メダカの塩浴について知りたい人「メダカの塩浴について知りたい。メダカを飼育する際に、飼育水に塩を入れることがあるんだよね?メダカって淡水魚なのに、どうして塩を入れるの?塩を入れる効果や、場面、方法など詳しく知りたい」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
メダカの塩浴について詳しく書いています
こんにちは、せいじです。
メダカや金魚、ウーパールーパーといった水中で生活する生き物を主に飼育しています。
さて、どれだけ大切にメダカを育てていたとしても、体調をくずしたり、病気になったりすることがります。
治療が必要になるわけですが、そんなときに用いるのが、塩浴と呼ばれるものです。
塩浴とは、飼育水に塩を入れて塩水にし、その中でメダカを泳がせることを言います。
体調をくずしているメダカは、塩水の中で生活したほうが自然治癒力が向上し、体調が回復することがあるんですね。
というわけで、今回はメダカの塩浴について解説します。
メダカの塩浴(塩水浴)の方法や効果、期間や塩の量について
では、メダカの塩浴について見ていきましょう。
塩浴の濃度は、0.5%です。
飼育水を0.5%の塩分濃度にすることで、メダカの日常生活での負担を軽減することができるからです。
メダカの塩浴は体調を回復する効果がある
塩浴は、メダカの体調を回復する効果があります。なぜなら、飼育水を塩水にすると、メダカの自然治癒力を向上するからです。
なぜ、飼育水を塩水にすると、メダカの自然治癒力が向上するのでしょうか。
メダカは淡水で生活する魚ですが、淡水では絶えず浸透圧調整をする必要があります。
浸透圧とは、塩分濃度の低いところから、塩分濃度の高いところへ水分が移動する現象を言います。
きゅうりを塩漬けしておくと、しわしわになりますよね。あれは、浸透圧によってきゅうりの水分が塩に移動したからなんですね。
メダカの身体の中にある体液には、塩分がふくまれています。ですから、淡水では浸透圧によって常に体内に水分が入ってくる状態になります。
入ってくるばかりでは身体がパンクしてしまうので、メダカはえらなどから絶えず水を排出しています。
これを浸透圧調整と言います。
メダカが健康な状態であれば、浸透圧調整はそれほど苦になりません。しかし、体調をくずしたり、病気になったりすると、浸透圧調整が負担になってきます。
その負担を軽減するために、塩浴を実施するんですね。
飼育水の塩分濃度を、メダカの身体に近い塩分濃度にしてあげることで、浸透圧が軽減されます。
水分が身体の中に入ってこなくなるため、メダカは浸透圧調整にエネルギーを使う必要がなくなり、体調を回復するためにエネルギーを集中できるようになります。
ですから、病気になったり、弱ったりしたメダカが元気にすることができるのです。
塩浴が効果的なケース
塩浴が効果的なケースをまとめると、次のようになります。
塩浴が効果的なケース
- メダカが底でじっとしている
- 水面に浮かんで動かない
- 泳ぎに元気がない
- 病気治療の補助
メダカの動きが悪かったり、底に沈んで動かない、もしくは水面に浮いている、といった様子のときは、塩浴を実施すると改善する可能性があります。
ただし、元気がないから安易に塩浴をすればいい、という話しではありません。なぜなら、元気がなくなった原因を突き止めなければ、根本的な解決にならないからです。
たとえば、飼育水の汚れによってメダカが弱っているのであれば、水換えをして改善してあげたうえで、塩浴をする必要があります。
塩浴をするまでもなく、根本的な原因を解決すれば元気になるケースも少なくありません。また、根本原因が解決していないのに、いくら塩浴をしても元気になりません。
このことは、前提としておさえておく必要があります。
他にも、病気の治療の補助として使用するのが効果的です。薬浴と併用して実施すると効果的です。
また、病気によっては、初期であれば塩浴だけで回復することもあります。
塩浴で使用する塩の種類は?
