金魚をビオトープで飼育したい人「金魚をビオトープで飼育する方法が知りたい。フィルターもエアレーションも使わないで、さらに水換えも基本的にしないで飼育するビオトープっていう方法があるよね。金魚をビオトープで飼育したいと思うんだけれどどうすればいいのかな?やり方が知りたいな」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚をビオトープで飼育する方法について書いています
こんにちは、せいじです。金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚を飼育する方法のひとつとして、ビオトープというものがあります。
ビオトープとは、人工的に自然の生態系を作り出し、フィルターもエアレーションも、そして基本的に水換えもしないで飼育する方法のことです。
金魚の飼育でもっとも負担が大きいのが水換えですからね。その負担がなくなるのは、とても大きなことですよね。
ただし、注意点や解決がむずかしい問題も存在します。
というわけで、今回は金魚をビオトープで飼育する方法について解説します。
金魚を屋外ビオトープで飼育する方法について
では、金魚をビオトープで飼育する方法について見ていきましょう。基本的にビオトープは屋外で実施することになります。
自然の生態系を作り出すには、屋外で太陽の光などの自然の恩恵があった方が容易になるからです。
ビオトープで飼育するための環境整備をおさえていきましょう。
金魚を屋外ビオトープで飼育するとは?
まずは、金魚を屋外ビオトープで飼育する、とはどういうことなのかについて見ていきましょう。
ビオトープとは、生物が自然な空間で生活している状態を言います。
自然な環境とは、生態系のサイクルによって人の手がなくても生き物が生きられる状態を指します。
金魚が生きていく上で必要な環境を、フィルターやエアレーションを使用しないで作り出すということです。
金魚のビオトープで必要なもの
金魚をビオトープで飼育するために必要なものについてまとめます。
金魚のビオトープで必要なもの
- トロ舟や睡蓮鉢などの容器
- 底砂利
- 水草
まずは容器ですが、屋外で飼育するにあたっては丈夫なものを選ぶようにしてください。
衣装ケースなどの薄いプラスチック製品だと、太陽の光で劣化してしまい破損する恐れがあります。
ですから、金魚の屋外飼育で定番のトロ舟や睡蓮鉢を使用するようにしましょう。
また、金魚の健康を維持するためには、飼育水をきれいな状態に維持する必要があります。
そのためには、底砂利が不可欠となります。底砂利を入れることで、生物濾過が機能するようになるからです。
生物濾過とは、バクテリアの力によって金魚の有害物を無害化する働きます。
飼育水の中で発生する金魚にとっての有害物質とは、金魚の排泄物にふくまれるアンモニアです。
生物濾過では、バクテリアの働きによってアンモニアを硝酸という物質に変えるのです。
生物濾過が機能するようにするためには、バクテリアが棲みつく場所が必要になります。
バクテリアは、主にフィルターや底砂利に棲みつきますが、ビオトープの場合はフィルターを使用しないため、底砂利がバクテリアのメインの棲み家になります。
ですから、そこ底砂利は必ず入れるようにしてください。
生物濾過に効果が高い底砂利については、金魚に砂利は必要?効果やおすすめの砂利を紹介をご覧ください。
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さて、金魚が生きていくためには、当然酸素が必要になります。エアレーションをしないで飼育する場合は、酸素を供給するために水草などの植物を入れる必要があります
植物が金魚に必要な酸素を供給してくれるからです。植物は光合成によって二酸化炭素を消費し、酸素を排出します。
ですから、植物を容器に入れることで、エアレーションをしなくても酸素を飼育水に供給することができるんですね。
くわえて、植物にはもうひとつ大きな役割があります。それは、硝酸を排出することです。
前述したように、バクテリアによって分解されたアンモニアは硝酸という物質になります。
硝酸は金魚にとって害の少ない物質ですが、飼育水に溜まっていくと金魚に有害となっていきます。
