メダカをビオトープで飼育したい人「メダカをビオトープで飼育したい。メダカを飼育するのに、フィルターもエアレーションも使わず、そして水換えもほとんどしなくていいビオトープという方法があるって聞いた。そんな方法で飼育できるなら飼ってみたいと思うんだけれど、どうやったらいいの?」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
メダカや金魚、ウーパールーパーといった、水の中で生活する生き物を中心に飼育しています。
さて、メダカを飼育する方法のひとつに、ビオトープというものがあります。
ビオトープでは、フィルターやエアレーションがなくても、そして水換えをしなくてもメダカを飼育することができます。
なぜなら、人工的に生態系を作り出すことで、メダカが健康に生きられる環境を維持できるようにするからです。
ただし、そのためにはメダカだけでなく、水草などの植物といったビオトープを構成するもの全体に目を向けて飼育する必要があります。
もしかしたら大変そうに聞こえるかもしれませんが、メダカを水槽などで飼育するのとはまたちがった楽しみを感じることができます。
というわけで、今回はメダカをビオトープで飼育する方法について解説します。
初心者でもできる!ビオトープでメダカを飼育する方法
では、メダカをビオトープで飼育する方法について見ていきましょう。
まずはビオトープとはなんぞや、という部分をおさえておきます。
そのあとで、ビオトープに必要な道具などを見ながら、全体の把握をしていきましょう。
ビオトープとは?どんな意味?
普段の生活の中で、ビオトープという言葉を耳にすることはほとんどないかもしれません。
ビオトープとはどういう意味かというと、「ビオ(bio)=生命」と「トープ(topos)=場所」をかけ合わせた造語で、「ビオトープ(Biotop)=いろいろな生き物が共生している空間」をさします。
メダカのビオトープでは、メダカ以外にも貝類や植物を共生させることにより、メダカが自然の中で生活するような空間を作り出すのです。
そうすることで、通常の飼育であれば必要となることがら、たとえば水換えなどがいらなくなるんですね。
なぜなら、メダカにとって有害となる汚れは、他の生き物にとっての餌となり、水換えをしなくても飼育水から取り除かれていくからです。
自然に飼育水の浄化が起こるわけですね。なのでフィルターも水換えもいらなくなるわけです。
酸素も自然と供給される仕組みにすることで、エアレーションがなくても飼育できるようになります。
このように、人が手をかけなくてもメダカが生きていくことができる環境が維持されるわけです。
ビオトープに必要な道具
ビオトープに必要な道具を見ていきましょう。
次のものが必要になります。
ビオトープに必要な道具
- 容器
- 容器の底に敷く砂や砂利
- 水草などの植物
それぞれ掘り下げていきます。
容器選びのポイントとおすすめの容器
極端にいうと、水が入るものであればどんなものでもメダカを飼育することができます。
実際に、ペットボトルでメダカを飼育する、なんて方法も紹介されていたりしますしね。
しかし、屋外でメダカにとって安全で快適な環境を作るには、容器選びは重要です。
ポイントは次のようなものです。
容器選びのポイント
- 気温の変化の影響を受けにくい材質
- 水量がある程度確保できる
- 間口が広い
- 太陽の光に劣化しない
ビオトープは屋外での飼育になります。屋外では水温が気温の影響をもろに受けることになります。
水温が激しく変化する環境は、メダカにとってストレスとなり、体調をくずす原因になるんですね。
メダカを飼育する容器が、気温の影響を受けにくいものであれば、水温の変化をおさえることができます。
そのような観点から考えると、陶器や発泡スチロールの容器が適しています。
また、水量も水温の変化にかかわってきます。水量が多いほうが気温の影響を軽減できるからです。
ですから、ある程度水量が入る大きさの容器を選ぶようにしてください。
さらに、間口の広い容器を使用するようにしましょう。なぜなら、間口が広いほうが酸素をしっかりと飼育水に取り込むことができるからです。
ビオトープではフィルターもエアレーションも使用しません。ですから、酸欠のリスクが発生しないよう、飼育水に酸素がしっかりと取り込めるようにしてあげなければなりません。
植物を容器に入れることで、光合成によって酸素を供給してくれますが、それにくわえて自然に酸素が飼育水に供給される環境を作る必要があります。
最後に、丈夫な容器を選ぶようにしてください。容器が破損してしまったら、メダカが死んでしまう可能性があるからです。
たとえば、太陽の光で劣化してしまうプラスチックなどを使用すると、劣化によってかんたんに破損してしまうことがあります。
具体的に、ビオトープに適した容器としては、睡蓮鉢などの陶器でできたものがおすすめです。
陶器であれば保温効果が見込まれ、水温の変化を軽減することができます。また、丈夫なので破損のリスクも少ないです。
ただ、デメリットもあります。
陶器に水を入れるとかなり重たくなります。ですから、一度設置してしまうとなかなか場所を移動することができなくなります。
