水槽の濾過不足に悩む人「金魚を飼育するうえで、濾過ってとても大切だと聞いた。でも、きちんと濾過されているかどうかって、目に見えないよね?濾過が不足しているときに、なにかわかるような症状ってあるのかな?」
こんな悩みを解決します
この記事の内容
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚を飼育するうえで、汚れと濾過のバランスはとても大切です。
バランスがくずれていると、汚れが浄化しきれず金魚の病気につながるからです。
でも、濾過は目で見ることができません。
濾過で活躍してくれるバクテリアは目視できない大きさなので、バクテリアの状態を目で把握することはできないのです。
じゃあ、それを知る手立てはないのか、というとそういうわけではありません。
水槽で濾過不足が発生している場合、次のような症状が見られます。
濾過不足が起こっているときの水槽の症状
- 異臭がする
- 飼育水が白く濁る
- 水面に油膜が発生する
これらのサインを元にして、水槽の濾過不足を把握し、必要な対策を講じましょう。
というわけで、今回は金魚の水槽で濾過不足が発生しているときの症状と対策について解説していきます。
金魚の水槽で濾過不足が発生しているときの症状と対策を解説
では、金魚の水槽で濾過が不足している場合の症状について書いていきます。
しっかり観察していると気づけるレベルの異変です。
ぜひキャッチして、必要な対策を講じてください。
水槽から異臭がする
まずは臭いですね。
バクテリアによる生物濾過がきちんと機能している水槽の水は、ほぼ無臭です。
水槽に鼻を近づけると、若干土のような臭いがしますが、不快になるレベルの臭いを発することはありません。
しかし、濾過が不足している水槽では、ドブのような臭いを発するようになります。
ですから、水槽で異臭がするようになったら、濾過のバランスがくずれて汚れが浄化されていないと判断してください。
ちなみに、臭いの原因はアンモニアです。
アンモニアは金魚の排泄物にふくまれていて、金魚にとっては猛毒となります。
生物濾過はこのアンモニアを餌とするバクテリアの活躍によって作用します。
アンモニアを食べて、金魚に害が少ない物質に変えてくれるのです。
バクテリアが食べきれなくなると、アンモニアが水槽に残って異臭を放つようになるわけですね。
アンモニアが残っていると、金魚には非常に有害となります。
特にアンモニア中毒になると、回復する見込みは非常に低いです。
できるだけ早く対処してあげてください。
金魚がアンモニア中毒かも?症状や原因、治療、予防方法を解説します
飼育水が白く濁る
水槽の水が白く濁るのも、濾過不足で起こる現象のひとつです。
濾過がきちんと機能している水槽の水は、透き通った透明です。
しかし、濾過のバランスがくずれて汚れが十分に浄化されなくなると、飼育水の白濁が見られるようになります。
ですから、透明だった水が急に白濁してくるようであれば、濾過のバランスがくずれていることを疑ってください。
その場合、臭いも同時に発生している可能性が高いです。
臭いのチェックと合わせて行うと、より異変に気付きやすくなりますね。
水面に油膜が発生する
水面に油膜が発生している場合も、濾過が不足している可能性が考えらえます。
なぜなら、油膜は浄化しきれなかった水中の汚れによって発生するからです。
また、油膜の原因のひとつに、バクテリアの死骸があるとされています。
なんらかの原因でバクテリアが大量に死んでしまい、それが油膜になるということですね。
バクテリアが死ぬということは、それだけ生物濾過の作用が低下するということになります。
なので、水の汚れが浄化できず、ますます油膜の発生につながるという悪循環になります。
バクテリアが死んでしまう原因の主なものとしては、酸素不足が考えられます。
水温の上昇などによって酸素が不足すると、バクテリアが死んでしまうのです。
ですから、酸欠が起こりやすい夏場は特に注意が必要ですね。
金魚水槽で濾過不足が起こった場合の対策
ここからは、水槽の濾過不足を改善する方法について書いていきます。
