活性炭の効果を知りたい人「金魚の水槽に活性炭を入れると、どんな効果があるのか知りたい。金魚の水槽に活性炭を入れるといいよって聞いた。活性炭って一般的に匂いの除去に使われることが多いけれど、金魚の水槽ではどのような効果があるのかな?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚の水槽に活性炭を入れると、どのような効果があるのかについて書いています
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚を飼育していると、飼育水の黄ばみに悩むことがあるかもしれません。初心者のころは特に、きちんと水換えなどのメンテナンスをしていても、水がきれいない透明にならずに困ることがあるでしょう。
そんなときに強い味方になってくれるのが活性炭です。なぜなら、活性炭は飼育水の黄ばみを取り除く効果があるからです。
また、一般的に消臭剤として使用されるように、水槽で発生する匂いの除去にも一役買ってくれます。
透明な水は、金魚の美しさをより際立たせてくれますし、においがないのも飼育する上でとてもうれしい効果ですよね。
というわけで、今回は金魚の水槽に活性炭を入れるとどんな効果があるのかについて、詳しく解説していきます。
金魚の水槽に活性炭を入れると得られる効果(メリット)とは?
では、金魚の水槽に活性炭を入れると得られる効果について書いていきます。その前に、活性炭とはなにか、についてもおさえておきましょう。
活性炭とは?
活性炭とは、普通の炭よりもたくさんの小さな孔を持つ炭をいいます。炭を800℃以上の高温で蒸すことにより、目には見えないほどの細かな孔を無数にあけることができるのです。
この孔によって、汚れや匂いなどの成分を吸着することができます。ですから、下駄箱などに入れておくと、消臭効果が得られますし、浄水器に入れることによって不純物が取り除かれ、美味しい水になるわけです。
活性炭は飼育水のにおいや黄ばみを除去してくれる
その活性炭を水槽に入れると、水槽の中の黄ばみや匂いの原因を除去する効果が得られます。活性炭が持つ化学(吸着)濾過の効果によって、吸収されるからです。
ですから、水槽の飼育水の黄ばみが取れ、透明の澄んだ水になるんですね。
水槽の水が黄ばんでしまうのは、人工餌の成分が水槽に溶け出したり、装飾品の流木からアクが出たりすることが原因です。
水換えによって軽減することができますが、水槽によってはなかなか透明な水になり切らない場合があります。
活性炭を入れると、活性炭が持つ孔に黄ばみの原因成分が吸収され、飼育水がきれいになるというわけです。
また、水槽で発生する独特の匂いについても、活性炭が吸収してくれます。ですから、水槽を置いた部屋でも快適に過ごすことができるようになります。
ただし、匂いについては、安定した水槽ではそれほど発生しません。よっぽど神経質な人であれば別ですが、基本的に水槽の匂いは無臭、もしくは鼻を近づけつと土の匂いを感じる程度で、生活する人が不快に感じるほどの匂いにはなりません。
しかし、長期間水換えをしていなかったり、生物濾過がうまく機能していない場合は、異臭を放つようになります。
つまり、匂いがとても気になるような状態というのは、水槽で異常が発生している証拠で、金魚の健康を損なう恐れがあります。
この場合は活性炭に頼らず、匂いの根本原因を解決するようにしてください。
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多孔性のため生物濾過にも効果がある
活性炭は多孔性のため、生物濾過の作用にもプラスの効果があります。バクテリアの住処になるからです。
バクテリアは、濾材や砂利などを住処にします。多孔性だと、その分表面積が増えるため、バクテリアが住めるスペースが増えることになります。
活性炭は多孔性であるため、バクテリアの住処として適しているんですね。ですから、活性炭を入れることで生物濾過の作用がアップすることになります。
金魚水槽に活性炭を入れるデメリット
ここからは、金魚水槽に活性炭を入れるデメリットについて見ていきましょう。
まとめると、次のようになります。
デメリット
- 定期的に交換が必要
- アンモニアを吸着する効果がない
- 水槽の異常に気付きにくくなる
- 薬浴の効果が十分に得られない
それぞれ掘り下げていきます。
活性炭は定期的に交換が必要
活性炭は、定期的に交換が必要です。永久的に吸着濾過を発生させられるわけではないからです。つまり、活性炭には汚れを吸着する限界があるんですね。
活性炭の吸着効果は、活性炭に無数にできている孔で汚れを吸収することで発揮されます。ですから、その孔が汚れですべて埋まってしまうと、それ以上吸収できなくなるのです。
なので、定期的に交換する必要があるのです。
