水草

【金魚】ホテイアオイによる酸素供給と酸欠、原因と対策とは

2022年9月11日

ホテイアオイで酸素を供給したい人「金魚の水槽にホテイアオイを入れようと思っている。ホテイアオイを入れれば、金魚に酸素を供給してくれるし、水を浄化してくれる作用もあるんだよね?。デメリットなんてないよね?」

こんな疑問を解決します

この記事の内容
ホテイアオイは酸素を供給する効果がある一方で、酸欠を引き起こす可能性もあることについて書いています。

こんにちは、せいじです。

金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。

さて、金魚と相性の良い水草として、ホテイアオイがあります。

ホテイアオイは、屋外の水槽に入れることで、飼育水に酸素を供給してくれたり、水を浄化してくれます。

ですから、水槽に入れて飼育している人も少なくないでしょう。

ただし、ホテイアオイが酸欠を引き起こすこともあります。

酸素を供給してくれるはずのホテイアオイが、どうして酸欠の原因になるのでしょうか。

というわけで、今回はホテイアオイによる酸素供給と酸欠について解説します

ホテイアオイは金魚に酸素を供給する

では、まずホテイアオイが金魚の水槽に酸素を供給する仕組みについて見ていきましょう。

ホテイアオイは、植物ですから光合成をします。

光合成とは、植物が太陽の光と水、二酸化炭素を消費して、酸素を出す作用を言います。

ですから、ホテイアオイを飼育水に入れることで、金魚が出した二酸化炭素が消費され、代わりに酸素を供給してくれることになるのです。

ホテイアオイは金魚の酸欠を引き起こすことがある

前述したように、通常であれば、ホテイアオイは酸素を供給してくれますが、条件によって酸欠を引き起こすことがあります

ここからは、どうしてホテイアオイが原因で、酸欠が発生するのかについて見ていきましょう。

ホテイアオイの増殖

ホテイアオイが酸欠を起こす条件として、ホテイアオイの増えすぎがあります。

ホテイアオイは、増殖力の強い水草で、水面に浮かべておくだけでどんどん増えていきます。

夏場は、1ヶ月で2倍ぐらいの量になりますね。

ホテイアオイが増えるということは、それだけ水の浄化作用や酸素の供給が得られるのでメリットになるかと思いきや、そうではありません。

ホテイアオイが増えすぎると、酸素を供給するどころか、酸素を消費することになります。

ホテイアオイにより酸素が消費される

「ホテイアオイは酸素を供給するんでしょう?増えすぎたら消費するってどういうことさ」

と疑問に思った人もいるでしょう。

ホテイアオイは植物です。

植物は、太陽の光と二酸化炭素、そして水を使って光合成をし、酸素を放出します。

しかし、太陽の光がなく、光合成ができない状態では、私たちと同じように酸素を使って二酸化炭素を出す呼吸しかしません

ですから、太陽が沈んだ夜間は、金魚といっしょに飼育水の酸素を消費することになります。

ホテイアオイの数が多ければ多いほど、夜間の酸素の消費量も増えるということになります。

ただし、これだけで、水槽の酸欠が起こるわけではありません。

ホテイアオイの増殖は、ホテイアオイ以外での酸素の取り込みを邪魔することになります。

水面が空気と触れなくなり酸素供給が止まる

水は、空気と触れることによって酸素を取り込みます

しかし、ホテイアオイが水面をすべて覆ってしまうほど増えすぎると、水面が遮断されて水が空気に触れなくなります。

そうなると、酸素が飼育水に溶け込まなくなり、酸素の供給がストップしてしまうのです。

水温の上昇が加わると酸欠リスクアップ

ここまできても、金魚の数がよほど多くない限り、酸欠になる可能性は低いです。

ところが、さらに水温の上昇が加わると、酸欠になるリスクが上がります。

なぜなら、水温が上昇することで、水に溶け込むことができる酸素量が減少してしまうからです。

水に酸素が溶け込める量を溶存酸素量と言います。

溶存酸素量は、水温が高いほど減少し、低いほど増加します。

水温が低ければ、日中の光合成により十分な酸素を確保できますが、水温が上昇すると、溶存酸素量の上限が減ってしまいます

ですから、夜間を乗り越えるぐらいの酸素が確保できず、酸欠によって金魚が死んでしまう可能性があるのです。

金魚の水槽に酸素が供給される仕組みとは?【意外な仕組みです】

ホテイアオイによる酸欠を防ぐ方法

ここからは、ホテイアオイによる酸欠を防ぐ方法について見ていきましょう。

ホテイアオイを間引く

ホテイアオイによる酸欠を防ぐ方法は、ホテイアオイを間引くことです。

増えすぎが問題の根本であるため、減らすことにより解決することができます。

どれぐらい減らせばいいか、というのはケースバイケース、水槽の大きさや水量によって変わってきます。

しかし、水面すべてがホテイアオイで覆われている状態は避けた方がいいでしょう。

エアレーションをする

ホテイアオイをどうしても間引きたくない、という人は、夜間だけでもエアレーションをするようにしてください。

エアレーションができないからホテイアオイを入れている、という人もいるかもしれませんが、酸欠を防ぐには必要になります。

なお、電源を使わずに酸素を供給する方法としては、電気が使えない!屋外飼育の水槽にエアレーションする方法は?をご覧ください。

【金魚】ホテイアオイは酸素を供給と酸欠を引き起こす、原因と対策

ホテイアオイで金魚水槽に酸素を供給する場合に、酸欠を引き起こす原因と対策について書きました。

この記事をまとめます。

この記事のまとめ

  • ホテイアオイは光合成により酸素を供給する
  • 光合成ができない夜は、酸素を消費する
  • 増殖し過ぎると、酸素を大量に消費
  • 水面を覆うため、自然な酸素供給も止まる
  • 水温が上昇することで、溶存酸素量が減少し、酸欠を起こす

ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

  • この記事を書いた人

せいじ

現在:ハッピーアクト代表
住所:金魚のふるさと奈良県大和郡山
金歴:15年以上
実績:金魚マイスター認定者
    全国金魚すくい選手権20位
内容:金魚の飼育、育成、金魚すくいのコツを発信  

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