金魚飼育をはじめたい人「金魚水槽を立ち上げてから、どれぐらいで安定するのか知りたい。金魚の飼育をはじめめたいんだけど、立ち上げた直後の水槽は不安定で、金魚が病気になるリスクが高いって聞いた。どれぐらい経てば水槽は安定するの?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚水槽を立ち上げてから、どれぐらいの期間で安定するのかについて書いています
こんにちは、せいじです。
金魚を10年以上飼育し、金魚水槽を7台所有しています。
さて、金魚飼育で一番むずかしいのが水槽の立ち上げ時です。
なぜなら、金魚を飼育するために適した水が出来上がっていないからです。
金魚飼育に適した水とは、生物濾過が安定している水です。
立ち上げた直後は、生物濾過に必要なバクテリアが水槽に発生していないので、飼育水を浄化する機能がなく、金魚に有害な物質を除去することができません。
生物濾過が安定するのは、水槽を立ち上げてから1ヶ月後です。
1ヶ月経てば水が安定し、安心して金魚を飼育できる環境が整います。
というわけで、今回は金魚水槽は立ち上げからどれぐらいの期間で安定するのかについて書いていきます。
金魚水槽、立ち上げてから安定するまでの期間はどれぐらい?
では、金魚水槽が立ち上げてからどれぐらいの期間で安定するのか、また、安定していない状態というのはどのような状態を指すのか、安定させるために必要なことは?について書いていきます。
ちなみに、水槽にはフィルター、砂利が設置されていることを前提とします。
その理由については、【金魚水槽】バクテリアの住処の作り方とは?をご覧ください。
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【金魚水槽】バクテリアの住処の作り方とは?
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立ち上げた直後の金魚水槽が不安定な理由
まず、立ち上げた直後の水槽が不安定な理由について書いていきます。
不安定な理由
- 生物濾過が発生していない
- 金魚や餌による汚れが分解されない
- 金魚のストレスにつながる
金魚を水槽で飼育する場合、生物濾過という作用が必要になります。
あたりまえですが、金魚は餌を食べると排泄します。
排泄物の主な成分はアンモニアですが、アンモニアは金魚にとって非常に強い毒性を持っています。
生物濾過はこのアンモニアを分解し、金魚にとって無害な物質に変えてくれます。
その作用を発生させるのは、大気中に存在しているバクテリアです。
バクテリアは、水槽内にアンモニアが発生することによって、それを餌にして水槽内の飼育水や濾材、砂利に棲みつきます。
アンモニアを食べたバクテリアは、亜硝酸という物質を出します。
亜硝酸は金魚にとってアンモニアよりも害は少ないですが、それでも猛毒です。
水槽内に亜硝酸が増えてくると、今度は亜硝酸を餌にして生きるバクテリアが水槽内に棲みつくようになり、金魚にとって非常に毒性の少ない硝酸という物質に分解してくれるのです。
この2種類のバクテリアが発生することで生物濾過が完成し、水槽が安定した状態となります。
生物濾過が安定するのは1ヶ月後
では、バクテリアによる生物濾過は、水槽を立ち上げてからどれぐらいの期間で完成するのでしょうか?
アンモニアを餌とするバクテリアが水槽内に整うのは、水槽を立ち上げ、金魚を飼育しはじめてから約2週間後です。
そして、バクテリアがアンモニアを分解することで発生する亜硝酸、その亜硝酸を分解して硝酸にしてくれるバクテリアが整うのがさらに2週間後です。
つまり、水槽を立ち上げてから生物濾過が安定するまでの期間は、約1ヶ月ということになります。
立ち上げてしばらくは金魚を入れないほうがいい?
