ダルマメダカの繁殖について知りたい人「ダルマメダカの繁殖について知りたい。ダルマメダカを繁殖させたいと思っているんだけれど、ダルマメダカの交尾ってむずかしいんだよね?それに、交尾したとしても無精卵が多かったり、さらに孵化したとしても、ダルマメダカではなくて普通のメダカが生まれてしまうって聞いた。どうやったらダルマメダカを繁殖させることができるんだろう?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
メダカや金魚、ウーパールーパーといった、水の中で生活する生き物を中心に飼育しています。
さて、メダカの種類のひとつに、ダルマメダカがあります。ダルマメダカの特徴は、普通種のメダカと比較して、体長が半分しかないその体型です。
丸っこい体型をしていてとてもかわいらしく、人気が高いんですね。
しかし、そのいっぽうで、その体型であることによって、さまざまな問題を抱えてしまうのも事実です。
なぜなら、ダルマメダカの体型は奇形が原因だからです。
このような背景から、ダルマメダカには次のような特徴があります。
ダルマメダカの特徴
- 体長が半分しかないため内臓がおさまるスペースが不十分となり、消化不良を起こしやすく、体質が弱い
- 丸い体型のため、泳ぎが苦手
- 転覆病になりやすい
- 交尾が苦手
ダルマメダカは、その体型から交尾も苦手でなかなか繁殖がむずかしい種類になっています。
また、たとえ交尾がうまくいっても、孵化した稚魚にはダルマメダカ以外の普通のメダカもたくさん生まれます。
なかなか普通の飼育では、ダルマメダカからダルマメダカを生み出すのはむずかしかったりするんですね。
というわけで、今回はダルマメダカの繁殖、作り方について解説します。
ダルマメダカの繁殖、作り方を解説します
では、ダルマメダカの繁殖、作り方について見ていきましょう。
まずは、ダルマメダカの繁殖の特殊性についておさえておきます。
ダルマメダカの繁殖はむずかしい
ダルマメダカは、その体型により繁殖がむずかしい種類です。その理由としては、次のようなことがあげられます。
ダルマメダカの繁殖がむずかしい理由
- 交尾が苦手で受精卵が少ない
- 孵化しても普通種のメダカが多く誕生する
- 体質が弱く稚魚が育ちにくい
掘り下げていきます。
交尾が苦手で受精卵が少ない
ダルマメダカは交尾が苦手です。体長が短いために、オスがメスを抱きかかえるような姿勢が取れないからです。
メダカが交尾をする際は、オスがメスの身体にまとわりつくような形で抱きかかえ、そしてメスが産卵するのと同時並行でオスが精子をかけていきます。
ですが、普通種のメダカなら取れる姿勢がダルマメダカではむずかしく、卵にうまく精子がかけられません。
ですから、どうしても無精卵、つまり精子と受精していない卵が増えることになります。
精子と受精しなかった無精卵は、すぐに白くにごってカビの温床になります。そのまま放置しておくと、受精卵にもカビが侵食して卵が死んでしまいます。
なので、無精卵を見つけたら、すみやかに水槽や容器から取り除くようにしてください。
孵化しても普通種のメダカが多く誕生する
うまく受精した卵は、やがて孵化をむかえます。孵化すると稚魚が生まれるわけですが、ダルマメダカの繁殖がむずかしい点は、ダルマメダカのオス、メスを使って産卵させたとしても、ダルマメダカが誕生するとは限らないということです。
ダルマメダカの遺伝性は低く、親がダルマメダカ同士でも普通種が多く生まれるんですね。
ですから、普通に繁殖すればダルマメダカを増やしていける、というわけではないということです。
ダルマメダカは奇形
というのも、ダルマメダカの体型が短く丸くなるのは、前述したように奇形によるものだからです。
なので、その奇形はなかなか遺伝しにくいんですね。
奇形が遺伝しにくいというのは、ある意味良いことなのですが、ことダルマメダカにおいてはあの姿が特徴なわけですから、遺伝してくれないと困りますよね。
それがむずかしいとなると、狙ってダルマメダカを作るためには、意図して奇形を起こす必要があるということになります。
そんなことができるのかって?それが実はできるんですね。
卵を孵化させるときの環境によって、ダルマメダカを作ることができます。
ダルマメダカの作り方
ここからは、ダルマメダカの作り方について見ていきましょう。
普通に卵を孵化させるだけでは誕生しにくいダルマメダカ、意図して作るためにはどのようにすればいいのでしょうか。
ポイントは、卵を孵化させる際の水温にあります。
水温28℃以上で孵化させる
ダルマメダカの稚魚を誕生させたい場合は、卵を孵化させる際の温度を28℃にしてください。
そうすることで、卵の細胞分裂が早くなり、体長が短いダルマメダカが誕生します。
通常、メダカの卵を孵化させるにあたっては、25℃が最適とされています。細胞分裂がベストなスピードで行われ、メダカの身体がきちんと作られるからです。
卵の細胞分裂は、水温が上がると早くなり、下がると遅くなります。どちらも稚魚にとっては良くないのですが、水温が上がって細胞分裂が早くなると、奇形や体質の弱い個体が生まれやすくなります。
ダルマメダカを作るにあたっては、この特性を利用するんですね。
ダルマメダカが丸い体型になるのは、背骨が癒着して通常のメダカよりも半分ぐらいの数になってしまうからです。
水温を上げると、細胞分裂が促進されて、そのような奇形のメダカが多く誕生するんですね。
結果、ダルマメダカを作ることができるようになるわけです。
ダルマメダカ同士の方が確立が上がる
意図して奇形を起こしてダルマメダカを作るとなると、単純に普通種のメダカの卵を高い水温で孵化させれば良いのでは?と思うかもしれませんが、両親にダルマメダカを使ったほうが、稚魚のダルマメダカの発生率は上がるようです。
やはり、奇形はまったく遺伝しないわけではないのでしょう。
ですから、ダルマメダカ同士を交尾させ、少ない受精卵からダルマメダカをうまく誕生させてください。
まとめ:ダルマメダカは繁殖も飼育もむずかしい
ダルマメダカの繁殖、作り方について書きました。
この記事のポイントをまとめると次のようになります。
この記事のポイント
- ダルマメダカは奇形によって誕生する
- ダルマメダカ同士の少ない受精卵を使用する
- 卵を水温28℃設定で孵化させる
さて、無事に誕生したダルマメダカの稚魚、しかし、ダルマメダカの場合は稚魚を大きくするのもなかなか困難な作業となります。
なぜなら、体質が弱いからですね。
なので、普通種のメダカよりもうまく飼育する必要があります。
ダルマメダカの飼育の詳細については、飼育が難しい!ダルマメダカの飼育方法についてをご覧ください。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。