水槽に入れるバクテリア剤に悩む人「水槽にバクテリア剤を入れすぎるとどうなるの?バクテリアが水槽の水をきれいにしてくれるって聞いた。だから、バクテリア剤をたくさん入れると、その分水槽の水はきれいになるんだよね?入れすぎるとなにか問題があるのかな?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
水槽にバクテリア剤を入れすぎた場合の弊害と、バクテリア剤の効果的な使いかたについて書いています
こんにちは、せいじです。
金魚のふるさと大和郡山市から、金魚マイスターの認定をもらっています。
金魚飼育歴10年以上です。
さて、魚を水槽で飼育する場合、バクテリアの働きがとても重要になります。
なぜなら、魚に毒となる物質をバクテリアが分解し、害の少ない物質に変えてくれるからです。
「じゃあ、バクテリア剤をたくさん入れて、バクテリアを増やした方がいいのね!」
と思うかもしれませんが、ちょっとお待ちください!
バクテリア剤を入れすぎると、金魚が酸欠になったり、水質が逆に悪化する場合があります。
というわけで、今回はバクテリア剤を入れすぎた場合の弊害と、有効なバクテリア剤の使いかたについて解説していきます。
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水槽にバクテリアを入れすぎるとどうなるの?
本来なら生物濾過という効果を発揮し、水槽の水を浄化してくれるバクテリアですが、入れすぎるとどうなるのでしょうか?
多ければ多いほど浄化の効果が高まるのでしょうか。
実はそう単純にはいきません。
多すぎると弊害が発生します。そのあたりについて掘り下げていきます。
バクテリアは多い方が効果がある?
水槽の飼育水の浄化作用に必要なバクテリアは、魚の出す汚れによって決まります。
なぜなら、バクテリアは魚の汚れを餌にして生きているからです。
魚は排泄によって、自分にとって有害となるアンモニアを排出します。
バクテリアはそのアンモニアを食べ、亜硝酸という物質に変えます。
さらに亜硝酸を食べるバクテリアによって、金魚にとってほぼ無害の硝酸という物質に分解されるのです。
これが生物濾過のシステムです。
つまり、生物濾過のシステムに必要なバクテリアの数は、バクテリアの餌となる有害物質の量によることになります。
なので、魚が少なく、汚れがあまり出ない水槽では、バクテリアをそれほど必要としません。
逆に、魚が多く、汚れがたくさん出る水槽では、バクテリアを多く必要とするのです。
なお、有害物質を分解するバクテリアを好気性バクテリアといい、生きていくために酸素を必要とします。
金魚が酸欠になる
前述したように、水を浄化してくれるバクテリアは好気性バクテリアなので、酸素を消費します。
金魚も生きていくために酸素を必要とします。
水槽にバクテリアが増えると、その分水槽内の酸素の消費が激しくなります。
そのため、金魚に必要な酸素が十分確保できなくなり、金魚が酸欠になる可能性があります。
酸欠は金魚にとって大きなストレスとなり、体調をくずして病気になったり、死んでしまう原因となります。
なので、必要以上のバクテリアは金魚にとってマイナスとなります。
なお、酸欠を解消するためには、エアレーションを設置するようしてください。
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水質が悪化する可能性がある
また、酸素不足はバクテリアにとってもマイナスとなります。
酸素が不足すると、バクテリアも生きていくことができないからです。
なので、水槽内のバクテリアの数が減少します。
酸欠によってバクテリアの数が減少しすぎると、生物濾過がうまく機能せず、金魚にとって有害な物質が分解されにくくなります。
また、酸素が不足することで、嫌気性のバクテリアが増えます。
嫌気性のバクテリアは、好気性のバクテリアが排出した硝酸を、水槽の外に排出する働きをしますが、一方で窒素も作ります。
窒素が増えると水質が悪化し、ガス病などの病気になるリスクが高くなります。
最終的には必要な数のバクテリアしか残らない
というわけで、バクテリアをむやみやたらに投入しても、一時的に浄化作用が強まりますが、水槽内のバランスが悪化してしまうのです。
前述したように、水槽に必要なバクテリアの数はある程度決まっているので、余剰分のバクテリアは棲み着くことが出来ず、死んでしまうことになります。
なので、バクテリア剤の入れすぎはあまり効果がなく、状況次第では弊害が発生することになります。
