らんちゅうのことを知りたい人「らんちゅうのことが知りたい。金魚の王様と呼ばれるらんちゅうの歴史や特徴、そしてらんちゅうから誕生した品種はどんなものがあるのかに興味がある」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
らんちゅうの歴史や特徴、種類について書いています
こんにちは、せいじです。
10年以上前から、らんちゅうなどの金魚を飼育しています。
さて、たくさんある金魚の品種の中で、「金魚の王様」と呼ばれるほど人気があるのがらんちゅうです。
そのらんちゅう、和金と比較すると原型であるフナからかけ離れた姿に変化してきたのがわかります。
らんちゅうには背びれがない代わりに、肉瘤(頭のボコボコ)やふんたん(顔のふくらみ)が発達しています。
どのようにしてこのような姿になったのでしょうか?
そして、らんちゅうはさらにどのような発展を遂げたのでしょうか?
今回はらんちゅうの歴史や特徴、さらにらんちゅうを元に生まれた種類について書いていきます。
らんちゅうとは
では、さっそくらんちゅうの歴史や特徴などについて書いていきます。
らんちゅうは金魚の王様と呼ばれるように、ずいぶん昔から品評会が行われ、人気を博してきた品種です。
その理由がどこにあるのか、そのあたりも含めて見ていきたいと思います。
らんちゅうの誕生の歴史
らんちゅうは、現在は存在しないマルコと呼ばれる品種を原型に、改良が加えられ誕生しました。
マルコは、和金からの突然変異として誕生したとされています。
らんちゅうと同じく背びれがなく、肉瘤やふんたんなどもない姿でした。
そこから改良が加えられ、江戸時代の末期から明治時代にかけて、現在のようならんちゅうが誕生したのです。
ちなみに、マルコからはらんちゅう以外にも、次のような品種が誕生したと考えられています。
マルコから誕生した品種
- 大阪らんちゅう
- 花房
- 出雲なんきん
- 水泡眼
- 頂点眼
金魚の中でも際立った特徴を持つ品種が多いです。
水泡眼や頂点眼も、らんちゅうと同じ祖先から誕生したというのは興味深いですね。
たしかに背びれがないところに、らんちゅうと通ずるところがありますね。
らんちゅうの特徴
さて、マルコから誕生したらんちゅうの特徴についてまとめていきます。
らんちゅうの特徴
- 背びれがない
- 丸みを帯びた背成り
- 短い尾びれ
- 肉流の発達
- ふんたんの発達
らんちゅうの特徴は、なんといっても背びれがないことでしょう。
背びれがないことで、上から見た背中の形がらんちゅうの美しさを表現してくれます。
また、頭の肉瘤と、顔のふんたんは、迫力を演出しますね。
ただ、らんちゅうを思うような姿に作ることは、かなりむずかしい作業です。
親魚の選び方、水温の調整、青水の調整、餌のあたえかたなど、細かな調整によって結果が変わるのです。
一朝一夕ではうまくいかない、非常に奥の深い世界なんです。
だからこそ、らんちゅうの世界に没頭する人がたくさんいるんですね。
らんちゅうが誕生した当初から、品評会が盛んに開催され、その姿は洗練されてきました。
現在も理想的ならんちゅうを生み出そうと、多くの愛好家がらんちゅう作りに取り組んでいます。
らんちゅうの種類を紹介
魅力いっぱいのらんちゅうですが、ここからはそのらんちゅうを改良して作られた品種を紹介していきます。
基本、らんちゅうと同じような形をしていますが、それぞれちがった特徴を持ち、らんちゅうにはない魅力を持っています。
更紗らんちゅう
まずは更紗らんちゅうの紹介です。
更紗とは、白に赤の模様が入った柄のことで、この柄をもつらんちゅうを更紗らんちゅうと言います。
単なる柄の問題なので、厳密に言うと種類とは言えないかもしれません。
しかし、更紗の中の鹿の子柄のらんちゅうは、非常に美しい姿(画像参照)をしています。
一見の価値ありですね.
