません。
ですから、一般的な水槽飼育とくらべると、金魚にとってかなり厳しい環境であると言えるでしょう。
そのために毎日の水換えや、水温の変化などに対する配慮が求められます。
とはいえ、それでも金魚にとって理想的な環境からは程遠いため、健康管理が非常にむずかしいですね。
特に気温の変化が激しい時期、冬の寒い時期は死んでしまうリスクが高くなります。
水槽飼育へのつなぎとしてはあり
はじめて金魚を飼育する場合、いきなり本格的な飼育用具をそろえるのは抵抗がある、という人もいるかもしれません。
金魚は弱いイメージがあり、飼ってもすぐに死んでしまうかもしれない、と思うからですね。
せっかく用具をそろえても、すぐに死んでしまってはすべて無駄になってしまいます。
ですから、金魚飼育の入り口として、どんぶり金魚からはじめるのはありかもしれません。
長く飼育できそうだと思った時点で、水槽を準備して本格的に飼育する、といった一時的なつなぎですね。
ただし、どんぶり金魚は水槽でふつうに飼育するよりも難易度が高いです。
前述したような注意点をふまえながら飼育しないと、すぐに死んでしまう可能性があります。
本記事を参考に、入り口を乗り切ってもらえたらと思います。
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一時的にどんぶり金魚を楽しむ
金魚を飼育している中で、もっと近くで金魚を観賞したい、ガラス越しじゃない形で金魚とふれあいたい、と思うことがありませんか?
その場合、一時的にどんぶり金魚を楽しむのはありだと思います。
そして存分にふれあったら、本水槽に戻すのです。
たとえば、休みの日だけどんぶり金魚でふれあい、1日の終わりに本水槽に戻すといった感じでしょうか。
これなら金魚の負担もそれほど大きくはならないでしょう。
どんぶり金魚の水には、飼育水をそのまま使用するのがいいですね。
新水を使うと、金魚にとっては水質が激変してしまうことになり、ストレスとなります。
ただし、どんぶり金魚を楽しんだあとに水槽に戻す際は、どんぶりと本水槽の水温の差に注意が必要です。
あまりに差ができているようであれば、水温合わせをしてから戻すようにしてください。
【かんたん】どんぶり金魚の飼い方を解説
世界で一番身近な金魚の飼育方法と呼ばれる、どんぶり金魚について書きました。
金魚では不可能と考えられていた、ふれあいが可能となる飼育方法です。
金魚への愛着がわくのはまちがいないでしょう。
しかし、金魚の愛好家からはネガティブな意見が多いのが実際のところです。
なぜなら、容器が小さく狭すぎたり、水量が少なかったり、ろ過装置やエアレーションがないため非常に厳しい飼育環境になるからです。
とはいえ、金魚飼育のきっかけになったり、一時的にふれあうためにどんぶりで飼育するのはありだと思います
水槽で観賞するのとはちがった金魚の魅力を堪能していただけたらと思います。
ということで、今回はこの辺で終わりにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。