金魚ヘルペスを知りたい人「金魚ヘルペスって病気があるんだよね?はたから見ていると特に異常はないのに、徐々に弱ってしまたったり、突然死んでしまう病気だって聞いたんだけれど、実際にどんな病気なの?詳しく知りたいな」
こんな疑問を解決します
この記事の内容
金魚ヘルペスの原因や症状、治療方法について書いています。また日本で金魚ヘルペスが蔓延した経緯についても書いています
こんにちは、せいじです。
金魚の飼育を10年以上しており、金魚のふるさと奈良県大和郡山市より、金魚マイスターの認定を受けています。
さて、金魚の病気のひとつに、金魚ヘルペスがあります。
金魚ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって金魚の内臓がやられてしまう病気です。
身体の表面に異常が出ないため、外見からは気づきにくいという特徴があります。
しかし、治療をせずにそのままにしておくと、ほぼ100%死んでしまうほど致死率の高い恐ろしい病気なのです。
また、感染力が非常に強い病気でもあります。
というわけで、今回は金魚ヘルペスについて書いていきます。
金魚ヘルペスとは?原因や症状、治療方法について解説します
では、金魚ヘルペスの原因や症状、治療方法について解説します。
金魚ヘルペスは、体表の異常からはわからないので、金魚の様子をしっかりと観察してあげる必要があります。
金魚ヘルペスとは?原因や症状
金魚ヘルペスとは、金魚の病気のひとつです。
ヘルペスウイルスに感染することによって発症します。
感染した金魚は、造血器官である腎臓や脾臓が壊死し、血を作ることができなくなります。
なので、貧血を起こし、衰弱して死んでしまうのです。
その症状から、この病気をヘルペスウイルス性造血器壊死症とも呼びます。
金魚の異常が金魚ヘルペスによるものかどうかを見極める方法としては、次のようなものがあります。
金魚ヘルペスの確認方法
- 体表に問題がないのに衰弱している
- えらの中が赤やピンクになっている
金魚ヘルペスは内臓にダメージをあたえる病気で、体表には問題が発生しません。
ですから、見た目に異常がないのに金魚が弱っていく場合は、金魚ヘルペスを疑う必要があります。
また、えらの中を確認することでも判断できます。
えらの内部は本来どす黒い赤色をしています。
しかし、感染している金魚は血が作れなくなり、貧血を起こします。
金魚が貧血を起こすと、えらの内部の色が薄くなり、赤やピンクになります。
金魚ヘルペスの治療方法
体表の異常がないことや、えらを確認して金魚ヘルペスによる異常である可能性が高い場合の治療方法は次の通りです。
金魚ヘルペスの治療方法
- 発症している金魚を隔離する
- 水温を35℃以上にする
- そのまま4日間継続する
後述しますが、金魚ヘルペスは35℃以上の水温が4日以上続くと、活動を停止することがわかっています。
ですから、症状が見られる金魚を別水槽に隔離して、水温を35℃以上にしてください。
ただし、衰弱が進んだ状態で水温を上昇させると、その負担によって金魚が死んでしまうケースが多いです。
なので、まだ体力が残っているうちに治療する必要があります。
つまり、早期発見、早期治療が必要です。
ちなみに、この治療では金魚ヘルペスの活動をおさえる効果だけで、ウイルスを取り除くことはできません。
あと、金魚ヘルペスは水温が15~25℃の間で活動することがわかっています。
ですから、この温度域を避けることによって、金魚ヘルペスを予防することができます。
とはいえ、金魚が活動しやすい水温域とかさなっていることもあり、実際に避けることはむずかしいでしょう。
日本で金魚ヘルペスが広まった経緯
ここからは、金魚ヘルペスが日本で蔓延したきっかけや今日までの経過について書いていきます。
金魚ヘルペスが日本で初めて確認されたのは、1999年です。
そして、埼玉県でのセリ市にて、感染魚が日本各地に広がったと推測されています。
ヘルペスウィルスの感染力は非常に強く、セリ市から持ち込まれた金魚によって、全国各地の養魚場や小売店の金魚に感染し、金魚の大量死が相次ぎました。
また、感染魚を購入した愛好家の間でも、同様の現象が見られたのです。
その後、ヘルペスウイルスへの対策として、金魚池や水槽などを塩素やイソジンで消毒するといった対策が講じられましたが、残念ながら状況は改善しませんでした。
ヘルペスに感染した金魚を昇温処理することで死なずに済むことが判明
2004年、ヘルペスウイルスは35℃以上の水温で4日以上過ごすと活動を停止することがわかり、感染している金魚にも効果があることが判明しました。
また、昇温処理してから水温を常温に戻しても金魚が死ぬことはありませんでした。
実際にヘルペスウイルスに感染した金魚は、常温では100%の致死率だったのが、昇温処理すると、致死率がほぼ0%になったのです。
金魚ヘルペスの現状
ヘルペスウイルスに感染しても、昇温処理することで症状をおさえられるようにはなりましたが、ウイルスを殺す方法はまだ明らかになっていません。
そして、症状がおさえられていても、ヘルペスウイルスに感染している金魚から他の金魚に感染することがわかっています。
ですから、20年以上経過した現在も、根本的な解決には至っていないと言えます。
それどころか、現在流通しているほとんどの金魚が、ヘルペスウイルスの保菌者と考えられています。
事前に昇温処理をしているため見た目は健康体ですが、実際はウイルスに感染している金魚が多いということです。
金魚ヘルペスとは?原因や症状、治療方法について解説します:まとめ
金魚ヘルペスの原因や症状、治療方法について書きました。
今流通している金魚の多くは、実は金魚ヘルペスにかかっている、というのは衝撃の事実ですよね。
そして、ウイルスを根本的になくしていくというのは、今後もしばらくはむずかしいようです。
ですから、このウイルスとうまく付き合っていくしかないということですね。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。