ベアタンクについて知りたい人「ベアタンクがどのようなものか知りたい。ベアタンクで金魚を飼育する人がいるって聞いたんだけれど、なんのこと?どんなことをベアタンクって言うんだろう。また、ベアタンクで飼育するメリットやデメリットを知りたいな」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
ベアタンクとはどのような状態での飼育、もしくは飼育方法か、そしてメリットやデメリットについて書いています
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、ベアタンクという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
普段の生活ではなかなか聞き慣れない言葉ですよね。
ベアタンクとは、砂利や砂を敷かない状態の水槽を言います。
金魚をベアタンクで飼育するとは、砂利や砂を敷かないで飼育することを指します。
金魚を飼育するにあたっては、一般的には砂利や砂を敷くほうが良いとされていますが、ベアタンクで飼育するメリットはどのようなものがあるでしょうか。
そして、逆にデメリットはどのようなものでしょうか?
というわけで、今回はベアタンクで金魚を飼育するメリット、デメリットについて解説していきます。
金魚をベアタンクで飼育するメリット
では、金魚をベアタンクで飼育するメリット、デメリットを見ていきます。
まずはメリットからまとめていきます。
ちなみに、ベアタンクは英語ですが、直訳するとbare(裸の、むきだしの)tank(水槽)という意味になります。
汚れに気づきやすい
ベアタンクのメリットひとつ目は、汚れに気づきやすいということです。
金魚のふんや餌の食べ残し、苔の発生が見えやすいからです。
砂利を敷いていると、汚れが砂利に隠れて目立たなくなります。
ですから気づけないのです。
汚れを放っておくと水槽の底に溜まり、水質の悪化を促進することになります。
掃除がしやすい
気づいた汚れを掃除しやすいのもベアタンクのメリットです。
スポイトなどでかんたんにふんや餌を排出できますし、苔もスポンジなどで磨くことでかんたんに取り除くことができるからです。
砂利があるとここまでかんたんに掃除することができません。
吸い出そうとしても、砂利もいっしょについてくるからです。
そもそも、前述したように、汚れなどを把握しにくいです。
そして、把握していない汚れは、砂利の中などに溜まっていきます。
この汚れを取ろうと思ったら、砂利をまるごと洗ってしまうか、プロホースという道具で吸い出すしかありません。
取り除くためにけっこうな手間がかかるのです。
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餌の量を把握しやすい
ベアタンクには餌の食べ残しの把握と同時に、個々の金魚が食べている餌の量を把握しやすいというメリットがあります。
このメリットは沈下性の餌に限りますが、沈んだ餌を目視できるからです。
沈下性の餌のデメリットとして、底に沈んでしまって確認しにくい、というのがあります。
また、砂利の間に入り込んで、飼育水の汚れにつながるという問題もあります。
しかしベアタンクであれば、これらのデメリットを一気にかたづけることができるのです。
結果、沈下性の餌のメリットを最大限に活かすことができます。
金魚が映える
これは好みにもよりますが、ベアタンクには金魚の観賞性が高まるメリットがあります。
金魚が本来持つ魅力を邪魔されることなく楽しめるからです。
砂利を敷くと、砂利の色や形などによって水槽の雰囲気が変わります。
金魚もその影響を受けて見えかたが変わってきます。
しかし、ベアタンクであればそのような影響を一切受けません。
ですから、金魚の持つ魅力を存分にあじわうことができるのです。
金魚をベアタンクで飼育するデメリット
次に、ベアタンクのデメリットについて掘り下げていきます。
ベアタンクにメリットがあるいっぽうで、それでも砂利を敷いたほうが良いとされるのは、砂利を敷くことで金魚飼育にメリットがあるからです。
逆に言うと、ベアタンクでは底砂利を敷かないがためにデメリットが発生するということです。
水質が安定しにくい
ベアタンクでもっとも大きなデメリットは、水質が安定しにくいという点です。
なぜなら、生物濾過に必要なバクテリアの棲処が減少し、飼育水の浄化作用が弱くなってしまうからです。
金魚の水槽では、フィルターによって3つの濾過作用(物理、生物、化学)を発生させます。
飼育水の中の有害物質を無害化するためです。
3つの濾過の中で、水の浄化作用が一番大きいのが生物濾過です。
生物濾過とは、濾材などに有害物質を分解するバクテリアを繁殖させて、飼育水を浄化させる仕組みです。
バクテリアはフィルターの濾過槽にある濾材以外にも、底砂利や飼育水の中に棲み着きます。
しかし、底砂利を敷かないと棲み着く場所が減少してしまい、水槽全体のバクテリアの数が減ってしまうことになるのです。
水槽の底面はけっこうな広さがあります。
底面全体がバクテリアの棲処になるのと、そうでないのとでは生物濾過にかなりの差が出るのは容易に想像できるかと思います。