要は、洗濯をする際に、洗剤をたくさん入れても、必要量を超えた分はただの無駄になるだけなのと同じように、バクテリアも入れすぎた余剰分は無駄になるということです。
それどころか、金魚にとって悪影響を及ぼす可能性も十分にあるので、入れすぎないようにしてください。
バクテリア剤の効果的な使いかた
バクテリア剤の入れすぎについて書いてきました。
ここからは、バクテリア剤をの有効的な使用場面について書いていきます。
基本的に、バクテリアは魚を飼うことで水槽内に自然発生し、環境が整っていれば必要な数だけ棲みつきます。
バクテリアが棲みやすい環境づくりにいては、【金魚水槽】バクテリアの住処の作り方とは?を読んでいただけるとうれしいです。
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では、バクテリア剤を使うことで、金魚により良い環境が提供できる場面を描いていきます。
水槽の立ち上げ時に使う
バクテリア剤を有効活用したいひとつめの場面は、水槽の立ち上げ時です。
水槽の立ち上げとは、水槽を新しく稼働することをいいます。
まっさらな水槽やフィルターを使い、魚を飼育しはじめることですね。
この段階では当然バクテリアは水槽内に棲みついておらず、金魚の汚れを分解する生物濾過が働かない環境となります。
金魚を飼育しはじめ、バクテリアの餌である汚れが出てくることによって、徐々にバクテリアの数が増えていくのです。
バクテリアの数が増えて、生物濾過の環境が整うまでには、1ヶ月程度かかります。
それまでの間、水槽内は汚れやすく、金魚にとって非常にリスクの高い状態となります。
バクテリア剤を投入すれば、バクテリアが棲みつくスピードをあげることができ、生物濾過の機能が整うのを早めることができます。
生物濾過の機能が働くようになれば、水の浄化作用によって金魚が病気になるリスクを下げることができます。
水換え時に使う
2つ目の場面は、水換え時です。
バクテリアはフィルターの濾過槽や砂利だけでなく、飼育水にも存在しています。
なので、水換えによって飼育水を排出すると、汚れとともにバクテリアも捨てることになります。
水換え後しばらくするとまたバクテリアは増えますが、水換え前の状態に戻るまでには、時間がかかります。
ですから、水換えした際にバクテリア剤を入れることで、減った分のバクテリアを補い、水槽の安定を維持することができるのです。
フィルターの濾過槽、濾材を掃除した時に使う
バクテリアの住処として必要なのがフィルターの濾過槽です。
濾過槽の濾材にはたくさんのバクテリアが棲みついています。
しかし、ヘドロなどの汚れが溜まってくると、濾材に目詰まりが発生して、フィルターの働きが十分に果たせなくなります。
なので、1ヶ月に1回程度、濾材を飼育水でゆすぐなどの掃除をする必要があります。
この際、汚れとともにバクテリアも流れてしまうため、水槽内のバクテリアが減少します。
バクテリア剤を投入することで、減少したバクテリアを補うことができます。
なお、濾材を洗う際は、水道水で洗わないでください。
バクテリアがカルキによって死んでしまうため、水槽内のバクテリアの数が大幅に減ってしまうことになります。
ほぼ、水槽の立ち上げ時に戻ってしまうので、生物濾過が働かない状態になります。
それを避けるためには、必ず飼育水で洗うようにしましょう。
どうしても飼育水で洗うのがむずかしい場合は、カルキ抜きをした水道水を使うようにしてください。
水槽にバクテリアを入れすぎるとどうなるの?まとめ
水槽にバクテリアを入れすぎた場合に発生する問題について書きました。
どんなことにも言えますが、物事には適正な量があります。
お酒も適正量なら百薬の長になりますが、飲みすぎると身体を壊しますよね。
つまり、行き過ぎれば問題が発生するのです。
水槽のバクテリアについても、適正量であれば金魚の健康を守る大切な役割を担ってくれますが、多すぎると酸欠や水の汚れといった問題を起こす原因となります。
ちなみに、私は現在、バクテリア剤をほぼ使用しないで飼育しています。
水槽の立ち上げの際にも使いません。
肌感覚で、水槽の状態を把握することができ、水換えのタイミングなどをはかることができるようになったからです。
しかし、最初のうちはそうかんたんにはいきません。
なので、バクテリア剤を有効に使って、金魚にとって良い環境を作ってあげてください。
というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。