金魚が苔を食べることを心配している人「金魚が苔を食べても大丈夫なのか知りたい。ときどき金魚が水槽のガラス面についている苔を食べているようなんだよね。苔って食べて大丈夫なの?身体に悪くないのかな?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚が苔を食べても大丈夫か?食べることによってどのような効果があるのかについて書いています
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、奈良県大和郡山市から金魚マイスターの認定証をもらっています。
さて、水槽の困りごととしてあるのが苔の発生ですよね。
苔が生えると水槽が汚らしくなって困る、という人も多いのではないでしょうか?
その中で、どうやら金魚が苔を食べているようだ、というシーンをご覧になった方もいると思います。
そう、金魚は水槽についた苔を、つつくように食べます。
ところで、金魚が苔を食べても健康的に問題ないのでしょうか?
結論から言うと、金魚が苔を食べてもなんら問題はありません。
というか、むしろ苔は金魚にとって、すごい健康食なのです。
というわけで、今回は金魚が苔を食べることで、どのような効果が得られるかについて書いていきます。
金魚は苔を食べると健康になる?苔の効果とは
では、金魚が苔を食べることによってもたらされる効果を掘り下げていきます。
金魚の色揚げ効果がある
最初に取り上げたいのが色揚げ効果です。
金魚は苔を食べることによって、しっかりとした色が出るようになります。
水槽による屋内飼育では、照明の弱さによってどうしても金魚の色や柄がくすんでしまうことがあります。
苔を食べることによって、色や柄のくすみをおさえることができるのです。
消化能力があがる
苔には金魚の消化能力を整えてくれる効果があります。
というのも、金魚が苔を食べることで、整腸作用がもたらされるからです。
この整腸作用によって消化不良が起こりにくくなり、しっかりと餌を食べることができるのです。
飼育水を浄化してくれる
さらに苔には飼育水を浄化する作用があります。
後述しますが、苔が生える要件のひとつとして、金魚が出す排泄物や、餌に含まれている原料による、飼育水の富栄養化があります。
飼育水の富栄養化は、金魚にとっては害になりますが、苔にとっては栄養分となります。
そして、苔はその栄養分を摂取して育ちつつ、金魚に害の少ない物質に変えてくれるのです。
さらに、苔は生物濾過によって水を浄化する役割を果たしてくれる、バクテリアの棲み処にもなります。
金魚がよろこぶ苔の作り方
これほどメリットのある苔ですから、中には苔を増やして金魚に食べさせたい、と思う人もいるかもしれません。
ここからは、水槽に苔を生やす方法について書いていきます。
ちなみに苔が生える環境の要件としては、次のものがあげられます。
苔が生える環境要件
- 飼育水の富栄養化
- 強い光
飼育水が富栄養化する状態というのは、金魚の排泄物や、餌の汚れによって起こります。
つまり、水質が悪化するほど苔が発生しやすくなります。
とはいえ、金魚に害のないレベルの飼育水の汚れでも、苔は発生します。
また、前述したように、苔には水の浄化作用もあります。
では、苔が発生する環境要件を掘り下げていきます。
光の強い照明を使う
苔の発生は、光の具合によって変わります。
光が強いほど、苔は発生しやすくなります。
なので、強めの照明を使うことで、苔の発生を促進することができるのです。
照明の転倒時間を長くする
また、照射時間が長いほど苔が発生しやすくなります。
通常金魚には8~10時間以上の照射が必要と言われていますが、その時間をさらに長くすることで、苔の発生を増やすことができます。
短時間、太陽の光が当たるようにする
照明の光よりも苔が生えやすいのは、自然の太陽光です。
どれだけ強い照明を使っても、太陽光を上回るのはむずかしいですね。
ですから、太陽の光があたるような状況であれば、苔は発生しやすくなります。
ただし、水槽に直射日光が当たる状況は、著しい水温の上昇を生んでしまいます。
そうなると、金魚はストレスを感じ、病気になる可能性が高くなります。
窓際などに水槽を置いて、直接ではない間接的な光を当てるようにしましょう。
水槽に苔が生えるデメリット
金魚にとってメリットのある苔ですが、残念ながらデメリットもあります。
金魚の姿が見えにくい
水槽のガラス面に苔が生えると、観賞魚である金魚を、十分に観賞することができなくなります。
せっかくの金魚の姿が見えないのは困りものですね。
水槽が汚く見えてしまう
もう一つのデメリットは、水槽が汚く見えることです。
見る人に、メンテナンスが行き届いていない印象を持たれてしまいますよね。
苔のメリットと、デメリットを考えたときの落としどころとしては、水槽の正面の苔だけを落とし、側面や背面の苔を残しておくといったところでしょうか。
これであれば観賞の邪魔にならず、金魚が苔を食べることもできます。
ただし、見た目のきれいさで言うと、少々課題が残る感じですね。
においがする
苔が生えると、独特なにおいがするようになります。
なので、このにおいが耐えられないかたにつては、苔を落とした方がいいですね。
ちなみに、飼育水に苔が浸かっている状態では、においはそれほど強くありません。
しかし、蒸発によって飼育水が減り、苔が空気に触れて乾燥すると、においがきつくなります。
ひどいときには服ににおいがしみつくほどになるので、注意が必要ですね。
苔掃除の強い味方
苔にはメリットがあるけれど、やっぱり見た目を大切にしたいという方もいらっしゃると思います。
その場合に強い味方になるのが、次の2つになります。
水槽の苔取りの強い味方
- 苔を自動で掃除してくれる石巻貝
- 頑固な苔も一回でそぎ落とす水槽用スクレーパー
石巻貝は苔が好物です。
水槽に入れておくと、勝手に食べて水槽をきれいにしてくれます。
60㎝水槽であれば、5匹~10匹ほど入れておくと、けっこうな苔取り力を発揮してくれます。
手動で取る場合は、スクレーバーが便利です。
苔がびっしりこびりつくと、スポンジで磨くだけではなかなか落とせません。
しかし、水槽用のスクレーパーを使えば、気持ちいいぐらいにあっさりと苔を落とすことができます。
金魚は苔を食べると健康になる?苔の効果とはまとめ
金魚が苔を食べることなどによって得られるメリットと、苔を発生させる方法、そして苔のデメリットについて書きました。
苔は金魚にとって健康食です。
苔を食べることによって金魚は健康になり、色、つやなども良くなります。
しかし、観賞には向きません。
なので、どちらを優先するか天秤にかける必要があるかもしれません。
一つの落としどころとしては、水槽の正面の苔だけを落とし、側面や背面を残すという方法ですね。
嫌がられがちな苔ですが、ぜひ有効利用していただけたらと思います。
というわけで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。