金魚の病気など

金魚に塩浴(塩水浴)をするとバクテリアは死ぬの?

2020年4月1日

金魚の塩浴をしたい人「金魚の塩浴をしたいと思っている。塩水には病気を治療する効果や、体調を回復させる効果があるよね。でも、バクテリアが死んでしまうから、フィルターをはずさないといけないとか、水が汚れやすいって聞いた。塩浴をするとバクテリアは全滅してしまうの?」

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この記事の内容

塩浴(塩水浴)によってバクテリアが死んでしまうのかどうかがわかる

こんにちは、せいじです。

金魚のふるさと大和郡山で、金魚飼育を10年以上楽しんでいます。

大和郡山市が行っている、金魚マイスター養成塾を修了しています。

さて、金魚の病気を治療する際や、体調を整えるときに有効な塩浴(塩水浴)。

インターネットの情報では、塩水は水槽内のバクテリアを死滅させてしまうので、水槽が不安定になってしまう、といった意見や、バクテリアが発生しているフィルターははずさないといけない、というような記述が見られます。

果たして、塩浴(塩水浴)によって、本当にバクテリアは死んでしまうのでしょうか?

今回はそのあたりについて書いていきます。

金魚に塩浴(塩水浴)をすると、バクテリアは死ぬの?

金魚の水槽は、小宇宙のように、目に見えないものの働きによっていろいろな作用が発生しています。

まずはバクテリアのはたらきについて確認、それから塩が持つ作用について見ていき、バクテリアにどのような影響があるのかをまとめていきます。

とりあえず結論を述べると、塩水によってバクテリアが全滅することはありません。

水槽でのバクテリアのはたらき

水槽内でバクテリアがどのようなはたらきをしているかというと、金魚の有害物質を分解をしています。

金魚に対する有害物質と、金魚の排泄物に含まれるアンモニアです。

金魚にとって猛毒であるアンモニアを、バクテリアが食べて分解し、アンモニアを食べたバクテリアが出す亜硝酸という物質を、別のバクテリアが食べて、金魚に害の少ない亜硝酸という物質に変えるのです。

つまり、2種類のバクテリアの働きによって、アンモニアは金魚にとって害の少ない物質に変えられます。

これを生物濾過といいます。

生物濾過は、フィルターによって十分な作用が生まれます。

なぜなら、バクテリアはフィルターの濾材に棲みつくからです。

生物濾過の作用によって、水換えの頻度を減らすことができ、金魚が生活するのに好ましい水質を維持することができるのです。

バクテリアの効果については、金魚水槽のバクテリアの効果をわかりやすく解説の記事に詳しく書いています。

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塩浴(塩水浴)に使う塩には殺菌効果がある

塩浴(塩水浴)で使う塩には、殺菌効果があります。

塩の殺菌は、金魚の負担を軽減するために塩浴(塩水浴)によって金魚の負担を軽減する、浸透圧効果によるものです。

塩がもつ、浸透圧効果により、バクテリアが死ぬのです。

浸透圧効果とは、水分が塩分濃度の高いところから、低いところに移動する作用です。

バクテリアなどの菌は、浸透圧効果に耐えられず、死滅してしまうのです。

これが、金魚の水槽で塩浴(塩水浴)をすると、生物濾過に必要なバクテリアが死滅してしまい、水質が不安定になる、という根拠です。

なので、塩浴(塩水浴)をする場合は、ふだん金魚を飼育している本水槽ではなく、別の容器に移してするか、もしくはバクテリアが繁殖しているフィルターの濾材をはずしておこなわなければならない、という説になるのです。

ちなみに、浸透圧効果は塩分濃度が高いほど、作用が強くなります。

なお、浸透圧効果についての詳細は、金魚の塩浴に最適な塩の濃度は?【濃すぎるときけんです!!】をご覧いただけるとうれしいです。

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0.5%の塩水では、バクテリアは全滅しない

さて、問題は0.5%の塩水で、果たしてバクテリアは死滅してしまうのか、ということです。

私はこれまで10年以上金魚を飼育してきて、数えきれないほど塩浴を実施してきました。

そこで経験した実感としては、塩浴(塩水浴)によって、バクテリアは全滅しない、という結論です。

その理由としては次の通りです。

バクテリアが全滅しない根拠

  • 水槽立上げ時ほどの水質の不安定さは見られない
  • 塩分濃度が下がると、生物濾過がすぐに戻る

水槽を立ち上げたばかりのときは、まだバクテリアが発生していません。

金魚が出すアンモニアが分解されないので、水換えによって排出しなければならないのです。

しかし、塩浴(塩水浴)中の水槽では、そこまで水質が悪化する様子はありません。

それに、水換えによって塩分濃度が下がると、すぐに水質が安定します。

水槽の立ち上げ時では、バクテリアが発生して生物濾過が安定するには1ヶ月ほどかかります。

それをふまえて考えると、0.5%の塩浴(塩水浴)では、水槽内のバクテリアは減るが、全滅することはない、ということが言えます。

塩には細菌を増殖を抑える効果があるので、おそらく0.5%の濃度では、バクテリアを増殖を抑えるだけで、全滅させるほどの殺菌効果はないのではないでしょうか。

塩水(塩水浴)でフィルターをはずす必要はない

というわけで、結論としては、塩浴(塩水浴)をする際に、わざわざフィルターをはずす必要はない、ということになります。

個人的にも、塩浴(塩水浴)の際に、フィルターをはずすことはありません。

はずさないことにより、水槽が立ち上げ時の不安定な状態になってしまうことはないからです。

現に、私は塩浴(塩水浴)を1週間ほど実施し、その1週間後に半分の水換えをした後、通常間隔の2週間に1回の水換えに戻しています。

それでも水槽の水から汚臭がしたり、水が濁るといったことはありません。

もちろん、金魚が病気になったり、体調をくずすこともないですね。

金魚に塩浴(塩水浴)をすると、バクテリアは死ぬの?:まとめ

塩浴(塩水浴)によって、水槽内やフィルターのバクテリアが死滅してしまうのか?について書いてみました。

結論を繰り返すと、減ることはあっても、全滅することはない、ということですね。

なので、気軽に塩浴(塩水浴)を実施してもらったらと思います。

ただ、バクテリアの存在は、金魚飼育にとって非常に大切になります。

バクテリアの増やし方については、水槽のバクテリアの増やし方【重要です】の記事に書いています。読んでいただけると嬉しいです。

では、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

せいじ

現在:ハッピーアクト代表
住所:金魚のふるさと奈良県大和郡山
金歴:15年以上
実績:金魚マイスター認定者
    全国金魚すくい選手権20位
内容:金魚の飼育、育成、金魚すくいのコツを発信  

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