白らんちゅう
白らんちゅうとは、真っ白ならんちゅうです。
更紗らんちゅうと同じく別の品種というよりは、らんちゅうの中の色のバリエーションのひとつですね。
もみじらんちゅう
もみじらんちゅうとは、網透明鱗(もうとうめいりん)と呼ばれる鱗を持つらんちゅうです。
網透明鱗とは、透明鱗の縁だけが普通の鱗になっている特殊な鱗です。
その姿は、まるで秋の紅葉に見えることから、この鱗を持つ金魚を「もみじ○○」と呼ばれるようになりました。
もみじらんちゅうは、らんちゅうの中で見られた網透明鱗の個体を掛け合わせて固定化されました。
非常に珍しい種類なので、ペットショップなどではなかなかお目にかかることができません。
江戸錦
江戸錦は、らんちゅうと東錦の交配により誕生しました。
透明な鱗に普通の鱗が混ざる、モザイク透明鱗を持つ品種です。
そして、東錦の特徴である、浅葱色、赤、黒のキャリコ柄が特徴です。
桜錦
桜錦は平成8年に愛知県弥富市で作出された新しい品種です。
江戸錦と同じくモザイク透明鱗を持ちますが、江戸錦とはちがって赤と白の模様を持ち、その色合いが桜を連想させることから、桜錦との名が付きました。
肉瘤の発達した江戸錦を作ろうと、江戸錦とらんちゅうを交配させたところ、江戸錦の特徴である浅葱色や黒色の抜けた個体がたくさん生まれたことが、桜錦誕生のきっかけとなりました。
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黒らんちゅう
黒らんちゅうは中国で誕生した品種です。
詳しい作出過程についてはわかっていませんが、らんちゅうの突然変異で黒が誕生したというわけではないようです。
全身が真っ黒ならんちゅうと、黒が少し薄目のらんちゅうがいます。
人気なのは真っ黒らんちゅうですが、光が十分に当たらない飼育環境では、黒色が徐々に薄くなっていきます。
青らんちゅう
らんちゅうと青文魚の交配によって誕生したのが青らんちゅうです。
青らんちゅうを作るにあたって、頭の肉瘤がしっかり出ている青文魚を選んで交配させたとされています。
赤やキャリコ柄にはない、独特な雰囲気を持っていますね。
茶らんちゅう
らんちゅうの中には茶系の色を持つらんちゅうもいます。
茶らんちゅうと呼ばれますが、中国からの輸入により日本にやってきました。
ですので、どのようにして作られたのか、よくわかっていません。
日本でもらんちゅうと茶金を交配させて、茶らんちゅうを作ろうとしたことがあるようです。
ただし、中国から茶らんちゅうが入ってきたため、作出をやめたのだとか。
日本と同様、中国でも茶金との交配によって茶らんちゅうは生み出されたのでしょうか?
秋錦(しゅうきん)
秋錦は、らんちゅうの体形に長い尾びれが特徴の品種です。
らんちゅうとオランダ獅子頭を交配させることによって誕生しました。
その歴史は古く、作られたのは明治25年とされています。
らんちゅうは特徴として短い尾びれを持っていますが、尾びれが長くなるだけでも、雰囲気ががらっと変わります。
秋錦も珍しい品種で、ペットショップではなかなか見かけることが少ないですね。
らんちゅうとは?特徴や種類を解説します:まとめ
らんちゅうの特徴や種類について書きました。
背びれがなく美しい背なり、そして発達した肉瘤やふんたんを持つらんちゅうの姿は、非常に魅力的です。
金魚の王様と呼ばれるのも納得の品種ですね。
また、そこから派生した数種類の品種も、それぞれに魅力があり、美しい姿を私たちに提供してくれます。
ぜひ、らんちゅうやその他の品種の飼育を楽しんでいただけたらと思います。
というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。