転覆病が治らなくて悩む人「金魚の転覆病が治らない。餌を食べたら転覆し、しばらくしたら元に戻るを繰り返している。このまま餌やりを続けたら、症状は悪化するばかりだよね?だから餌切りをしているんだけれど、そうすると一緒に飼育している他の金魚にも餌を食べさせてあげられないし、どうしたらいいのかな?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
複数の金魚を飼育している水槽で、転覆病の金魚が発生しなかなか治らない場合の対処方法について書いています
こんにちは、せいじです。
金魚を本格的に飼育するようになってから10年以上が経ちます。
その期間と同じぐらい、転覆病には悩まされてきました。
丸ものの金魚に見られる転覆病は、それぐらい発症しやすい病気と言えます。
また、完治が非常にむずかしい病気でもあります。
さて、消化不良による転覆病については、餌切りをしつつ治療することが必要になります。
餌を食べて繰り返し転覆すると、徐々に症状が悪化するからです。
なので、餌を食べない期間を作り、その間に治療をして、また餌をあたえて様子を見る、という形の飼育になります。
ここで困るのは、いっしょの水槽にいる金魚も、転覆病の金魚と同じく餌を切らなければならなくなることです。
水槽にいっぺんにあたえてしまうと、転覆病の金魚も頑張って食べてしまうからです。
ですから、元気な金魚だけに餌をあたえようと思ったら、個体ごとに確実に食べられるようにしなければなりません。
この環境では金魚を大きく育てることがむずかしくなります。
残る方法としては転覆病の金魚を隔離する方法ですね。
スペースが確保できるんであれば、ベストな形でしょう。
というわけで、今回は金魚の転覆病が治らない場合の対処方法について書いていきます。
金魚の転覆病が治らない場合の対処方法
では、金魚の転覆病が治らない場合の対処方法について書いていきます。
転覆病の金魚にとっても、元気な金魚にとってもプラスになる環境づくり、飼育方法であることがポイントですね。
個体ごとに餌をあたえる
まずは個体ごとに餌をあたえる対処法です。
個体ごとに餌をあたえる手順
- 浮上性の餌を使用する
- 転覆病の金魚をさける
- できれば1匹ずつめがけて
要は転覆病の金魚が餌を食べなければいいわけです。
あたえたい金魚にだけ食べさせることができれば、問題は解消されます。
そのためには浮上性の餌を用いる必要があります。
沈下性の餌だと、金魚がキャッチしにくく、水底に取りに行く時間が発生します。
転覆病の症状によっては、転覆している金魚が頑張って食べてしまう可能性があります。
また、転覆していても食欲はあるので、水槽に餌が入ってきたことを察知すれば、転覆病の金魚も餌をもとめて寄ってきます。
ですから、かなり慎重にコントロール良くあたえなければ、転覆病の金魚が食べてしまうことがあります。
ひとつの水槽で転覆病の金魚を隔離する
より確実なのが、転覆病の金魚を隔離することです。
理想的には別水槽を準備してそこに転覆病の金魚を移せるといいのですが、スペースなどの問題でむずかしい人もいるでしょう。
ですから、ここで提案するのは、元気な金魚と同じ水槽で転覆病の金魚を隔離する方法です。
タンクセパレーターと呼ばれる、水槽を仕切る道具を使うことで、同じ水槽を分けることができます。
同じ要領で水槽を上下に区切ってもいいでしょう。
具体的には、ある程度水槽の底にスペースをあけて、転覆病の金魚を仕切りより下側、仕切りより上のところを元気な金魚のスペースにすることで、元気な金魚にだけ浮上性の餌を安全にあたえることができます。
この方法の利点は他にもあります。
それは、転覆病の金魚の体表が水面から出るのを防ぐことができる、というところです。
転覆病がひどくなり、常時浮いているような状態になると、水面から身体の一部が出た状態が続きます。
そうなると、水面から出た部分にただれが発生するようになります。
身体の表面がただれてしまうと、金魚を守る粘膜がなくなってしまい、病原菌などに感染しやすくなります。
ですから、体表が水面から出ないようにしておくことが金魚を守るためには重要なのです。
転覆病用の水槽を作る
最後は、転覆病を発症している金魚ばかりの水槽を作る方法です。
複数の転覆病の金魚が発生した場合は、思い切って転覆病にかかっている金魚用に水槽を用意したほうが飼育が楽になります。
また、集中して治療をすることができるので、転覆病の改善がはかりやすい上に、元気な金魚に悪影響をあたえる心配もありません。
別の水槽を用意するにあたっては、必ずしも水槽でなくても大丈夫です。
それなりのスペースが確保でき、フィルターが設置できて水質や水温を維持できる容器であればOKですね。
ただ、小さな容器だと飼育が大変になりますし、金魚の体調管理もむずかしくなります。
容器の候補としては次のようなものが考えられます。
水槽の代わりとなる容器
- 衣装ケース
- コンテナ
- 大きめのバケツ
いずれも投げ込み式フィルターを使用すれば、濾過作用を発生させることができます。
ただし、転覆病の改善のためにヒーターを使って水温を上げる場合は、耐熱性などに留意しなければなりません。
また、ヒーターの設置がむずかしくなる場合があります。
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転覆した金魚の飼育環境
ここからは、転覆病の金魚を隔離した場合に、必要な容器の環境について書いていきます。
準備するのは、転覆病を改善するための環境や物品ということになります。
次のような環境が必要です。
転覆病用の水槽の環境
- 水温を25℃にする
- 餌の代わりに整腸作用のあるものをあたえる
- 水面に体表が露出しないよう工夫する
転覆病を改善するためには、消化不良の改善が必要です。
裏を返せば、腸内環境を改善するということです。
ですから、ヒーターを使って消化能力をフルに発揮できる25℃に設定してあげてください。
その上で、餌の代わりにクロレラや乳酸菌配合の食品など整腸作用があるものをあたえてください。
排便がうながされ、転覆病が改善される可能性があります。
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また、転覆病がひどい場合は、常に水面に浮いた状態となります。
前述したように、この状態では水面から出ている体表の部分が乾いてしまい、ただれます。
体表がただれると、その傷口から病原菌が入ってしまう可能性が高くなります。
それを防ぐためには、体表が外に出てしまわない環境を作ってあげなければなりません。
容器に網を設置し、金魚の身体が水中から出ないようにしてあげてください。
なお、網に使う素材としては、硬いものはさけてください。
プラスチック素材などの網では、金魚の身体に圧がかかり、体表が破壊されてしまいます。
布や麻などの柔らかい素材のものを使うようにしてください。
洗濯用の袋などであれば、加工もしやすく、金魚への負担もなくすことができます。
まとめ:転覆病を悪化させない餌やりが重要
金魚の転覆病が治らない場合の対処法ほうについて書きました。
転覆病が治らないと、いっしょに飼育している金魚にも影響がおよびます。
ですから、それぞれに必要な環境を整えられるよう、工夫が必要ですね。
もっとも大切なのは、転覆病を予防、悪化させないことです。
消化不良による転覆病であれば、適切な餌やりによってある程度予防することができます。
ですので、治療方法と同時に餌やりを重点的に改善するようにしてください。
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ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。