硝酸が溜まることによって、飼育水が酸性に傾くからです。金魚は中性〜弱アルカリ性の水質を好むため、酸性に傾いていくとストレスを感じるようになります。
通常水換えを行うのは、硝酸を排出して水質を維持することが目的のひとつなのです。
しかし、ビオトープでは水換えを基本的にしないため、別の方法で硝酸を排出しなければなりません。
そこで水草などの植物の出番となります。
植物は、硝酸を栄養にして成長します。ですから、飼育水に入れておくことで、飼育水から硝酸を排出する働きをしてくれるのです。
ですから、水質を維持することができるんですね。
金魚の排泄物と生物濾過、そして植物の硝酸を排出するバランスが取れると、水換えをせずに飼育することが可能になります。
ビオトープを設置するのに適した場所
屋外にてビオトープで飼育する場合、容器を設置する場所も重要になります。
植物の光合成は、太陽の光を利用して行われるからです。
ですから、容器は太陽の光が当たる場所に置くようにしてください。
ただし、1日中太陽の光が当たりすぎると、高水温になりすぎて金魚に負担がかかります。
ですから、半日ほど当たるような場所に設置してください。
そのほか、雨水の降り込みが避けられる場所に設置するようにしましょう。雨水が入り込むと、水温が急激に低下したり、大気の汚れによって飼育水が汚れてしまう可能性があるからです。
必要であれば、雨よけなどを設置するようにしてください。
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金魚のビオトープを成功させるコツ
ここからは、金魚のビオトープを成功させるコツについて見ていきましょう。
メダカの飼育でビオトープがよく見られますが、金魚のビオトープはメダカよりもずっとむずかしいんですね。
なぜなら、金魚はメダカよりも水を汚す魚だからです。
ですから、それにともなって注意しなければならないことが出てくるんですね。
金魚を大きくしないこと
ビオトープで飼育するにあたっては、金魚を大きくしないようにしてください。
金魚が大きくなると、消費する酸素の量が増えますし、排泄物も増えるからです。
ですから、ビオトープで飼育する場合は、元々小さな金魚を選び、あまり大きくならないように育てたほうがいいでしょう。
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入れる植物の工夫
金魚の場合は、植物の種類にも注意する必要があります。なぜなら、金魚は植物を食べてしまうからです。
メダカや熱帯魚では問題なく使用できる水草も、金魚だと食べ散らかしてしまうということが起こります。
ですから、金魚が食べてしまうことを前提に、定期的に追加、交換する必要があると思っておいてください。
育てやすく、かんたんに飼育できる水草としては、アナカリスや浮草があります。
水草を食べさせないようにする方法としては、容器に仕切りを作って、金魚から水草を守るという方法もあります。
金魚の飼育スペースが減るというデメリットがありますが、ひとつの手段としてはありでしょう。
大きな容器で飼育する
金魚のビオトープを成功させるためには、水量が多く入る大きめの容器を使用するようにしてください。
水量が多いほうが、飼育水の汚れの濃度が上がるのを軽減することができるからです。
また、容器は間口の広いものを選ぶようにしてください。間口が広いほうが、飼育水に溶け込む酸素の量が増えるからです。
エアレーションをしない状況では、植物による光合成と、自然に水面から溶け込む酸素の量が重要になります。
間口が広いほど、水面が空気と触れる面積が広くなって、飼育水に溶け込む酸素の量を増やすことができるのです。
金魚を屋外ビオトープで飼育する方法について:まとめ
金魚を屋外のビオトープで飼育する方法について書きました。
本記事をまとめます。
この記事のまとめ
- ビオトープとは、人工的に自然の生態系を作って飼育する方法
- エアレーションやフィルターを使用せず、基本的に水換えもしない
- 生態系を作るためには、底砂利と水草などの植物が必要
- それにより飼育水の汚れが浄化され、酸素も供給される
- 太陽の光が程よく当たり、雨水が入らない場所に容器を設置する
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。