その結果、飼育水が汚れやすくなるのです。
飼育水が汚れやすくなると、金魚に害が及ぶリスクが高くなります。
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汚れが目立ちやすい
ベアタンクのメリットとして「汚れに気づきやすい」というものがありました。
それは裏を返すと「汚れが目立ちやすい」ということになります。
ですから、掃除を怠るとあっと間に水槽が汚く見えるようになります。
特に苔はとても良く目立つようになりますね。
なので、高い観賞性を維持するためには、こまめな掃除が必須になります。
殺風景になる
ベアタンクは、基本的には水槽の底がむき出しになります。
ですから、見かたによっては殺風景に感じる人もいるかもしれません。
このあたりは好みがわかれるところではあります。
金魚をベアタンクで飼育する際のポイント
金魚をベアタンクで飼育する際のメリットとデメリットについて書いてきました。
最後にベアタンクで金魚を飼育したい場合に、デメリットを最小限におさえる方法についてまとめていきます。
フィルターで生物濾過を強化する
金魚を健康に飼育するという観点から見ると、ベアタンクの最大の欠点は生物濾過の低下です。
水質が不安定になり、金魚のストレスにつながるからです。
ですから、ベアタンクで飼育する場合は、生物濾過を補う必要があります。
そのための方法として、フィルターの強化があります。
通常であれば十分と思われるフィルターのパワーをアップさせるのです。
たとえば、上部フィルターを使用しているのであれば、サブフィルターとして投げ込み式フィルターを追加するとか、外部フィルターにグレードアップするといったことですね。
フィルターは濾材の容量が大きいほど、生物濾過の作用が強くなります。
バクテリアの棲処になる濾材を入れられる量が単純に増えるため、その分バクテリアを増やすことができるからです。
なので、濾材がよりたくさん入る外部フィルターのほうが、上部フィルターよりも強力な生物濾過を発揮することができるのです。
濾材や濾過の見なおしをする
フィルターのパワーアップがむずかしいのであれば、濾材をよりバクテリアが棲み着けるものに変更しましょう。
同じ濾材の量で、よりバクテリアの数を増やすことができれば、生物濾過を強化することができるからです。
そのためには、多孔質、つまり穴がたくさんあいている濾材を選んでください。
穴にバクテリアが棲み着きやすいからです。
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また、ゼオライトなどの化学濾過を追加するという方法もあります。
ゼオライトは、飼育水に発生する汚れを吸収することで取りのぞいてくれます。
ですから、生物濾過の減少分を補う一助になります。
このような濾過のことを化学濾過と言います。
とはいえ、生物濾過と比べると作用が弱いのと、数ヶ月に1度交換する手間、そしてコストがかかります。
水換えの回数を増やす
濾過能力をアップするのがむずかしいのであれば、人力で解決するしかありません。
飼育水の汚れを水換えで排出するのです。
そうすれば、水質を維持することができます。
ただし、水換えは急な環境の変化の原因となります。
金魚は急な環境の変化に弱い生き物であるため、ストレスを感じることになります。
これも砂利を敷かないことで水質が不安定になるひとつの要因です。
金魚の数を減らす
水質を安定させる方法として、バクテリアの数に合わせて金魚の飼育数を減らすという方法もあります。
金魚の数が少ないほうが、飼育水が汚れにくいからです。
飼育水の主な汚れは、金魚の排泄物です。
ですから、飼育する金魚の数が少ないほど、飼育水の汚れは緩和されます。
成長分もふくめた目安として、金魚1匹につき10Lの水が必要とされていますが、さらに水の量に余裕を持って15Lに1匹ぐらいで飼育してください。
餌の回数を減らす
最後は、バクテリアの数に餌の量を合わせるやりかたです。
前述したように、飼育水の汚れの主な原因は金魚の排泄物です。
金魚の排泄物の量は、食べる餌の量によって変わります。
ですから、汚れを減らそうと思ったら餌の量を減らせばよいということになります。
餌を減らしたからといって金魚はかんたんに死ぬことはありません。
しかし、成長には影響が出ます。
大きく成長させたいかたは、餌をたくさんあたえる必要があります。
どのように金魚を育てたいかによって変わってくるので、自分の飼育環境に合わせて方法を選択してください。
まとめ:ベアタンクの成功は生物濾過の補強にあり
金魚のベアタンクについて書きました。
ベアタンクは観賞性やメンテナンスの部分で、魅力的な飼育方法です。
しかし、金魚を健康に飼育する、という意味ではデメリットもあります。
そのデメリットを解消するために重要な要素として、生物濾過の強化があります。
本記事を参考にして、ベアタンクで金魚の飼育を楽しんでみてください。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。