塩浴で使用する塩の種類としては、天然塩が適しています。天然塩には、ミネラルがふくまれているからです。
ミネラルはメダカの健康にとってプラスの効果をもたらしてくれるんですね。
塩の効果で浸透圧調整の負担を軽減し、さらにミネラルで回復の補助ができる天然塩が最適なわけです。
これは、金魚も同様で、金魚の塩浴の塩はどんな種類を使えばいいの?【失敗しない選び方】で塩の種類から天然塩が最適な理由を掘り下げて解説しています。
ぜひご覧ください。
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金魚の塩浴の塩はどんな種類を使えばいいの?【失敗しない選び方】
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塩浴の具体的なやり方
塩浴の具体的なやりかたをまとめると、次のようになります。
塩浴の具体的なやり方、手順
- 飼育水をバケツに取り分ける
- メダカを移す
- 0.5%の濃度になるように塩を入れる
塩浴をする場合は、対象のメダカを別の容器に隔離して行ってください。塩浴によって、水槽に入れている水草が枯れてしまうからです。
また、エビなどをいっしょに飼育している場合は、塩によって死んでしまう可能性があります。ですから、別の容器に移して行う必要があるのです。
隔離したら、塩を投入して塩水を作って行きます。塩水を作ってからメダカを入れると、急な環境の変化にメダカがストレスを感じ、よけいに具合が悪くなってしまいます。
変化を緩和するために、徐々に塩を溶かしていってください。
基本的には、0.5%濃度分の塩を投入すれば、時間の経過とともに徐々に溶けていきます。
そのスピードで大丈夫です。
また、タブレット状になった塩浴用の塩が市販されています。こちらを使用するとなお安全に塩浴をすることができます。
塩浴を実施する期間
塩浴を実施する期間は、5〜7日ほどです。その区切りでいったんの回復具合を確認してください。
1週間ほど経ったら、半分程度換水をしてください。
前述したように、塩浴は本水槽とは別の容器で実施します。別容器では、本水槽とくらべて環境が整っておらず、飼育水の浄化作用が十分に働きません。ですから、水が汚れやすくなります。
通常、2週間に1回ぐらいのペースで水換えをしていたとしても、塩浴では最低でも1週間に1回は水換えをしたほうがいいですね。
1週間の塩浴後、まだ体調が回復していないようであれば、水換え後に再度塩を投入して塩浴を継続してください。
塩浴後の元の水への戻し方
塩浴によってメダカの体調が回復したとしても、すぐに真水に戻してしまうと、急激な環境の変化によってメダカにストレスをあたえてしまいます。
ですから、1週間に1回、半分程度の水換えを繰り返して、徐々に真水に戻してください。
メダカに塩浴をする場合の注意点
ここからは、メダカの塩浴時の注意点について書いていきます。
餌はあたえないようにする
塩浴中は、餌をあたえないようにしてください。餌をあたえると、消化にエネルギーが必要になり、自然治癒力が低下するからです。
ですから、体調が改善するまで餌を切るようにしてください。
ただし、1週間以上の絶食は、栄養状態の悪化をまねく恐れがあります。
体調不良や病気が悪化してしまうことがあるので、治療が長期におよぶ場合は、様子を見ながら少量餌をあたえるようにしてください。
水換えの頻度をあげる
なお、メダカは餌を食べると、当然排泄をします。
前述したように、塩浴中は水の浄化作用が十分に働かないため、飼育水が汚れやすくなります。
餌をあたえる場合は、3日に1回、半分程度の水換えを実施してください。
塩浴中はエアレーションをしたほうがいい場合も
塩浴中は、酸欠を起こすリスクが高くなります。なぜなら、飼育水に溶け込むことができる酸素の量が低下するからです。
メダカは、飼育水に溶け込んだ酸素を使ってエラ呼吸をしています。水に溶け込んだ酸素を溶存酸素というのですが、溶存酸素は、真水より塩水のほうが少なくなるという性質があります。
ですから、塩水浴をする場合は、メダカが酸素不足を起こしていないか、しっかりと観察してください。
できれば、エアレーションをして酸素を供給したほうがいいでしょう。
ただし、隔離した容器は狭いでしょうから、メダカはエアレーションによる水流の影響を受けやすくなります。
強い水流は、メダカを消耗させてしまうことがあります。
エアポンプを調整して、水流の影響を軽減するようにしてください。
メダカの塩浴(塩水浴)の方法や効果、期間や塩の量について:まとめ
メダカの塩浴について書きました。
塩浴は、メダカの体調を回復させたり、病気の治療を補助したりと、メダカの健康を守るのに非常に重要な手段です。
メダカが元気になれるよう、活用してください。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。