金魚の病気イカリムシを治したい人「金魚の身体に棒のようなものが刺さっている。イカリムシっていう病気だと思うんだけれど、このまま放っておいたら死んでしまうよね?どうしたら治すことができるのかな?原因や治療方法が知りたいな」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
- イカリムシ寄生症の原因がわかる
- イカリムシ寄生症の治療方法がわかる
金魚には寄生虫による病気があります。
虫が金魚の身体に寄生して成長し、そして産卵して増えていく、といった病気です。
今回はそんな寄生虫のひとつ、イカリムシについて取り上げたいと思います。
イカリムシは金魚の身体に頭部を突き刺し、栄養素を吸い取ります。
対処しないで放置しておくと、たくさんのイカリムシに寄生され、衰弱死したり、患部に炎症を起こしたりして死んでしまいます。
イカリムシへの対処としてもっとも必要なのは、ピンセットでイカリムシを金魚の身体から除去することですね。
それでは、詳しく解説していきます。
金魚の寄生虫イカリムシの原因や症状、治療方法を動画で見る
金魚の寄生虫イカリムシの原因や症状
まずはイカリムシ寄生症の原因や症状について書いていきます。
イカリムシ寄生症の原因
イカリムシとは淡水性の甲殻類の虫です。
金魚のイカリムシ寄生症とは、イカリムシという虫が金魚に寄生することで起こる病気なのです。
なぜイカリムシという名前がついているかというと、頭部の頭角という部分が、船のイカリの形に似ているからです。
そして、この頭角の部分を金魚の身体に打ち込み、寄生します。
イカリの形をしているため、しっかりとくいこみ、そうかんたんには抜けません。
船のイカリが船をつなぎとめておくために、あの形をしている意味がよくわかりますね。
さて、イカリムシの寿命は2ヶ月ほどで、その間金魚に取りつき栄養素を吸い取ります。
その栄養素によって成長し、やがて産卵をするのです。
産卵の回数は2ヶ月間でなんと15回にも及ぶと言われています。
孵化した幼生はミジンコに似ていて、孵化後しばらくは水中を浮遊しています。
そして、4回の脱皮を繰り返して金魚の身体に取りつける状態となります。
なお、産卵するところからもわかるように、寄生するのはイカリムシのメスのみです。
イカリムシ寄生症の症状とは
イカリムシの寄生は、目で見て明らかにわかります。
金魚の身体から細い枝のようなものが出ているのが確認できるからです。
イカリムシは頭部を金魚の身体に食い込ませますが、胴体はぶら下がった状態なので、このような状態になります。
イカリムシの大きさは5〜10mm程度ですね。
イカリムシが身体にくいこむと、その部分に炎症が起こります。
栄養素を取られつつ、炎症も起こることで、金魚が衰弱していくことになります。
末期になると寄生するイカリムシの数が増え、栄養素をどんどん吸い取られていくことになります。
イカリムシが確認できたら、手遅れになる前に早く対処するようにしましょう。
イカリムシの抜き方や治療方法
ここからはイカリムシの対処法、治療方法について書いていきます。
寄生虫については薬浴や塩浴だけでなく、取り除くという方法が効果的です。
ただ、初心者には精神的なハードルがけっこう高いと思います。
金魚の身体を支えつつ、イカリムシを引っこ抜かなければならないからです。
身体を直接触るのは勇気がいりますね。
おっかなびっくりになると思います。
頑張っていきましょう。
イカリムシをピンセットで抜く
イカリムシの場合、まずピンセットで金魚の身体から取り除いてあげましょう。
ピンセットを使って、イカリムシを引き抜くのです。
ただし、引き抜く際は、頭の部分が体内に残ってしまわないよう、慎重に行ってください。
頭の部分が残ると、そこからまた再生してしまいます。
ですので、金魚の身体から完全に取り除く必要があります。
やり方としては次の通りです。
イカリムシを除去する手順
- ピンセット(できれば先が丸まったもの)を用意する
- 飼育水で手をしっかりと冷やす
- 金魚を水中で軽くつかまえ、ピンセットで引き抜く
イカリムシの形状により、けっこうしっかりと食い込んでいる場合が多いです。
金魚の負担を考えると、できるだけ手早く引き抜けるといいですが、逆に焦りすぎると取りきれなかったり、金魚を必要以上に傷つけてしまうことになるので、くれぐれも無理をしないようにしてください。
あと、水面近くで抜こうとすると、金魚が暴れて水を跳ね上げてしまいます。
水中でするか、水面から少し出してするのが良いでしょう。
イカリムシの幼虫を薬浴で殺す
イカリムシを完全に治療するためには、成虫をピンセットで取り除くのとは別に、水槽内に発生しているであろう幼虫を駆除する必要があります。
そうでないと、再び金魚がイカリムシに寄生されてしまうからです。
幼虫の駆除には、薬浴が効果的です。
効き目のある薬は次の通りです。
イカリムシに効果のある薬
- レスバーミン
- デミリン
- トロピカルN
- マゾテン20
ただし、薬浴は成虫や卵の状態では効果がありません。(デミリン除く)
卵から孵化して、4回ほど脱皮したあとの、ノープリウスと呼ばれる状態のときに、薬浴の効果が発揮され、駆除することができます。
薬浴の効果が発揮できるスポットが小さいので、完全に駆除するためには複数回の薬浴の実施が必要です。
レスバーミンによる薬浴の実施方法
ここではレスバーミンによる薬浴について書いていきます。
順序としては次の通りです。
レスバーミンの薬浴の手順
- 飼育水の半分ほど水換えをする
- レスバーミンを規定量投入
- 1週間薬浴を実施する
- ①に戻ってもう一度実施
2週間、2回の薬浴で駆除することができるはずです。
また再発するようであれば、薬浴を再度行ってください。
デミリンによる薬浴
魚病の専用薬ではありませんが、害虫防除剤のデミリン水和剤の効果が高いです。
デミリン水和剤の特徴としては、イカリムシの卵や成虫にも効果がある点です。
古くから鯉の寄生中にも利用されていたようですし、口コミからも高い効果が確認できます。
気になる金魚への影響ですが、金魚に副作用が出た例は今のところありません。
自己責任での使用となりますが、治療の効果は高いですね。
イカリムシによる傷口を治療するために塩浴を実施
イカリムシをピンセットで駆除する際、少なからず金魚にもダメージが残ります。
なぜなら、イカリムシが身体に突き刺さって、食い込んでいるからです。
なので、取り除いたあと、傷口から別の病気にならないよう、対処してあげなければなりません。
0.5%の塩浴を実施してください。
金魚の自己治癒力によって、傷の治りが早くなります。
レスバーミンと並行して行って大丈夫です。
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寄生虫による金魚の病気のひとつ、イカリムシ寄生症の原因や治療方法について書きました。
薬浴だけで治る病気ではないので、最初はハードルが高いかもしれません。
ただ、原因はわかりやすく、治療方法も明確なので、完治しやすい病気ではあります。
本記事が参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。