メダカの稚魚の飼育に悩んでいる人「メダカの稚魚を飼育するのに、エアレーションを設置するかどうか悩んでいる。メダカは水流に弱いって聞いた。だから、成長したメダカでも水流を弱めるようにしている。でも、稚魚ならなおさら水流に弱くなるよね?エアレーションは設置しないほうがいいのかな?また、設置しなくても大丈夫?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
メダカや金魚、ウーパールーパーといった、水の中で生活する生き物を中心に飼育しています。
さて、メダカが産卵をして卵が孵化したら、稚魚の飼育がはじまります。稚魚は成魚よりもデリケートなため、環境には十分な配慮が必要です。
負担がかかる環境だと、稚魚が死んでしまうからです。
そこで気になるのがエアレーションです。成魚でもエアレーションは避けたほうがよいと言われるぐらいですから、稚魚であればなおさらですよね。
負担がかかる理由は、エアレーションにより発生する水流です。水流がある環境だと、水流に抵抗することで衰弱し、死んでしまうことがあるからです。
しかし、そのいっぽうで水の汚れや酸素不足にも敏感ですから、エアレーションや濾過が必要な気がしますよね。
落とし所というか、稚魚に必要な環境整備をするとしたら、エアレーションに対してどのような判断をすればいいでしょうか。
というわけで、今回はメダカの稚魚を育てるために、エアレーションはするべきかどうかについて解説します。
メダカの稚魚の飼育にエアレーションは必要?
では、メダカの稚魚の飼育にエアレーションが必要かどうか、について見ていきましょう。
メダカの稚魚は弱い
メダカの稚魚は、成魚にくらべると非常にデリケートです。身体ができていないので、とても弱いんですね。
ですから、水質の悪化や環境の変化、酸欠に注意が必要です。
水質が悪くなったり酸欠を起こすとバタバタと死にはじめ、どれだけ手を尽くしても止められなくなることがあります。
ですから、水をきれいにしておくこと、そして酸素をしっかりと供給することが重要になりますね。
エアレーションの水流が問題
飼育水の浄化や酸素の供給には、エアポンプを使った投げ込み式フィルター、もしくはエアレーションが効果的です。
しかし、いずれも水流が発生することになります。
メダカは身体が小さく、魚類の中では泳ぎの能力が高くありません。ですから、水流のない止水性の環境を好みます。
そのほうが負担なく生活することができるからです。
水流があると、その水流に抵抗しながら生活する必要があるので常に泳いでいなければならず、負担が大きくなってしまうんですね。
水流が強すぎると、衰弱して死んでしまうこともあります。
成魚のメダカでもその状態ですから、稚魚だとなおさら水流がストレスになります。
なので、エアレーションによって死んでしまう子も出ます。
ノーマルな投げ込み式フィルターを使用すると、フィルターに吸い込まれて大量死してしまうことがあります。
エアレーションの目的とは?
そもそも、エアレーションや投げ込み式フィルターの目的はなんでしょうか?
メダカの水槽でエアレーションや投げ込み式フィルターを設置する目的は、酸素の供給や飼育水の浄化です。
エアレーションは、飼育水の中で気泡を発生させることによって水面をゆらし、飼育水に酸素を溶け込ませます。そうすることで、メダカが酸欠になるのを防ぐんですね。
また、エアレーションをすることによって水流を発生させ、水の滞留を防ぐ効果もあります。水は滞留すると傷みやすくなるんですね。
投げ込み式フィルターを用いる場合は、酸素の供給にくわえて、水の浄化作用を発生させます。
稚魚にとって、飼育水の傷みや酸素不足は死につながります。ですが、エアレーションなどを用いなくても同じような効果が得られる環境を作ることができれば、エアレーションなしでも飼育することが可能になります。
具体的に、どのような環境をつくればよいかについては、次で見ていきましょう。
エアレーションの代わりになるもの
ここからは、エアレーションの代わりに、酸素の供給と飼育水の浄化作用を発生させることができる方法について見ていきましょう。
まとめると次のようになります。
エアレーションなしで飼育できる環境
- 間口が広く浅めの容器
- 水量を多くする
- 水草を入れる
それぞれ掘り下げていきます。
間口が広く浅い容器で飼育する
酸素不足が発生するのを防ぐには、間口が広く浅い容器で飼育するようにしてください。
エアレーションがなくても、水面から十分な酸素を取り込むことができるからです。
繰り返しになりますが、酸素は水面から取り込まれます。水面が空気に触れることによって、酸素が水中に溶け込むんですね。
エアレーションをすると酸素が取り込まれるのは、気泡で水面が揺れるからです。
水面が揺れると、空気と触れる面積が増え、多くの酸素を取り込むことができるのです。
ですから、エアレーションをしないで飼育する場合は、間口の広い容器を使うようにしてください。
水面を広くすることによって、酸素と触れる面積が増えるからです。
また、容器が浅いほうが飼育水全体に酸素が行き渡ります。それにくわえて、泳ぎが決して得意でないメダカの移動が楽になります。
容器が深いと、底に移動するのに労力が必要になりますからね。
ですので、エアレーションなしでメダカを飼育する場合は、間口が広く浅い容器が適しているのです。
水量を多くする
エアレーションやフィルターを使用しない場合は、水量をできるだけ多く確保してあげてください。
水質の悪化や酸欠が発生しにくくなるからです。
水の量が多いほど、水中に発生した汚れの濃度が低下します。水が薄めてくれるからですね。
それに、水が多いほど、単純に酸素の量も増えます。
ですから、酸素の供給量が減ったとしても、酸素を確保しやすくなるんですね。
水草を入れる
エアレーションなどをしない状態で積極的に酸素を取り込みたい、また飼育水の浄化作用を発生させたい場合は、水草を入れるようにしてください。
水草には酸素を供給する働きと、水質を浄化する作用があるからです。
植物である水草は、光を使って光合成をします。二酸化炭素を消費して、酸素を出すんですね。
ですから、飼育水に酸素を供給してくれるというわけです。
また、飼育水に発生する硝酸塩を消費する働きもあります。
それによって水が浄化され、メダカにとって住みやすい環境を維持することができます。
メダカの稚魚の飼育にエアレーションは必要?:まとめ
メダカの稚魚の飼育にエアレーションが必要かどうかについて書きました。
結論としては、メダカの稚魚を飼育する際は、エアレーションを使用しないほうがいいですね。
エアレーションによって発生する水流が、メダカの稚魚に負担をかけてしまうからです。
衰弱して大量に死んでしまうメダカが発生する恐れがあります。
そのいっぽうで、酸欠や水質の悪化に弱いメダカは、エアレーションや投げ込み式フィルターがないことでも死んでしまうリスクがあります。
しかし、本来エアレーションなどによって得られる効果を、他のことで代用することによって、メダカの稚魚に必要な環境を作り出すことができるんですね。
間口が広く、そして水深が浅い、さらに豊富な水量がある環境にくわえて、水草を入れることで環境が整います。
ぜひ、やってみてください。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。