前提として、前述したような異常が発生したら、まずは水換えを実施してください。
そのうえで、次のような対策を講じてください。
濾過不足への対策
- 水換えのサイクルを短くする
- フィルターの濾材を洗う
- エアレーションを設置する
- フィルターを強化する
- サブフィルターを追加する
それぞれ掘り下げていきます。
水換えのサイクルを短くする
濾過不足になっているということは、飼育水に発生する汚れの量と水換えのバランスが取れていないことが考えられます。
少なくとも、汚れが飼育水に発生していることになるので、なんらかの方法で取り除いてあげる必要があります。
そのために、もっとも単純な方法は水換えをすることです。
水換えのサイクルを短くして、人力で汚れを排出するようにしてください。
フィルターの濾材を洗う
飼育の環境を変えていないのに、急に濾過が不足しはじめたとしたら、それは濾材の目詰まりが原因かもしれません。
濾材が目詰まりすると、生物濾過がうまく機能しなくなるからです。
ですから、濾材を洗って目詰まりを解消してください。
なお、濾材を洗う際は、できるだけバクテリアを減らさないようにして洗う必要があります。
まちがった洗い方をすると、バクテリアが全滅して取り返しがつかないことになります。
くれぐれも失敗しないようにしてください。
なお、正しい濾材の洗い方については、金魚のフィルター(濾過器)の掃除を解説!【間違った掃除は逆効果】をご覧ください。
エアレーションを設置する
バクテリアが死んでしまう大きな原因に、酸欠があります。
生物濾過に必要なバクテリアは、好気性バクテリアといって酸素を必要とするからです。
つまり、水槽内の酸素が不足すると、バクテリアは死んでしまうのです。
突然水槽の酸素が不足するケースとしては、水温の上昇が原因として考えられます。
水温が上昇すると、水中に取り込める酸素の量が減るからです。
解消方法としては、エアレーションの設置が有効です。
水槽内に酸素をしっかりと供給してあげることで、酸素不足が解消できると同時に、バクテリアの数を増やす要因にもなります。
ですから、生物濾過の強化にもつながるということです。
フィルターを強化する
水槽の濾過不足は、そもそもフィルターの能力を超えた汚れの発生が原因かもしれません。
その場合は、フィルターを強化する必要があります。
フィルターの能力には、次の要素が関係してきます。
フィルターの能力を左右する要素
- フィルターの種類
- 濾材の容量
- 濾材の種類
まずはフィルターの種類によるちがいです。
一般的には、次の順で濾過能力が高くなります。
フィルターの能力の差は、濾過槽に入る濾材の量も大きく関係しています。
濾材の量が多いほど、濾過能力がアップするのです。
たとえば同じ上部フィルターでも、濾過槽が大きく濾材がたくさん入るタイプのほうが能力は高くなります。
さらに、濾材によっても濾過能力が変化します。
バクテリアがたくさん棲みつくことができる多孔性の濾材だと、その分強力になるということですね。
サブフィルターを追加する
フィルターを強化するのはむずかしい、今のフィルターの使用を続けたいという人は、サブフィルターを追加するという方法がいいでしょう。
サブフィルターとは、メインのフィルターとは別に補助的に入れるフィルターのことです。
手軽で追加しやすいフィルターとしては、投げ込み式フィルターがあります。
エアポンプにつないで濾過を発生させるフィルターですね。
上部や外部フィルターとくらべると濾過能力は落ちますが、安価なので気軽に追加できるのが魅力です。
金魚の水槽で濾過不足が発生しているときの症状と対策を解説
金魚の水槽で濾過不足が発生している場合に起こる症状と、対策について書きました。
この記事をまとめると次のようになります。
- 異臭、白濁、油膜が濾過不足のサインまずは水換えを実施
- 飼育環境の改善により濾過を強化
この記事に掲載しているリンクをまとめます。
ということで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。