また、丈夫とはいえ陶器なので、割れてしまう可能性があります。
そのあたりには十分注意してください。
陶器以上におすすめものとしては、プラ舟があります。
プラ舟は丈夫で軽く、また安価で手に入れることができます。屋外でメダカを飼育するには、うってつけと言っていいでしょう。
ただ、水連鉢のような風情を感じられない、というデメリットがあります。
メダカの屋外飼育でおすすめの容器、コンテナ、プラ舟、睡蓮鉢の特徴
底砂選びのポイントとおすすめの底砂
ビオトープで飼育するためには、容器の底に敷く砂や砂利が必要になります。植物を植えるときに必要だからです。
また、底砂を敷くことで、飼育水の浄化作用をもたらしてくれます。
この浄化作用を、生物濾過と言います。
生物濾過とは、バクテリアが飼育水の汚れ食べて分解し、水をきれいにする作用です。
バクテリアが容器に住み着くためには、場所が必要になります。底砂は、バクテリアが住み着くのに必要となるわけです。
底砂には、バクテリアが繁殖しやすいタイプのものを用いるのがいいですね。バクテリアの数が多いほど、浄化作用がアップするからです。
具体的には、多孔質なものを選ぶようにしてください。
ビオトープでおすすめの底砂としては、赤玉土があります。使ってみてください。
水草などの植物選びのポイントとおすすめの植物
ビオトープには水草などの植物が必要になります。なぜなら、飼育水の汚れを排除してくれるからです。
飼育水に出る主な汚れとしては、メダカの排泄物に含まれるアンモニアです。
アンモニアはメダカにとって猛毒となりますが、生物濾過によってメダカに害の少ない硝酸という物質に分解されます。
硝酸はメダカに害の少ない物質とはいえ、飼育水の中に溜まっていくと、水質を酸性に傾けていくという性質があります。
水質が酸性に傾き過ぎると、メダカはストレスを感じます。ですから、水換えによって硝酸を排出する必要があるわけです。
水草などの植物は、硝酸を栄養にして成長します。つまり、硝酸を消費してくれるんですね。
ですから、水換えをしなくても飼育水に溜まらなくなるわけです。
初心者のビオトープでは、定番のホテイアオイが使うのがいいでしょう。設置も管理も楽なため、用いる人が多いんですね。
使ってみてください。
メダカ選びのポイント
ビオトープで屋外で飼育する場合は、気温の変化の影響を大きく受けることになります。ですから、どんなメダカでも飼育できるというわけではありません。
メダカの中でも、丈夫な品種に限定して飼育するようにしてください。
たとえば、ダルマメダカやアルビノメダカは、体質が弱い品種になります。
外で冬を越すというのはむずかしくなってくるので、ビオトープでの飼育は避けるようにしましょう。
容器を設置する場所
ビオトープの容器を設置する場所選びとしては、次の点に注意してください。
容器を設置する場所の条件
- 長時間直射日光があたらない
- 雨水が入り込まない
ビオトープで飼育する場合、太陽の光があたりすぎると飼育水の温度変化が大きくなってしまいます。
水温の変化が激しいと、メダカが体調をくずす原因となるため、長時間あたりすぎないところに容器を設置するようにしてください。
目安としては、午前中の数時間だけあたり、昼からは日陰になるようなところがベストです。
そのような場所がむずかしければ、すだれなどで光を調整するのもいいですね。
また、雨水が入り混まないところに設置するようにしてください。
雨水には大気中の汚れが混じっているからです。その汚れが容器に入ってしまうと、メダカの健康に害が及ぶ可能性があります。
また、空から降ってくる雨水は、地上の飼育水よりも水温が低くなっています。
大量の雨水が入ることによって水温が急激に低下し、メダカが体調をくずす可能性があります。
さらには、容器から水があふれ出すことにより、飼育水とともにメダカも容器から出てしまうということが起こりかねません。
雨水が入らない、軒下などに設置するようにしましょう。
メダカのビオトープのつくり方
ここからは、メダカのビオトープの作り方について書いていきます。
ビオトープを作る手順としては次のとおりとなります。
メダカのビオトープを作る手順
- 底砂を入れる
- 植物を植える
- 水を入れる
- メダカを入れる
まず、底砂を入れてならしていきます。そして、土に植物を植えて飼育水を入れてください。
そのあとにメダカを投入します。
容器の飼育水が元々のメダカの飼育水と異なる場合は、水合わせをしてからメダカを容器に移すようにしてください。
環境の変化をやわらげるためです。
あとは、日々の観察で異変がないか確認してあげてください。
初心者でもできる!ビオトープでメダカを飼育する方法:まとめ
メダカのビオトープでの飼育方法について書きました。
ビオトープでの飼育は、メダカだけでなく植物の飼育も楽しめます。
そして、自然にサイクルを活用してメダカを育てていくため、水槽でメダカを育てるのとはまたちがった楽しみを感じていただけるのではないでしょうか。
また、水換えなどの手間がなくなるのもいいですね。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。