活性炭の大きさにもよりますが、市販されているものであれば、だいたい1ヶ月ぐらいでの交換が目安になります。
つまり、活性炭を使用する場合は、交換する手間とコストがかかるということです。
アンモニアを吸着する効果がない
黄ばみの原因となる汚れを吸収してくれる活性炭ですが、金魚にとって有害となるアンモニアなどを吸収する効果はありません。
ですから、活性炭を使用すれば水換えをしなくて良い、といったことにはなりません。
水が透明に澄んで、観賞性が上がる効果ととらえてください。
飼育水に発生する金魚にとっての有害物質については、生物濾過によって除去できる環境が必要になります。
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水槽の異常に気付きにくくなる
活性炭を入れることで、水槽の異常に気付きにくくなる可能性があります。なぜなら、異常時に発生する匂いや汚れなどが、活性炭に吸収されてしまうからです。
たとえば、生物濾過が機能しなくなった場合、飼育水からドブのような匂いがすることがあります。アンモニアが分解されなくなると、飼育水が異臭を放つようになるからです。
しかし、活性炭によって匂いが吸収されてしまうと、異常に気付けなくなります。
薬浴の効果が十分に得られない
活性炭を入れたまま薬浴をすると、薬浴の効果が十分に得られません。なぜなら、活性炭が薬の成分を吸収してしまうからです。
ですから、薬浴をする際は、必ず活性炭を水槽から取り除いてから行なってください。
金魚水槽での活性炭の使用方法
メリット、デメリットを把握したところで、次は金魚水槽で活性炭を使用する方法について見ていきましょう。
フィルターに入れる
活性炭水槽に設置する場所としては、フィルターの濾過槽が一般的です。フィルターの濾過槽は、水槽内の水が循環する場所であるため、活性炭の効果を発揮しやすいのです。
市販されている濾材によっては、最初から活性炭を備えているものも少なくありません。使用することで、生物濾過と化学濾過の効果を同時に得ることができます。
水槽に直接入れる
活性炭を水槽内に入れても、化学濾過の効果を得ることができます。濾過槽に入らないぐらい大きな活性炭を使う場合は、水槽内に設置するといいでしょう。
ただし、見た目は気になるかもしれません。
活性炭の都市伝説
最後に、活性炭に関する都市伝説を紹介して終わりにしたいと思います。まことしやかに出回っている情報ですが、くれぐれも鵜呑みにしないようにしてください。
活性炭は寿命を越えると吸着したものを吐き出す?
活性炭は寿命を超えると、吸着した物質を逆に放出してしまう、と言う話しがあります。ですから、活性炭が寿命をむかえたら、すみやかに交換しなければ水槽に悪影響を及ぼす、というわけです。
しかし、これはまちがいです。
吸着できる上限に達した活性炭は、それ以上物質を吸着できなくなりますが、吸着したものを放出するといったことはありません。
ただし、それ以上汚れを吸着できないので、化学濾過の効果を期待するのであれば、交換するようにしてください。
洗うことで吸着効果が復活する?
二つ目は、吸着効果のなくなった活性炭は、洗うことによってまたその効果が復活する、というものです。
洗浄すれば、吸収した汚れを取り除くことができ、再び孔に汚れを吸収できるようになる、とのことですが、残念ながらこの話しもまちがいです。
洗浄したぐらいでは、活性炭に吸着された汚れを取り除くことはできないからです。
新しいものに取り替えるようにしてください。
おすすめの活性炭は「ブラックホール」
水槽用の活性炭で特におすすめなのが、キョーリンの「ブラックホール」です。
上部フィルターなどの濾過槽に入れるだけで、早ければ数時間後には水がピカピカに輝きだします。しかも、超高性能な活性炭を使用しているため、寿命が2ヶ月もあるんです。
1箱5個入で1000円前後、つまり1年弱、たった1000円でいつでもきれいな水槽を眺めることができるわけです。
その驚きの効果は、多くのユーザーの口コミで証明されています。ぜひ、試して見てください。
金魚の水槽に活性炭を入れると得られる効果とは?:まとめ
金魚水槽に活性炭がもたらす効果について書きました。
この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 活性炭は、化学濾過(吸着濾過)によって飼育水の汚れを取り除いてくれる
- 生物濾過に必要なバクテリアの住処にもなる
- 吸着できる上限があり、定期的に交換が必要
- アンモニアなどの有害物質については除去できない
- 匂いが除去されてしまうため、水槽の異常に気付きにくくなる
- 寿命を超えた活性炭は吸収した汚れを放出するとか、活性炭を洗うと効果が復活するというのは都市伝説であり、事実ではない
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。