さて、金魚水槽を立ち上げてから1週間ほどは、金魚を入れずに水を循環させたほうがよい、という情報があります。
そのほうが水がなじみ、金魚が過ごしやすくなる、という理由です。
ただ、金魚店の店主に聞いたところ「意味がない」との返事でした。
金魚に適しているかどうかは、水質と生物濾過ができているかどうか、という点が重要です。
水質については、金魚は中性~弱アルカリ性を好みます。
水道水の水質が中性なので、水道水を使用すれば特に問題ありません。
生物濾過については、バクテリアが水槽内に発生するためには、アンモニアや亜硝酸が必要です。
なので、金魚を入れていない状態で、いくら水槽の水を循環させても、バクテリアが発生することはありません。
ですから、水をただから回しするのは意味がない、ということになります。
金魚を飼育する前に生物濾過を作りたいのであれば、万が一死んでしまっても大丈夫な金魚を水槽に入れて、生物濾過ができるまで飼育する、という方法があります。
これをパイロットフィッシュと言います。
水槽が安定するまでは頻繁に水換えが必要
生物濾過が安定するまでの間、水槽内に発生する有害物質は、生物濾過以外の方法で除去する必要があります。
そうしないと、金魚がアンモニア中毒になったり、病気になるリスクが高くなるからです。
水槽を立ち上げてから1ヶ月間は、3日~1週間に1回、半分の量の水換えをしてください。
ちなみに生物濾過が安定したあとは、1~2週間に1回、半分の量の水換えでOKです。
ただし、水換えの間隔は、水槽の大きさや飼育する金魚の数、大きさ、餌の量などによって変わってきます。
なので、あくまでも目安としてください。
実際の水換えの間隔については、水質検査によってアンモニアや亜硝酸の発生具合を把握するのがもっとも確実ですね。
さて、生物濾過が安定してからの水換えは、水槽に溜まっていく硝酸を排出するためです。
硝酸は金魚にとって毒性が低いですが、量が増えると有害となります。
なので、硝酸を排出するために、定期的に水換えが必要となるのです。
金魚水槽を立ち上げから急速に安定させる方法
ここまでは、金魚水槽を自然に立ち上げた場合に必要な期間について書きました。
通常であれば約1ヶ月の期間がかかります。
この間、金魚に害が発生するリスクや、こまめな水換えという手間が発生します。
できれば避けたい環境ですよね?
ここからは、立ち上げ時のリスク、手間を減らす方法について書いていきます。
種水を使う
金魚水槽の立ち上げ時のリスクをなくすもっとも効果的なのは、種水を使う方法です。
種水とは、すでに安定して生物濾過が発生している水槽の飼育水や濾材の一部を、新しい水槽を立ち上げる際に利用することです。
つまり、バクテリアの種として、新しい水槽に投入するのです。
種水を使うと、新しい水槽で急速に生物濾過が完成します。
ただし、デメリットもあります。
詳しくは水槽を急速に立ち上げるための種水とは?【魔法の水です】を参考にしてください、
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バクテリア剤を使う
とはいえ、すでに安定した水槽を持っている人は少ないですよね。
その場合の種水をゲットする方法についても、前掲したリンク先の記事で書いていますが、どうしても手に入らないかたもいらっしゃると思います。
この場合、市販のバクテリア剤を使うことで、水槽の立ち上げ時のリスクを軽減し、生物濾過をスムーズに機能させることができます。
バクテリア剤の使用方法や商品については、金魚水槽にバクテリア剤は必要?【おすすめのバクテリア剤も紹介】をご覧ください。
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金魚水槽、立ち上げてから安定するまでの期間はどれぐらい?:まとめ
金魚水槽を立ち上げてから、安定するまでにどれぐらいの期間が必要か、そして水槽が安定しているとはどういった状態か、について書きました。
新しく立ち上げた水槽で金魚を安心して飼える状態になるのは、1ヶ月間必要です。
生物濾過に必要なバクテリアが棲みつくのに必要な期間が1ヶ月だからです。
それまでは、金魚にとってリスクの高い環境となるので、十分注意してあげてください。
というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。